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映画「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」を観て

12月31日、「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」という映画を観た。
英題は「 Scent of a Woman」。1992年のアメリカ映画で、マーティン・ブレスト監督の作品だ。

キャストは、フランク・スレード中佐役のアル・パチーノチャーリー・シムズクリス・オドネル、トラスク校長役のジェームズ・レブホーンなどである。

あらすじは、

アメリカのボストンにある全寮制名門高校に奨学金で入学した苦学生チャーリーは、裕福な家庭の子息ばかりの級友たちとの齟齬を感じつつも無難に学校生活を過ごしていた。感謝祭の週末、クリスマスに故郷オレゴンへ帰るための旅費を稼ぐためチャーリーはアルバイトに出ることになっていた。そのアルバイトとは姪一家の休暇旅行への同伴を拒否する盲目の退役軍人フランク・スレード中佐の世話をすること。とてつもなく気難しく、周囲の誰をも拒絶し、離れで一人生活する毒舌家でエキセントリックなフランクにチャーリーは困惑するが、報酬の割の良さと中佐の姪カレンの熱心な懇願もあり、引き受けることにする。
感謝祭の前日、チャーリーは同級生のハヴァマイヤーたちによる校長の愛車ジャガー・XJSに対するイタズラの準備に遭遇。生徒たちのイタズラに激怒した校長から犯人たちの名前を明かすなら超一流大学(ハーバード)への推薦、断れば退学の二者択一を迫られ、感謝祭休暇後の回答を要求される。チャーリーは同級生を売りハーバードへ進学するか、黙秘して退学するかで苦悩しながら休暇に入ることになった。
中佐はそんなチャーリーをニューヨークに強引に連れ出し、ウォルドルフ・アストリアホテルに泊まり、“計画”の手助けをしろ、という。チャーリーはニューヨークで、中佐の突拍子もない豪遊に付き合わされるはめになる。高級レストランで食事をし、スーツも新調し、美しい女性とティーラウンジで見事にタンゴのステップを披露したかと思うと、夜は高級娼婦を抱く。だがチャーリーは、共に過ごすうちに中佐の人間的な魅力とその裏にある孤独を知り、徐々に信頼と友情を育んでいく。
旅行の終りが迫ったころ、中佐は絶望に突き動かされて、“計画”―拳銃での自殺を実行しようとするが、チャーリーは必死に中佐を引き止め、思いとどまらせる。ふたりは心通わせた実感を胸に帰途につくことができた。
しかし、休暇開けのチャーリーには、校長の諮問による公開懲戒委員会の試練が待っていた。チャーリーは、全校生徒の前で校長の追及によって窮地に立たされるが、そこに中佐が現れ、チャーリーの「保護者」として彼の高潔さを主張する大演説を打ち、見事にチャーリーを救うのだった。満場の拍手の中、中佐はチャーリーを引き連れ会場を後にする。
再び人生に希望を見いだした中佐と、これから人生に踏み出すチャーリーのふたりは、また新しい日常を歩み始めるのだった。

出典:Wikipedia

というところから始まる内容。

で、観終わっての感想。

この映画タイトルの意味がよく分かった

正直、この映画のタイトル「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」(英題「Scent of a Woman」)を見たとき、どんな映画なのだろう?という気持ちになった。何だか怪しげな、そんな類の映画なのかな?と思っていたが、ふたを開けると、ボク自身の狭い想像を超える、素晴らしい映画だった。
そして、このタイトルの意味に、大きくうなずく鑑賞後の自分がいた。

目が見えない分、人の本質を見抜く力

主人公の、スレード中佐。
映画の初めから、気難しく、人に嫌われそうなタイプである姿を、存分に出してくる。誰もが彼のそんな行動に、近づきたなくなるだろう。ひとことで言えば、偏屈で頑固な人である。
その彼は、実は目が見えない。軍隊にいたころ、事故で盲目になってしまった。
一方、高校生のチャーリー。田舎町から奨学金で入学し、高校に通っている。とてもまじめで、自分が不利益を被ろうと、友だちを裏切ったりしない人物である。
こんな二人が、ニューヨークへ行くことになる。
スレード大佐は、チャーリーのその心の透明さに気づいている。
目が見えない分、人の心をクリアに見ることが、できるのかもしれない。

あふれ出す、スレード中佐の「人としての魅力」

ニューヨークでの時間。最初は兄のところへ行くが、そこでは歓迎されないスレード中佐であった。チャーリーの姿は、逆に親類からそのように扱われるスレード中佐を、まるで守るように見えた。
その後、この2人の間に友情のようなものが、芽生え始める。
この映画の見せ場でもあるのだが、高級レストランで食事中に、女性の香りを感じ取り、フロアでダンスをする姿。女性への近づき方、何とも魅力的な会話、そして目が見えていないとは思えないほど上手にダンスをリードする中佐。もう、男としての魅力が、プンプン匂うくらいのシーンである。

最後の演説に、鑑賞者である自分も拍手した

そして、この映画の最後の見せ場は、やはり、高校での公開懲戒委員会のシーン。
もう、彼の人間としての魅力、そして頭の良さ、情熱、演説力。それらすべてが、凝縮されている。
俳優アル・パチーノの格好良さが、100%出るシーンかもしれない。
映画を観ながら、ついつい拍手する自分に気づく。
こんな映画は、なかなかない。

1992年の映画であるが、なかなか見ごたえのある、様々なことを感じさせてくれた映画であった。


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