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映画「ひまわり」を観て

2月10日、「ひまわり」という映画を観た。
原題は「I Girasoli」。1970年のイタリア映画で、ヴィットリオ・デ・シーカ監督の作品だ。

キャストは、ジョバンナ役のソフィア・ローレン、アントニオマルチェロ・マストロヤンニ、マーシャ役のリュドミラ・サベーリエワなどである。

あらすじは、

第二次世界大戦下のイタリア。ジョバンナは、美しいナポリの海岸で恋におち、結婚する。その後、アントニオは厳しいソ連の最前線に送られ行方不明になってしまうが、ジョバンナは何年経っても戻らない夫のことを生きていると信じて疑わな い。終戦後、手がかりもないままアントニオを探しに単身ソ連へ渡るジョバンナ。しかし、広大なひまわり畑の果てに待っていたのは、少女のように可憐なロシア人女性マーシャと結婚し、子供にも恵まれた幸せなアントニオの姿だった。すべてを察したジョバンナは、よろめく足どりのまま1人イタリアへ帰る。心にぽっかり穴が空いてしまった日々を送るジョバンナ。そんな時、突然アントニオが彼女の元を訪れる。心揺れ動くなか、彼女は運命の決断を下す...。

といった内容。

で、観終わっての感想。

過去の名作が現在の名作になるとは限らない

今回50年以上前の、いわゆる「名作」を鑑賞した。
正直な感想を言う。
当時は名作だったのかもしれないが、今の時代に見ると名作ではないことを、感じたのである。
表現の方法が、限られた時代。興味の幅も限られた時代。
そんな時代に出来上がった映画。やはり時代感の違いを、ストレートに感じた作品である。

1970年当時の、映像の限界

映画は、見て、聴いて、鑑賞者が感じるものである。
と、なれば、当然1970年の物理的な表現も、映像の質も、到底今とは雲泥の差が出てしまうだろう。
ボクが特に気になったのは、列車の中から見るひまわり畑のシーン。映像酔いしそうになるほど手振れがひどかった。
それを見て、当時の映像表現の限界を感じてしまった。

たぶん、当時日本の映画館で、当時の若者たちが鑑賞して、心を打たれたのだと思う。でも、その時代だからこそでもあるのだ。

ひまわり畑や小麦畑の下には、戦死者の遺体が埋まっている

この映画の中で、衝撃的だったのが、ロシアへの戦争で、小麦畑やひまわり畑の下には、戦死者がたくさん埋葬されているということだった。
映画の中で出てくるひまわり畑。日本題のタイトルにもなっている。
それくらいこの映画の中で、目を引く景色。彼方まで広がるひまわり畑なのだ。しかし、それとは裏腹な事実に、戦争の悲惨さを感じたのである。

その後の日本のメロドラマに影響を与えたかも

この映画ですごく感じたのは、その後の日本のTVのメロドラマに、この映画は大きく影響しているのではないか、ということである。
その後の日本の恋愛系ドラマは、こんな感じだったことを思い出す。

あえて言うが、ボクは、この手のストーリーは大嫌いである。
何だか過去ばかりふり返り、未来を見ていない主人公たち。
今の時代に見ると、なんてくだらない内容なんだ!と思ってしまう。
でも、1970年頃は、こういう時代だったのかもしれない。


そんなわけで、昔の名作もたまに観るのだが、
少なくとも、ボクには刺さらなかったし、名作に思えなかった。

それが正直な感想である。

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