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映画「パーフェクト ワールド」を観て

6月15日、「パーフェクト  ワールド」という映画を観た。
英題は「A Perfect World」。1993年のアメリカ映画で、クリント・イーストウッド監督の作品だ。

キャストは、ブッチ・ヘインズ役のケビン・コスナー、フィリップ・ペリーT・J・ローサー、レッド・ガーネット役のクリント・イーストウッド、サリー・ガーバーローラ・ダーンなどである。

あらすじは、

1963年秋のアメリカ合衆国テキサス州。刑務所から脱獄したテリーとブッチは、逃走途中に民家へ押し入り、8歳の少年フィリップを人質に逃亡する。しかし、ブッチはフィリップに危害を加えようとしたテリーを射殺し、二人で逃避行を続ける。自らの父がかつて一度だけ寄越したアラスカ州からの絵ハガキを大事に携行していたブッチは、フィリップを連れてアラスカ(パーフェクト ワールド)を目指す。一方、事件を指揮することになった警察署長ガーネットは、州知事の命令で派遣された犯罪心理学者のサリーと共にブッチを追跡する。
途中で車を乗り換えたブッチは洋服店に立ち寄り、フィリップのために新しい服を買うが、そこで警戒中のパトカーに発見されてしまう。ブッチは車でパトカーを大破させて逃亡しようとし、フィリップは『出てこいキャスパー』の変装衣装を手に躊躇いながらも彼と共に逃亡する道を選ぶ。厳格なエホバの証人の信者である母親の影響でハロウィンなどのイベントに参加できなかったフィリップは、ブッチに父親に対するような感情が芽生えていく。同じ頃、ブッチの追跡に失敗したガーネットは応援が到着するまでの間サリーと語り合い、保安官時代にブッチを車泥棒の罪で4年間少年院送りにした理由を聞かれる。ガーネットは、「ブッチの父親が暴力を振るう危険な男であり、少年院にいる方が彼にとって安全だった」と説明する。
畑の中で野宿していたブッチとフィリップは、近隣の農家マックに見付かり、彼の家で一晩過ごすことになる。マックの妻、孫と打ち解けたブッチとフィリップは、ラジオで正体を知ったマックに対して「騒がなければ黙って出て行く」と告げる。ブッチは朝になり約束通り家を出ようとするが、マックが孫に暴力を振るう姿を見て激怒し、彼を殴りつけて銃で脅し「孫に”愛している”と言え」と迫る。ブッチはマック一家を縛り上げマックに危害を加えようとするが、それを止めようとしたフィリップに銃で撃たれ負傷する。ブッチは銃を捨てて飛び出したフィリップを追いかけ、野原の中で彼に追い付く。そこにガーネット率いるテキサス警察とFBIが到着し、周囲を取り囲む。
ガーネットはフィリップを解放するように求め、それに対してブッチは「母親にフィリップをハロウィンに行かせろ」という条件で彼を解放しようとする。現場に到着したフィリップの母親は要求を受け入れ、ブッチはフィリップを解放する。ブッチはその場から逃げようとするが、彼が射殺されることを危惧したフィリップは、二人で警察に投降しようとする。それを見たガーネットは丸腰でブッチの元に向かい、ブッチは別れの品として父親からもらった絵ハガキをフィリップに渡そうとする。しかし、その仕草を「銃を取り出そうとしている」と判断したFBI捜査官が発砲し、ブッチは射殺される。激怒したガーネットとサリーはFBI捜査官を殴りつけ、フィリップは母親に連れられてヘリコプターに乗り込み、ブッチの遺体を悲しげに眺めていた。

出典:Wikipedia

といった内容。

で、観終わっての感想。

感動の映画ではなく、やるせない気持ちになる映画

この映画は、感動する映画ではない。
むしろ、観終わったあとに、やるせない気持ちになる映画だと思う。
脱獄犯のブッチ。もちろん彼の生い立ちにはかわいそうなところもあるが、かといって共感は出来ない。だからかもしれないが、彼が最後にFBIに射殺されても、(ある意味因果応報かな?)と思ってしまった。
しかし、ブッチは父親にすごく影響を受けている。いい意味でも悪い意味でも、やはり親の影響は大きい。もう一人の主人公フィリップも親の影響を受けている一人である。
この2人に、共通する部分は、親である。
子どもは親を選べない。親は、子どもの未来を決めてしまうくらいの影響力を持っている。だからこそ…と思ってしまう。

トレー警察、FBIラーの暴走シーンは笑えた

警察、FBI、犯罪心理学者を乗せたトレーラー部分が、犯人を追う際にけん引車から外れてしまう。森の中に突っ込む車両。このシーンは、危険だけれど何だか笑えたシーンである。それにしても、州知事を少し子馬鹿にしたような設定は、おもしろい。さすがアメリカ映画である。

宗教上の問題によって、子どもの心は委縮する

少年のフィリップは人質になり、ブッチとともに行動する。その中で、キャスパーのハロウィン衣装を盗むシーンがある。宗教上の問題で、ハロウィンには参加できない。そのほかのイベントごとも参加したことが無い。それをブッチに話すと、ブッチは車の上にフィリップを乗せて走行したり、家にお菓子をもらいに行かせたりする。
宗教上の問題は親だけでいいのではないかと思わせるシーン。子どもはのびのびと様々な体験を通して成長してゆく。ちょっとした皮肉が混ざっている。

1993年の映画だなと思う。子どもに対する虐待的シーンやタバコプカプカ

一番驚いたのは、黒人の子どもが出てくるシーンがあるのだが、その子の頭を祖父が思いきり叩いたシーンである。今の映画ではほとんど見なくなったが、ある意味虐待シーンともいえる。やはり今の時代とは違い、そんなシーンもオープンになっていたことを感じる。
そして、やたらブッチがタバコを吸う。今の映画ではほとんど見ないシーンでもある。このころは、どこでもタバコを吸えた時代なのだとあらためて感じたのである。

そんなわけで、この映画クリントイーストウッド監督作品であるが、他の同監督の作品に比べると今一つ何かが足りない気がする。
いい作品ではあるが、観賞後にさほど後を引かない映画であった。

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