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映画「ブルー・バイユー」を観て

2月3日、「ブルー・バイユー」という映画を観た。
英題は「Blue Bayou」。2021年のアメリカ映画で、ジャスティン・チョン監督の作品だ。

キャストは、アントニオ・ルブラン役のジャスティン・チョン、キャシー・ルブランアリシア・ヴィキャンデル、エース役のマーク・オブライエンなどである。

あらすじは、

アントニオは韓国で生まれたが、3歳の頃にアメリカ人の家庭に養子として引き取られた。それ以来、アントニオはルイジアナ州のバイユー地帯で暮らしており、同地を故郷だと認識していた。アントニオの暮らしは決して楽なものではなかったが、愛する妻キャシーとその連れ子ジェシーのお陰で幸福なものではあった。ところが、そんなある日、アントニオは差別意識丸出しの警官に目をつけられ、そのまま身柄を拘束された。しかも最悪なことに、当局は30年以上前の養子縁組の書類に不備があることに目をつけ、アントニオを韓国へ強制送還するという決定を下した。
アントニオに与えられた選択肢は処分を受け入れるか、当局と裁判で争うかの2択であった。しかし、前者は心情的に受け入れられるものではなく、かと言って後者の道を行くだけの資金的余裕はなかった。アントニオは弁護士費用を稼ぐために仕方なく昔からの仲間とともにバイク屋に強盗に入るが、警察に目をつけられることになる。
アントニオがコミュニティにとって大事な存在であることを判事にアピールするために、聴聞会で養母に証言してもらう必要が出てくる。アントニオは亡き養父からの虐待を見て見ぬふりをしていた養母を憎んでおり、彼女に証言を頼むことを激しく拒絶する。養父母は既に亡くなっていると知らされていたキャシーは、養母の存在を隠していただけでなく、養母に証言を頼もうとしないアントニオに幻滅し、さらにアントニオが強盗を働いたことを知り、ジェシーを連れて実家に行ってしまう。アントニオは養母に証言を頼みに行くが、養母の態度は冷たい。一方、キャシーはアントニオとの子を出産し、2人は再会する。
アントニオの聴聞会の当日、アントニオとキャシーの友人だけでなく、キャシーの前夫エース(ジェシーの実父)と養母も姿を現す。しかし、時間になってもアントニオは姿を現さず、アントニオの強制送還が確定する。実はアントニオは、かねてより自分を目の敵にしている警察官でエースの相棒であるデニーらに激しい暴行を受けていたのである。その事実を知ったエースはデニーを手錠で拘束し、キャシーにその事実を知らせる。
アントニオが韓国に送還される日、キャシーはジェシーと生まれたばかりの娘を連れて空港に駆けつけ、アントニオとともに韓国に行くと告げる。その場に、ジェシーを連れ戻すためにエースがやってくるが、ジェシーの様子を見て考えを改め、ジェシーに別れを告げに来たと言う。そんなエースとジェシーの姿を見たアントニオはキャシーに残るように言う。韓国に行っても家もない状態なので、まず1人で先に行って準備をしてから呼び寄せる、それまで待ってくれと頼む。子どもたちのためというアントニオの言葉にキャシーは納得するが、ジェシーは堪えきれずに「行かないで」と泣き叫ぶ。そんなジェシーを抱きしめるアントニオは強引にジェシーと引き離されて連れられていく。
エンドクレジットでは、既に強制送還された、または強制送還に追い込まれている養子の事例が紹介される。

出典:Wikipedia

といった内容。

で、観終わっての感想。

法律に泣かされた人たち

この映画の主人公は、アメリカ人である。
東洋系の顔をしているが、子どものころからアメリカ人の養子縁組のもと、アメリカで暮らしてきた。
ところが、新しく制定された法律が、アメリカ人であることを認めなかったのだ。エンドロールでもわかったが、主人公のような境遇にある人は、アメリカには万を超える人数がいる。
法ができると、その恩恵を受ける人、そしてその逆の人が出てくる。
仕方が無いことではあるのだが、やっぱり本人たちにしてみれば到底納得できることではないだろう。

アメリカの警察官の質の低さを感じる

この物語の中で感じたのは、アメリカ人の警官の質の低さである。
映画で描かれるということは、少なからずあのような景観が存在するということだろう。この映画の中では、その最低の警官のせいで、人生が大きく悪い方向へ転がってゆく。あまりにも可哀そうすぎる展開。
さらに、暴行まで加え、裁判に行かせない。
とても腹立たしい気持ちになった。

お金が無いために、走らざるを得ない犯罪

この主人公。過去には犯罪歴があるが、少なくともこの映画の中の現在はまじめに生きている。彼には家族があり、幼い娘と妻、そしてこれから生まれてくる娘がいる。彼は、家族を養うために、それまで仕事としていたタトゥの彫り士の仕事から転職しようと、就職活動をする。しかし、そこには人種の壁が出てくる。
でも、彼が犯罪に手を染めてしまうのは、そのためではなく、国外追放になることを阻止するための弁護士費用だった。
四面楚歌の中、犯罪をせざるを得ない状況に追い込まれてゆくのだ。

血のつながらない娘との絆

ボクが、一番胸が熱くなったのは、血のつながらない娘との絆であった。
「私はパパを選んだの!」の娘の言葉に、涙がツーっと目じりからこぼれた。血のつながりだけじゃないんだよね。人間同士のつながりは。
彼がその後、韓国へ行ってどうなるのかは分からない。

心の中で応援する自分がいたのは間違いない。

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