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映画「ウォールフラワー」を観て

10月14日「ウォールフラワー」という映画を観た。
原題は「The Perks of Being a Wallflower」。2012年のアメリカ映画で、スティーブン・チョボスキー監督の作品だ。

キャストは、チャーリー役のローガン・ラーマンサム役のエマ・ワトソンパトリック役のエズラ・ミラーヘレン叔母さん役のメラニー・リンスキーなどである。

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あらすじは、
チャーリーは、小説家を志望する16歳の少年。高校入学初日にスクールカースト最下層に位置付けられ、ひっそりと息を潜めて日々をやり過ごすことに注力していた。ところが、彼の生活は、陽気でクレイジーなパトリック、美しく奔放なサムという兄妹との出逢いにより、一変する。初めて知る“友情”、そして“恋”―。世界は無限に広がっていくように思えたが、チャーリーがひた隠しにする、過去のある事件をきっかけに、彼らの青春の日々は思わぬ方向へ転がり始める―。
と、いった内容。

で、観終わっての感想。

前半と後半が一変する

映画の前半。内気な少年が徐々に友達ができ、恋をしてゆく。
いわゆる、青春ものの典型的作品かと思って観ていた。
ところがである、それでは終わらない。
むしろ後半の方が、この映画の本題だと感じるのである。
それでも、前半は(あそこまでは開放的ではないが)青春時代の一ページを思い出すようで、胸がキュンとしたりした。

チャーリーの心の中の闇

さて、後半である。
チャーリーに何があったのか?それは3人兄弟の兄が返ってきた時の会話から始まる。「そのことでなく、あちらのほうだ」のような会話。鑑賞者側は、心の中に???がついてしまう場面である。
そして、良いイメージで、断片的に出てくるヘレン叔母さん。
その登場シーン。彼女のことを友人に語るチャーリーのシーン。「2人だけの秘密よ」と叔母から言われるシーン。車の事故シーン。警察官が自宅へ来るシーン。
それらが、徐々にパズルのピースのように、はまってゆく。
そして鑑賞者側が、ようやく事の真実を想像できるシーンへつながってゆくのである。

幻想なのか?現実なのか?

サムやパトリックとの出会いが、暗かった高校生活を一変させる。とにかく、友人たちがいい。最初は胡散臭いと思ったが、仲間になると温かい。友だちとはそんなものだ。
そんな学園生活の中で、パトリックに屈辱的できごとが起こる。そして殴り合い。その時期に距離を置いていたチャーリーは、そこに駆け付け、結果的にサムを助ける。力の強い相手に対し、その全員をぶちのめす。だが、チャーリー自身は、その時に何をしていたのか覚えていないのである。
このシーンにより、チャーリーの暴力性、そして精神的な病を患っていることが鑑賞側にはわかってしまう。

幼少期のトラウマは、その後の人生に大きく影響する

はっきりとは言わなかったが、おそらくヘレン叔母さんは、幼少期のチャーリーに性的虐待をしていたことが想像でる。それは、サムとの愛のシーンで、手が彼女の体に触れたときにフラッシュバックされる。
チャーリーがヘレン叔母さんと会ったのは恐らく4・5歳のころだろう。
ヘレン叔母さんは、夫のDVから逃げるように家に来る。
でも、そこで行われたことは・・・・。
チャーリーにとっては、それが深い心の傷となって、高校生になった今も引きずって生きているのである。

ある意味、幼少期のトラウマほど怖いものはない。
チャーリーは、確実に大人からの被害者だった。

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