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映画「ストレイトストーリー」を観て

6月22日、「ストレイトストーリー」という映画を観た。
英題は「The Straight Story」。1999年のアメリカ映画で、デイヴィッド・リンチ監督の作品だ。

キャストは、アルヴィン・ストレイト役のリチャード・ファーンズワース、ローズ・ストレイトシシー・スペイセク、ライル・ストレイト役のハリー・ディーン・スタントン、トムエヴェレット・マッギルなどである。

あらすじは、

アルヴィン・ストレイトは娘のローズと暮らす73歳の老人。彼は不摂生のためか腰が悪く、家で倒れても人の力を借りなければ立ち上がることもままならない。
ある日、10年前からの不和が原因でずっと会っていなかった兄が倒れたという知らせが届く。兄が住む家までの距離は350マイル(約560km)。アルヴィンは芝刈り機に乗り一人で無謀とも言える旅に出た。
芝刈り機の故障など、道中で様々な困難にあう。旅で出会う人々は彼を奇妙に思いながらも、ある者は助けを惜しまず、ある者は示唆に満ちたその老人の言葉を得る。

出典:Wikipedia

といった内容。

で、観終わっての感想。

年を取るということは

この映画の主人公は、73歳。
73歳の姿。こんな風になるんだ・・・。とあらためて感じた。
若い時は、誰もが自分が70代になるとは想像もしない。
でも、気がつけば歳を重ね、現在の年齢になっているのではないだろうか。その歳にになるとは、皆想像しない。
そう、だから70代にもいつかなるのだ。
単なる73歳の主人公の話ではなく、いつかこのような年齢になると想像しながら映画を鑑賞した。

若い頃の記憶

映画の中で、ロードレースの若者たちと話すシーンがある。
年を取って若者よりあるもの。それは経験であるというようなことを言う。
そして、年を取って困ることを、「若い時の記憶があること」とこの主人公は答えている。
主人公の若い時には、戦争(第2次世界対戦)があった。ヨーロッパでの戦時中の記憶は、消そうにも消せない。
知らぬ土地で出会った同年代と思われる男性と、バーで話した時も、その男性は戦時中の記憶に涙する。
思い出は、必ずしも楽しいことばかりではない。
むしろ、忘れたい思い出は、忘れられない現実がある。
それは70代になっても消えることが無いのだ。

人々に支えられて

芝刈り機に乗って、兄に会いに行く主人公。
その出発から、その途中での人々に支えられる。そして、家出少女を逆に支える場面もある。
身体は若い時のように動かない。でも、支えてくれる人々によって、結果的に彼の旅を助けてくれる。
これは、人生に似ている。歩とは一人では生きてゆけない。
誰かに支えられて、時に誰かを支えて生きてゆく。
それが人生なのである。

後悔しない生き方

兄の危篤を知り、芝刈り機の旅は始まる。
その兄とは、些細なことがきっかけで10年も、会っていなかった。
その兄に会いに行く。
そのような些細なことで、心に引っかかっていること。人には1つや2つあると思う。若い時には、それは何とも思わない。しかし、人生の終盤では、後悔したくない思いが募る。
兄と会い和解したい。その思いだけで彼は会いに行くと決断する。
逆に言えば、もっと早く和解をするべきだとこの映画は教えてくれているような気がするのである。

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