映画「ひまわり」を観て
2月10日、「ひまわり」という映画を観た。
原題は「I Girasoli」。1970年のイタリア映画で、ヴィットリオ・デ・シーカ監督の作品だ。
キャストは、ジョバンナ役のソフィア・ローレン、アントニオ役マルチェロ・マストロヤンニ、マーシャ役のリュドミラ・サベーリエワなどである。
あらすじは、
といった内容。
で、観終わっての感想。
過去の名作が現在の名作になるとは限らない
今回50年以上前の、いわゆる「名作」を鑑賞した。
正直な感想を言う。
当時は名作だったのかもしれないが、今の時代に見ると名作ではないことを、感じたのである。
表現の方法が、限られた時代。興味の幅も限られた時代。
そんな時代に出来上がった映画。やはり時代感の違いを、ストレートに感じた作品である。
1970年当時の、映像の限界
映画は、見て、聴いて、鑑賞者が感じるものである。
と、なれば、当然1970年の物理的な表現も、映像の質も、到底今とは雲泥の差が出てしまうだろう。
ボクが特に気になったのは、列車の中から見るひまわり畑のシーン。映像酔いしそうになるほど手振れがひどかった。
それを見て、当時の映像表現の限界を感じてしまった。
たぶん、当時日本の映画館で、当時の若者たちが鑑賞して、心を打たれたのだと思う。でも、その時代だからこそでもあるのだ。
ひまわり畑や小麦畑の下には、戦死者の遺体が埋まっている
この映画の中で、衝撃的だったのが、ロシアへの戦争で、小麦畑やひまわり畑の下には、戦死者がたくさん埋葬されているということだった。
映画の中で出てくるひまわり畑。日本題のタイトルにもなっている。
それくらいこの映画の中で、目を引く景色。彼方まで広がるひまわり畑なのだ。しかし、それとは裏腹な事実に、戦争の悲惨さを感じたのである。
その後の日本のメロドラマに影響を与えたかも
この映画ですごく感じたのは、その後の日本のTVのメロドラマに、この映画は大きく影響しているのではないか、ということである。
その後の日本の恋愛系ドラマは、こんな感じだったことを思い出す。
あえて言うが、ボクは、この手のストーリーは大嫌いである。
何だか過去ばかりふり返り、未来を見ていない主人公たち。
今の時代に見ると、なんてくだらない内容なんだ!と思ってしまう。
でも、1970年頃は、こういう時代だったのかもしれない。
そんなわけで、昔の名作もたまに観るのだが、
少なくとも、ボクには刺さらなかったし、名作に思えなかった。
それが正直な感想である。
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