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映画「オリバー・ツイスト」を観て

4月6日、「オリバー・ツイスト」という映画を観た。
原題は「Oliver Twist」。2005年のイギリス・フランス・チェコ・イタリア合作映画で、ロマン・ポランスキー監督の作品だ。

キャストは、オリバー・ツイスト役のバーニー・クラーク、フェイギンベン・キングズレーブラウンロー氏役のエドワード・ハードウィックなどである。

あらすじは、

舞台は19世紀の英国。孤児院で育った9歳のオリバーは、院を脱走してロンドンへ。そこでフェイギン老人の元に集まって盗みの修行をする孤児たちの集団の一員となって暮らすが、ふとしたことから富裕な紳士ブラウンロー氏と出会う。

といった内容。

で、観終わっての感想。

悪人だらけの世界の中に差し込む、一筋の光

ひどい大人たちに囲まれる環境。
そこに居ざるを得ない主人公のオリバー。
映画の初めから、この少年の周りの大人たちの酷さを目の当たりにする。
主人公は、まだ10歳くらいの少年。
誰かのもとで暮らさなければ、生きてゆけない子どもである。
そんな少年が、逃げ出すことを考えてしまうほど、劣悪な環境。
命の保証もないが、逃げるしかなかったのだろう。
でも、行動することで道は開けるのである。
ロンドンで、死を待つ状態のオリバーを助けてくれたのは、盗みを繰り返す少年。そして彼らを束ねる、フィギンだった。
フィギンは、悪党ではあるが、命を助けてくれたのは紛れもない彼である。
よく考えれば、悪党ではあるが、命の恩人でもあるのだ。

環境に染まらない、純粋な心を持ち続ける少年

盗みを繰り返すような環境にあっても、オリバーは純粋な心を持ち続ける。
彼の心には、おそらく映画には出てこない母親の姿があり、その母親からきっと教わったことのような気がするのである。
彼の原点は、今は亡き母という偉大な存在で包まれている気がした。

主人公の周りには、助け人が必ず現れる

そんなこともあるのか、オリバーの周りには、必ず助け人が現れる。
その一人が、ブラウンロー氏である。オリバーの純粋な心を見抜く彼もまたやさしく慈悲深い心を持つ人だった。だからこそ、オリバーを助けるのだろう。
また、悪党一味の中のナンシーもオリバーの純粋な心を見抜く。だからこそ、オリバーを助けようと思うのである。しかし、ナンシーは裏切りととらえられ殺されてしまうのだ。

話を戻すと、オリバーはその純粋な心で、善人を引き付けるのかもしれない。

絞首刑の目前のフェイギンに会うオリバー

フィギンの絞首刑前に会うオリバー。
気がおかしくなっているフィギンではあるが、オリバーを前にすると話はまともになる。オリバーは、かつて自分を助けてくれたフィギンとハグする。
人の恩、人の優しさを忘れない。
だからこそ、オリバーの未来に幸あれ!と思ってしまう。

オリバーを応援したくなる、不思議な映画だった。



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