名前から始まる【サウナイーグル@知立駅】(2/2)
予定していた仕事を終えて知立駅まで移動すると、時刻は18時を少し過ぎたところだった。4月5日(火)の愛知は比較的過ごしやすい気候で、こんな日にどこにも立ち寄らずに帰宅をするなんてもったいない。
今日は終電までに東京の自宅に戻ることができれば良いため、まだ少しだけ時間はある。僕は高まる気持ちをおさえながら、あの場所へと向かった。
「これかー! さっきはよくわからなかったけど、かなり大きな施設だな」
そう、今回訪れたのは「サウナイーグル」だ。知立駅から歩いて5分の好立地に店舗を構えるイーグルは、ボーリング場やパチンコ場などが併設された複合的アミューズメント施設となっている。
なぜ僕がこの店舗名に反応したのかというと、実は以前から店舗の公式Twitterアカウントと相互フォローになっており、なんとなく「イーグル」という名前を認識していたためである。だが、「知立」という地名まではピンと来ておらず、まさかそれが愛知県内にあるとは知らなかったのだ。
だが、さっそく店内に入ったところ、どうもサウナらしきものは見当たらない。館内を少しさまよってもなかなか見つからず、もしやと思い一度外に出てみて周囲をあらためて調べてみると、駐車場の奥にひっそりと「SAUNA EAGLE」の文字が確認できた。どうやらサウナは別の入り口が存在したらしい。
中に入り、下駄箱に靴を預けてフロントで通常入泉料金の2,420円を支払い受付を済ませると、館内着とロッカーキーを渡された。さらに奥に進んだところにあるロッカースペースで館内着に着替えた僕は、まず少しだけ館内を散策してみることにしたのだけれど、そこには本棚にびっしりと並べられた漫画や広々としたリクライニングスペースのほか、レストランも設けられていた。これだけ充実しているのであれば、もっとゆっくりと過ごしたいものだ。
一通りイーグルの設備について把握したところで、僕は浴場に向かうことにした。脱衣所の棚に荷物を預け、そしていよいよ浴場へと足を踏み入れたのだった。
「洗練されてるなー!」
ゆとりのある動線が確保された浴場は手入れが行き届いており、随所から清潔感とこだわりを感じることができる。そこには一般的なお風呂のほか、ジャグジーバスや人工温泉などバリエーションに富んだ浴槽が設けられていた。
僕はさっそく身を清めてからお風呂で体を温めると、サウナ室の中へと吸い込まれていったのだった。
「広すぎる……!」
3段構成のサウナ室は、10人以上が横並びで座れるほどの幅がある。つまり、物理的には全体で30人以上のキャパシティがある空間が広がっていた。僕は最上段に腰をかけて静かに蒸されることにしたのだが、温度計は84℃を指していてやや低めの設定かと思いきや、湿度が維持されているためか体感温度はさらに高く、すぐに火照ってきてしまった。
そこでテレビの音に耳を傾けながらじっとしていると、数分で全身から汗が流れだし、呼吸が荒れ始めた。そのタイミングで立ち上がり、サウナ室を出て頭から掛け湯をした直後、17.4℃の水風呂に肩まで浸かったのだった。
ーー最高だろ……。
だが、実は僕はこの時点で限界まで追い込んだわけではなかった。水風呂から出たあと、お風呂に浸かって再び体を温めながら休憩をしていると、スタッフの男性が浴場全体に声をかけ始めた。時刻は19時になろうとしていたところだ。そう、ロウリュサービスの開始である。
イーグルでは定期的にスタッフによるロウリュが行われるそうで、あらかじめその情報を入手していた僕は、脱衣所の手前にある受付表にロッカー番号を記入して予約していたのだ。
スタッフの準備がととのったところでサウナ室の中に入り、特になにも考えずに再び最上段に腰をかけて、その時を待った。すると、テレビの音声が消され、巨大な団扇を持った2人のスタッフが「本日のアロマはエターナル(※聞き間違えの可能性あり)の香りです」と言うなり大量のロウリュを発生させた後、勢いよく何度も風を送り出してきた。皮膚が焦げるほどの熱風に耐えられなくなった僕は、最も高温になる最上段に座ったことを後悔しつつ、なんとか1セット目を耐え抜いた。だが、それ以上そこに座り続けることに危機感を覚えた僕は、2セット目に入るところで誰よりも早くサウナ室を抜け出し、頭から掛け湯をすると、今度は7.4℃の水風呂に肩まで浸かった。
ーーこれは、やばい!!!
そう、イーグルには温度別に2つの水風呂があるのだ。つまり、冷冷交代浴ができるようにもなっている。久々のグルシン(※10℃未満の水風呂のこと)で急激に身体を鎮めた僕は、その勢いのまま外気浴スペースへと移動し、インフィニティチェアに身を委ねた。
ーーなんて開放感なんだ……。
これで昇天しないわけがなかった。身体に溜まっていたものが放たれ、身も心も軽くなり、宙に浮くような感覚。これこそサウナである。
ーーもともと名前を知らない施設だったら、わざわざ仕事の合間を縫って訪れなかっただろうな。
そこには、絶対的なサウナが存在していたのだった。
(written by ナオト:@bocci_naoto)
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