映画「パーフェクト ワールド」を観て
6月15日、「パーフェクト ワールド」という映画を観た。
英題は「A Perfect World」。1993年のアメリカ映画で、クリント・イーストウッド監督の作品だ。
キャストは、ブッチ・ヘインズ役のケビン・コスナー、フィリップ・ペリー役T・J・ローサー、レッド・ガーネット役のクリント・イーストウッド、サリー・ガーバー役ローラ・ダーンなどである。
あらすじは、
といった内容。
で、観終わっての感想。
感動の映画ではなく、やるせない気持ちになる映画
この映画は、感動する映画ではない。
むしろ、観終わったあとに、やるせない気持ちになる映画だと思う。
脱獄犯のブッチ。もちろん彼の生い立ちにはかわいそうなところもあるが、かといって共感は出来ない。だからかもしれないが、彼が最後にFBIに射殺されても、(ある意味因果応報かな?)と思ってしまった。
しかし、ブッチは父親にすごく影響を受けている。いい意味でも悪い意味でも、やはり親の影響は大きい。もう一人の主人公フィリップも親の影響を受けている一人である。
この2人に、共通する部分は、親である。
子どもは親を選べない。親は、子どもの未来を決めてしまうくらいの影響力を持っている。だからこそ…と思ってしまう。
トレー警察、FBIラーの暴走シーンは笑えた
警察、FBI、犯罪心理学者を乗せたトレーラー部分が、犯人を追う際にけん引車から外れてしまう。森の中に突っ込む車両。このシーンは、危険だけれど何だか笑えたシーンである。それにしても、州知事を少し子馬鹿にしたような設定は、おもしろい。さすがアメリカ映画である。
宗教上の問題によって、子どもの心は委縮する
少年のフィリップは人質になり、ブッチとともに行動する。その中で、キャスパーのハロウィン衣装を盗むシーンがある。宗教上の問題で、ハロウィンには参加できない。そのほかのイベントごとも参加したことが無い。それをブッチに話すと、ブッチは車の上にフィリップを乗せて走行したり、家にお菓子をもらいに行かせたりする。
宗教上の問題は親だけでいいのではないかと思わせるシーン。子どもはのびのびと様々な体験を通して成長してゆく。ちょっとした皮肉が混ざっている。
1993年の映画だなと思う。子どもに対する虐待的シーンやタバコプカプカ
一番驚いたのは、黒人の子どもが出てくるシーンがあるのだが、その子の頭を祖父が思いきり叩いたシーンである。今の映画ではほとんど見なくなったが、ある意味虐待シーンともいえる。やはり今の時代とは違い、そんなシーンもオープンになっていたことを感じる。
そして、やたらブッチがタバコを吸う。今の映画ではほとんど見ないシーンでもある。このころは、どこでもタバコを吸えた時代なのだとあらためて感じたのである。
そんなわけで、この映画クリントイーストウッド監督作品であるが、他の同監督の作品に比べると今一つ何かが足りない気がする。
いい作品ではあるが、観賞後にさほど後を引かない映画であった。
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