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映画「87分の1の人生」を観て

11月3日「87分の1の人生」という映画を観た。
原題は「A Good Person」。2023年のアメリカ映画で、ザック・ブラフ監督の作品だ。

キャストは、アリソン役のフローレンス・ピューダニエル役のモーガン・フリーマンなどである。

あらすじは、
ダニエルは、前途有望な若き女性アリソンが起こした想像を絶する悲劇の中で娘を失ってしまった。2人は許しを経て、友情を育み、共に希望を見つけていく。
と、いった内容。

で、観終わっての感想。

たった数秒の不注意。人生が悲劇の方向へ。

アリソンは、幸せの絶頂の中を生きていた。あの事故が無ければ・・・である。わずか数秒の不注意で、同乗していた義姉夫婦2人が帰らぬ人となってしまう。
それと同時に、すべての幸せが、幻のように消えてゆくのだ。
それは、アリソンだけではない。
義姉夫婦の娘は、両親を失うこととなる。父は娘夫婦を一気に亡くし、孫の親権者となり生きねばならなくなる。映画の登場人物は、誰もが苦しんでいる。
アリソンは、被害者のように見えるが、違う視点で見れば加害者でもあるのだ。
人生のたった数秒が、その後の人生を変えてしまうことは、いたるところにあるのではないだろうか。

私のせいじゃない・・・それは”逃げ”であったことに気づかされる

アリソンは、映画の後半まで、心の奥底で「あの事故は、私のせいじゃない」と思っている。しかし、最後にダニエルにズバリと指摘されてしまうのである。ダニエルは元警察官。なので、事故が何によって起きたか分析していた。最終的には、アリソンがスマホを見ていた数秒間が原因であることを知っている。
娘夫婦が死んでから、酒を断っていた。ダニエルは酒で過去に家族を傷つけてきた。
孫の行方不明を知り、恐らく酒を飲み、銃を持ちだす。
そして、間一髪それを使用せずに済む。
その時、ダニエルがアリソンにずばり、その話をするのである。
アリソンは、それまで事故をすべて人のせいにしていた。自分は悪くないという逃避だったのかもしれない。でも、あらためて思い知らされるのである。

結末は、できすぎではないか?

最後。ダニエルが歳を取り亡くなる。
その葬儀の際に、以前見た地下室の87分の1模型を、アリソンが見に行く。そこに手紙が残されている。

その手紙の内容が、孫を元夫の息子とみてほしいという内容だった。
そして、家の外、3人がそれぞれ別の位置にいる。
その姿は、未来がどうなってゆくのか。ある意味、未知の世界であることを伝えているようであった。

少し「できすぎ」の結末のように思えたが、
よくできた映画ではあった。


自分が主人公のような人生を送りたいかといえば、もちろん”NO”である。
でも、誰にも起こり得ることでもある。数秒の不注意で、人生を変えることがないように、注意したいと思ったのである。


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