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先を読んで生きる【石巻天然温泉 元気の湯@宮城県石巻市】(2/2)

 アポイント先で昼食をご馳走になった僕は、心も体も満たされていた。次の行き先は、泊まる予定のホテルからそう遠くない場所にあった。

「やっと着いたな」

 そう、今回訪れたのは「石巻天然温泉 元気の湯」である。住宅街の中にあり、地元の方々しか利用しないような立地にあるため、僕は心の中で「お邪魔します」とつぶやきながら館内に入った。
 料金は700円。靴箱の鍵と券売機で購入したチケットをフロントのスタッフに渡すと、ロッカーキーを差し出された。そのまま脱衣所に移動し、指定されたロッカーに荷物を預けた僕は、さっそく浴場に繋がるドアの奥へと進んだ。

「なかなか良い雰囲気じゃないですか」

(店舗公式ブログ: https://ameblo.jp/genkinoyu/image-11038831292-11530052358.html )

 想像していたよりも広々とした空間には日替わり湯やジェットバスなどの趣向を凝らしたお風呂があり、そしてガラス越しには露天スペースが確認できた。
 まず体を清めた僕は、お風呂に数分浸かったあと、いよいよサウナ室へと足を踏み入れた。

「おお、ここも意外と広いな」

(公式サイト: https://genkinoyu.com/facilities/ )

 物理的には20人以上がゆったりと座れそうな6段構造のベンチに、数人の先客が静かに蒸されていた。2台の大きめなガス遠赤外線ヒーターによって室温は90℃ほどまで熱せられ、そして湿度も高いからか体感温度はさらに高くなる。僕も空いている最上段に腰をかけ、テレビを眺めながら蒸され始めると、ほどなくして全身から大量の汗が流れ出し、心臓の鼓動も激しくなっていった。

ーーそろそろ出ようか。

 立ち上がった僕は、サウナ室を出て頭から掛け湯をかぶり、水風呂に肩まで浸かった。

ーーキンキンに冷えてやがる……。

(公式サイト: https://genkinoyu.com/facilities/ )

 水温は18℃でバイブラは無し。広くて深い冷水に身を委ねた僕は、そこで30秒ほど時間をかけてゆっくりと深呼吸をして、すぐ近くにある腰掛け湯に座った。

ーー贅沢とはこのことか。

(公式サイト: https://genkinoyu.com/facilities/ )

 体の内側はサウナによって火照り、外側は冷水によって急激に冷やされた状態の僕の背中を、温かいお湯がつたって流れ落ちる。この温度変化が僕の自律神経を刺激することで、徐々に精神状態が安定し、僕は文字通り「ととのって」いたのだった。そして一息ついたところで立ち上がった僕は露天スペースへと移動し、温泉が注がれる壺風呂に浸かって空を見上げると、気づいた時にはそのまま時間を忘れて自分の心と対話をしていたのだった。

ーー人生において、やはり刺激は必要なのだろうか。

 僕は外部から刺激を受けることによって過剰なストレスを感じてしまう気質なのだ。内向型の人間の特徴とも言えるかもしれないけれど、僕は生きるモチベーションを外側からではなく内側から生み出している。脳を老化させたくないのであれば新しい刺激を受け続けるほうがいいのだけれど、一方でストレスを避けるためには平穏の中で暮らすように努めるしかない。このバランスが難しい。

 多少のストレスは脳にとってプラスになるのではないかと思う。辛いことがあったり新たな挑戦に怯えたりしたとしても、このおかげで老化を防ぐことができるのだと考えれば、ストレスというものは必ずしも悪いわけではない。

ーーでも、やっぱりちょっと違うんだよな。

 あの経営者が言うように、先が読める人生のほうがつまらない。それはわかっている。でも、僕はやっぱりまだ先が読める人生のほうが自分に合っているような気がする。

ーーとりあえず、もう1セットいきますか。

 僕は壺風呂から立ち上がり、再びサウナ室へと向かった。

(written by ナオト:@bocci_naoto)

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