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映画「クラッシュ」を観て

5月19日「クラッシュ」という映画を観た。
原題は「Living」。2005年のアメリカ映画で、ポール・ハギス監督の作品だ。

キャストは、ジーン役のサンドラ・ブロック、グラハム役のドン・チードル、ライアン役のマット・ディロンなどである。

あらすじは、

ロサンゼルス市警察の黒人刑事グラハムとパートナーのリアは、捜査中の事件現場に向かう途中、韓国系女性キム・リーの運転する車に追突される。犯罪現場に到着したグラハムはその遺体を見て呆然とする。
場面は切り替わり、その事件の前日談。ペルシャ系人種の店主であるファハドと彼の娘のドリは、銃の店でどの弾丸を買うべきかを議論している。銃屋の主人はファハドを「オサマ」と呼び、2人は口論となる。ファハドは店を去ることを余儀なくされ、ドリは銃を購入する。
その夜、地区検事リックと彼の妻ジーンは、若い黒人男性アンソニーとピーターに銃を突きつけられ、車を強奪される。事件後、リックとジーン夫婦の家で2人は口論となる。メキシコ系の錠屋ダニエルは、ジーンがリックと口論している内容を耳にする。ダニエルは彼の入れ墨と服装のせいでギャングであるとジーンに疑われていた。ジーンはリックに別の鍵屋を呼び、錠を再び変更するよう要求している。ダニエルは新しい鍵の鍵をキッチンカウンターに置き、無言で立ち去る。
同じ頃、パトロール中の警官ライアンと彼のパートナーであるトムは、映像会社勤務のキャメロン監督と彼の妻クリスティンが運転しているSUVを追走していた。夫妻は運転中に口戯をしており、それを目撃したライアンは、本部から出されていたアンソニーとピーターが盗んだ車に出されていた捜索命令を無視し、夫妻を取り調べを優先する。酔っ払っているクリスティンとライアンは口論となる。ライアンはクリスティンに過度の身体検査を行う。クリスティンは涙を堪えながらそれを耐える。ライアンはキャメロンが謝罪した後、今回は警告のみとするとして夫妻を解放する。
カージャックされたSUVで、アンソニーとピーターは駐車中のバンを追い越している間に韓国系男性を轢いてしまう。彼らは病院の前にこの男性を捨て逃走する。
鍵屋ダニエルは、ファハドの店のドアの鍵を交換していた。ダニエルがファハドに鍵を変えてもドア本体そのものを変えないと意味がないので、ドア屋を改めて探すようとファハドに告げるがファハドは耳を貸さない。2人は口論となる。結局ドアとドアの鍵は交換されなかった。翌日、ファハドは自分の店が破壊されたことに気付く。ファハドはダニエルを逆恨みする。 グラハムはパートナーのリアとセックスをしている最中、母親から電話を受ける。グラハムが母親を訪ねると母親は行方不明の弟を見つけるように彼に依頼する。
ライアンは自動車事故の現場に遭遇し、救助のため転覆した車両に入り込むと、昨晩に出会ったクリスティンが閉じ込められているのを発見する。クリスティンは昨晩ライアンに受けた恥辱まがいの身体検査の影響で、彼の手で救出される事を激しく拒む。しかしライアンの必死の様子が伝わり、少しずつ心を開き始める。現場はガソリン引火による大炎上の危険が迫っていた。しかしライアンは命掛けでクリスティンを救出する。
アンソニーとピーターは別の車をカージャックする。その車はキャメロンのものだった。2人はそこで初めてカージャックした相手が黒人であることに気づく。警官が現場に到着し、行き止まりの住宅街でキャメロンの車は警官に取り囲まれ、その車内でアンソニーと2人きりになる。キャメロンは隠れようとするアンソニーを車内に残し、1人で警官らの前に姿を表した。しかしキャメロンは感情が高ぶっており、警官を威嚇するような態度で怒号を発していた。しかし現場の警官トムはなんとかキャメロンを警告のみで済まそうと行動する。無事、解放されたキャメロンはアンソニーを街に下ろす際、犯罪と共にあるアンソニーの生き方について「自分自身を貶めている」と諭す。
ファハドはダニエルの家を見つけて待ち伏せをしていた。ダニエルと遭遇し、ファハドは銃を発砲してしまう。その時、ダニエルの娘はダニエルの腕に飛び込んで父親を守る。ダニエルは叫び声を上げる。しかし彼女は撃たれておらず、無傷のままだった。ファハドは家に戻り、娘のドリに女の子に発砲してしまったが奇跡が起きた、と伝える。ドリはファハドのいない場所で、銃の弾丸の箱を取り出す。その箱には空砲と書かれていた。
警官トムは、ヒッチハイクしているピーターを車に載せる。ピーターとトムは車内に流れる音楽やスポーツ観戦に関する会話をする。しかしピーターは突然笑い始めてしまう。そしてその事でトムを怒らせてしまう。トムはピーターに車を降りろと言う。ピーターはつい突然笑ってしまった理由を話すために、ポケットに手を伸ばす。しかしトムは身の危険を感じ、ピーターに銃を発砲してしまう。息絶えつつあるピーターの手には、トムのダッシュボードに置いてあった『お守り』の小像とよく似た小像があった。トムは近くの茂みで車を燃やし、姿をくらます。その後、大きく燃える車を通りかかったキャメロンが眺めている。
映画冒頭のシーンに戻る。グラハムは一緒に現場に到着し、死体になっている彼の行方不明の『弟』を発見する。グラハムは病院で母から強く拒絶される。アンソニーは盗んだアジア人男性の車を店に売ろうとする。しかし車の中には子どもを含む人身売買の為に閉じ込められた多くのアジア人の人々の姿があった。その後、ロサンゼルスでは珍しく『雪』が降り、また街角で交通事故が起こる。

出典:Wikipedia

といった内容。

ちなみに「クラッシュ」という映画は検索するといくつか出てくるが、ボクの観たのはアカデミー賞を受賞した2004年のアメリカ映画である。

で、観終わっての感想。

肌の色の違いでの人種差別

アメリカという国は、世界各地の人々から構成される国である。
日本のように単一民族ではないので、必然と人種差別が起きやすい環境にある。その国で生きるということは、あらゆる場所でクラッシュが起きているということである。映画の最後で車がぶつかるシーンは、また新たな衝突が始まるような、象徴的なシーンだと思う。

差別される人自ら、また他の人を差別する構図

差別をされている人は、差別をしないわけではない。そのされた側が、またほかのだれかを差別してる。この映画の中ではそんな構図が見える。
当然そこの衝突が起こる。でも、実は一人ひとり見ると、皆極悪人ではないのだ。この国から、この人種間の差別は根絶はできないと感じた。

911テロ後のイスラム教徒に対する偏見

この映画は、2004年の映画である。ゆえに、2001年の911テロ後のイスラム教徒に対する偏見のシーンも出てくる。
よく考えると、あも頃はイスラム教徒はすべてテロリストのような、そんな報道がたくさんあった様な気がする。今でこそ、そんなことを言う人は少ないだろうが、そういう時代だった。この映画は2001年後の人種差別も描きたかったのかもしれない。

何ともやりきれない場面

何ともやりきれないシーンがある。
それは2人の警察官について。
一人は、人種差別をする。しかし、事故のシーンでその差別していた人間を助ける。
もう一人は、人種差別を嫌う警官。実際に黒人を危機から救う。しかしその彼が、自らの車の中で黒人を、偶発的に銃で殺してしまうのである。
拳銃所持を認めるアメリカでは、このようなことが起きやすい環境なのかもしれない。

誰もが実は、誰かを傷つけたいわけではないと思う。

そこには、自らの身を護るために、差別をせざるを得ない土壌が存在するのかもしれない。

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