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映画「人魚の眠る家」を観て

8月5日、「人魚の眠る家」という映画を観た。2018年日本映画で、堤 幸彦 監督の作品だ。原作は東野圭吾。

キャストは、播磨薫子役の篠原 涼子、西島 秀俊、星野祐也役の坂口 健太郎、播磨瑞穂役の稲垣 来泉などである。

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あらすじは、
和昌と薫子の夫婦は、娘の瑞穂の有名私立小学校の受験が終わったら離婚するつもりでいた。円満な関係をアピールするため、面接試験の予行演習を待っていたある日、薫子の母や妹たちとプールに行った瑞穂がプールの排水溝の網に指を突っ込んで抜けずに溺れてしまう。和昌と薫子は病院に駆けつけるが、集中治療室に運ばれた娘が脳死状態であることを告げられ医師から厳しい選択を迫られてしまう。
もう二度と目を覚まさない瑞穂の臓器を提供するかどうか。他人を思いやれる心優しい我が子を思い2人は一度は臓器提供を決断するが、最期の日、瑞穂の手がかすかに動くのを薫子は目撃してしまう。薫子は判断を覆し臓器提供を拒み、そこから心臓は動き続けるが眠り続ける瑞穂を家族の協力のもと介護しつづける。
和昌はIT系機器メーカーのハリマテクスを経営しており、人工呼吸器を外し人工知能呼吸コントロールシステムを装着する手術を瑞穂に受けさせる。さらに社員の協力で瑞穂の筋肉に電気信号を流し手足が動かせるようになり筋肉量も維持していく。そこから瑞穂の体調は良くなり、普通の子がただ眠っているような姿のまま成長していくが、脳死したはずの瑞穂が動くことを気持ち悪がる人間もおり、その偏見の目は瑞穂の弟・生人にまで及ぶ・・・。
と、いったところから始まる内容。

で、観終わっての感想。

奇跡を信じたい親の気持ち

目の前のわが子。心臓は動いているし、身体も血が通っている。
いつか目を覚ましてくれる。
そう信じたい気持ちは、親であればだれもが持つ感情ではないだろうか。
まして、まだ6歳の子どもである。
だから、映画の中の親の考えには、ボクは共感した。
その悲しみは、たぶんその親にならないとわからない。

誰も悪くない

事故は突然起きた。
それも、瑞穂のおばさんと祖母が見守る中で、プールで起きてしまった。
やりどころのない、気持ち。特におばあちゃんの気持ちが、この映画では伝わってくる。
誰も悪くない。でも事故は起きてしまったのだ。
この出来事で、瑞穂の周りの皆が、十字架を背負うことになってしまった。

脳死は本当の死なのか

和昌の部下である星野。星野の研究するシステムで、瑞穂の筋肉に電気信号を流し手足が動かせるようになる。そして、筋肉量も維持していく。
誕生日プレゼントを手で受け取るシーン。そして、口角を上げ笑顔を人工的に作るシーン。その時の、母の薫子の表情がとても不気味に感じた。
父の和昌は、何かが違うと感じ始めるのだ。
そして、瑞穂の弟にも学校で影響を与え始める。
薫子が、包丁をみずほに突きつけ、「この子を刺したら私は殺人犯になるのか?」というシーン。この国のあやふやな部分を露呈したシーンだろう。

残念なキャスト

せっかく緊迫した、この映画の核のようなシーン。
警察官で現れたのが、ミスター珍。
なぜ、堤監督は彼を使ったのか?せっかくの映画が台無しになりかねないキャストだと思う。
警察官がにやけ顔で、「まあ、落ち着いて・・・」って、これはないだろ。
どう見ても、あんな警察官はいない。

こういう、映画でミスキャストは、映画の命取りになりかねない。
いい作品だっただけに、残念でならない。

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