記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

映画「マイ・フレンド・フォーエバー」を観て

10月10日「マイ・フレンド・フォーエバー」という映画を観た。
原題は「The Cure」。1995年のアメリカ映画で、ピーター・ホルトン監督の作品だ。

キャストは、エリック役のブラッド・レンフロデクスター役のジョゼフ・マゼロリンダ(デクスターの母)役のアナベラ・シオラゲイル(エリックの母)役のダイアナ・スカーウィッドなどである。

*****************************

あらすじは、
エリックの家の近くに、ある少年が引っ越してきた。彼の名はデクスターといい、HIVに感染していた。初めは彼を警戒するエリックであったが、次第に打ち解けあい、友情を深め合う。
雑草を煎じて飲ませ、エイズに有効な特効薬を探すも、失敗する。
ある日、エリックとデクスターはニューオーリンズで「エイズの特効薬が見つかった」というゴシップ雑誌を目にし、ニューオーリンズへ繋がっているという川を下る旅に出る。
途中、ポニーとジミーの舟に金を支払って同乗させてもらい、ニューオーリンズへ向かうが、その舟はもともとニューオーリンズへ帰る舟であった。薬の残りも少なく、なかなか向かおうとしない連中に怒ったエリックは、300ドルをくすねて、バスでニューオーリンズへ向かうことにした。しかし、ポニーとジミーは駅で2人を探しており、エリックはナイフで応戦しようとするも、ポニーはさらに大きいバタフライナイフを取り出す。
デクスターはエリックのナイフを奪い、自分の手を切って「僕の血は猛毒だ」と脅しをかけ、2人を撃退する。デクスターの体調と気持ちを悟ったエリックは、ニューオーリンズへ向かうことをやめ、家に帰ることにする。
旅の途中でデクスターは体調を崩し入院生活するも、死亡してしまう。
告別式の際、エリックは自分の靴とデクスターの靴を交換し、その靴をニューオーリンズへ繋がっているという川へ流す。
と、いった内容。

で、観終わっての感想。

2人の少年の母親が対照的だった

この映画で感じたのは、2人の母親の対照的な姿だった。
病気を患っているデクスターの母親。彼女の姿は、息子に対して、心からの愛情を感じた。
一方、エリックの母親は、完全に放任。ある意味ネグレクトかと思うくらい、息子に関心がない。
デクスターは、そんな母親の愛情をたっぷり浴びていたと思う。なので、彼の行動言動すべてに優しさを感じた。
一方のエリック。母親はあのような感じなのに、自分の中で葛藤しながらも、素直に育っている。
それはおそらく、周りのたまたま悪い影響を受けずに育っていたからかもしれない。人がもともと持つ根底の優しさを、実は彼は持っている。
しかし、この年代を過ぎると、おそらく彼は周りに染まっていくだろう。
デクスターの母親がエリックの母親に対し、最後に言った一言が素敵だ。
2つのことをお願いしたのだが、1つはデクスターの葬儀に出席させてほしいこと。もう一つは、もしエリックに暴力を振ったりしたら、私はあなたを殺すという言葉である。
ある意味、家族を超えた、人としての愛がそこに存在すると思った。

少しヤンチャではあるが、優しい心を持つ少年

エリックの映画の最初のシーンを見ると、いじめられっ子なのかと思った。しかし、相手にしなかっただけで、実際にはそこそこヤンチャな少年であった。
本当は、心の底から優しい気持ちを持っている少年である。それはデクスターとの出会いのシーンや、その後のやり取りでわかる。彼自身は、思春期を苦しく過ごしているのではないかと思う。
大人ではない、でも子供では無いそんな思春期。
だからこそ、その時期の人との出会いは、大切さを感じるのである。

最後の時間を友だちと満喫できた

1990年代後半。考えてみればエイズは不治の病と言われた時代である。「僕の血は猛毒だ」と言い、手のひらをナイフで傷つけ、危機を乗り切るシーンが、当時のエイズへの恐怖心を象徴している。
命の最後の時間をエリックという親友に出会えたこと、そしてちょっと無謀ではあるが、たくさんの経験ができたこと。何よりも楽しく最後の時間を過ごせたこと。
デクスターにとっては、最高のプレゼントだったんじゃないかなと思う。

棺桶の中のシューズのシーン

デクスターの棺桶の中に、エリックのシューズを置いてくるシーン。
そしてデクスターのシューズを川に流すシーン。
エリックにとって、デクスターは、かけがえのない親友だったということを象徴するシーンである。
デクスターは天国へ旅立ってしまったが、エリックはこれからも生き続け、そして大人になっていく。そんな未来を感じるようなシーンであった。
これからも、エリックの心の中では、デクスターとの思い出が生き続けるのだと思った。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?