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映画「ザ・ホエール」を観て

5月26日「ザ・ホエール」という映画を観た。
原題は「The Whale」。2022年のアメリカ映画で、ダーレン・アロノフスキー監督の作品だ。

キャストは、チャーリー役のブレンダン・フレイザー、エリー役のセイディー・シンク、リズ役のホン・チャウなどである。

あらすじは、

病的肥満の英語教師チャーリーはオンラインで講義を行っているが、その外見を隠すためにウェブカメラは常にオフの状態である。彼の唯一の友人は看護師のリズで、病院に行った方がいいというリズの言葉に対して、チャーリーは治療費がないからと断り続けている。また、彼の元には新興宗教ニューライフの宣教師トーマスが訪れるようになるが、リズはニューライフの存在を嫌っている。
自分のうっ血性心不全の症状がステージ3にまで達しており、余命が幾ばくも無い事を知ったチャーリーは8年ぶりに娘のエリーと再会するが、かつてチャーリーは新しい恋人アランの為に娘と妻を捨てた過去があり、エリーはチャーリーを恨んでいた。預金の12万ドルを全て与えるという条件で何とかエリーを引き留めたチャーリーは、彼女の学校のエッセイの手直しを手伝うことにするが、自分に対してもエッセイを書いて欲しいと要求する。
度々訪れるトーマスに対してリズは不快感を露にする。リズの兄はアランであり、チャーリーと恋仲になった事で父や教会から受けた仕打ちに耐え切れずに自殺してしまったのだという。チャーリーが病的肥満になったのも、アランを亡くした悲しみから逃れるための暴飲暴食が原因だった。
エリーはチャーリーに睡眠薬入りのサンドイッチを手渡して眠らせ、その間にやってきたトーマスに大麻を吸わせながら問い詰める。彼は教会の青年団からお金を盗み逃げ出した事を告白するのだった。エリーは彼の告白を密かに録音していた。
エリーの母メアリーがリズに連れられてやってくる。チャーリーとメアリーが会話する中で、チャーリーが十分な預金をため込んでいる事が判明し、治療費がないと嘘をつかれていたことを知ったリズは部屋を出て行ってしまう。二人はかつての結婚生活や、娘のエリーについての議論を繰り広げる。チャーリーは「自分の人生で一つでも正しいことをしたと信じたい」と話した。
ピザの配達人ダンに初めて自分の姿を目撃されたチャーリーはショックから過食を始め、オンライン講義の生徒に下品な言葉使いで「正直な文章」を書けとメールする。
トーマスがチャーリーに最後の訪問をする。彼は喜んだ様子で、エリーが自分の告白の録音を家族に送り付けた事で、両親が彼を許してくれたのだと話した。彼は地元に帰ることを決めるが、最後に彼が行った説教の同性愛に対する解釈でチャーリーは傷つき、彼に聖書を手渡して、家族の元に帰るよう言うのだった。
メールが原因で仕事を辞めることになったチャーリーは最後の授業でウェブカメラをオンにする。衝撃を受ける生徒をよそに「大事なのは、生徒が書いた正直な言葉だけだ」と告げてパソコンを投げ飛ばし、授業を終了させる。
チャーリーの体調が悪化し始め、リズが戻って診察を行っているところへ、怒った様子のエリーが戻ってくる。彼女はチャーリーの手直ししたエッセイが8歳の頃に書いたエッセイとすり替えられていた事でチャーリーと対立する。チャーリーはそのエッセイが今まで読んだ中で一番正直な文だと評し、最初は彼を非難していたエリーも、チャーリーの強い希望に応えて、エッセイを音読し始める。チャーリーは歩行器なしで立ち上がり、エリーの元に歩み寄る。エリーがエッセイを読み終え、お互いが目を合わせて微笑み合った時、チャーリーは白い光の中に包まれていった。

出典:Wikipedia

といった内容。

で、観終わっての感想。

宗教という名の暴力

この映画は何を描きたかったのだろう?
ある意味、すごく難しい映画なのかもしれない。
僕の率直な感想は、「宗教」という名の暴力を暗に示唆していると思うのである。
主人公のチャーリー、リズの兄、リズ、トーマス、そしてエリーやその母もこの宗教によって運命が引き裂かれた気がするのである。
そして、この映画の最後の最後まで、チャーリーを苦しめたのは宗教だった気がする。
そう考えると、人を救うための宗教が人の心に暴力をふるっているように感じたのである。

娘のエリーを、それでも愛するチャーリー

娘のエリー。
はっきり言えば、好きではない。はっきり言えば、救いようがない。
それくらい、ねじ曲がった心でこの世界を生きている感じがする。
そのエリーへの愛。チャーリーは深い心で、彼女を信じる。
最後の最後の場面。チャーリーが死にそうな場面に現れるエリー。
それも、単位を落とした理由が父である怒りをぶちまけに来たのだ。
そんなエリーに対しても、最後まで愛で包んでいたのはチャーリーだった。

リズが居たたまれない

この映画の中で、いたたまれなくなるのがリズ。
かつての兄のパートナーであった、チャーリーの面倒を見ている。
兄は自殺し、チャーリーは過食で命の危険性もある。「お金が無い」という理由で病院にも行かないチャーリーであったが、実はお金はあった。娘のエリーのためにその全財産を貯めていたのである。
リズの気持ちは?本当に居たたまれなくなるのだ。

それにしても、チャーリー特殊メイクはすごい

それにしても、チャ-リーの特殊メイク。すごすぎる。
ここまで完璧に肥満を作りあげられる技術力に脱帽である。
あまりにもリアルなので、ストーリーの方に集中して鑑賞できた。
とにかく驚きの特殊メイクであった。

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