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「タスク管理」について ー会社員もそうじゃない人もー(3)

こんにちは。日常のタスク管理について考えるシリーズの三回目です。

■前回はこんなことを書きました。
コンピュータ先輩はマルチ・タスクがお得意なのはわかりました。
「じゃあ、私も!」と飛びつく前に「マルチ・タスクを人間がやるとどうなるのか?」と考えてみました。
「野菜炒め&インスタントラーメン」のお昼の場合なら効果的でした。
でももっと複雑だったら・・・。
やっぱり効率の良し悪しはケース・バイ・ケース。

🍀前回の記事はこちらです。


■今回は・・・
「マルチ・タスクは作業効率化の切り札ではない」とあきらめそうになったとき、マルチ・タスクに必須のタスクの「細分化」には、時短とは別のメリットがあることを知った話です。


ここでちょっとひとこと・・・
中村A(シリーズの最初の記事で「いつかやる」と口ばかりのワタシを鼻で笑っていたひと)は、時短とか効率化とかは好きじゃないタイプです。そういう人もいますよね。
頭の回転が速いので何でもどんどんこなせちゃう人とか、ゆっくりじっくりやる派だとか。
ワタシの友人知人には中村Aタイプの人々も一定数いて、その場合、ワタシはこのシリーズのようなタスク効率化の話はしません。興味無いのがわかってますから(^-^)。やり方は人それぞれですものね😊。

ワタシ自身も「効率が全て」とは考えません。「絶対的にスゴイ方法」があるとも思いません。「ああ、今日は良い一日だった」と少しだけでも思えるようにする「多くの試行のひとつ」と思っています。

そう言うカンジで「ちょっと興味あるな」と思っていただけるようでしたら、しばしお付き合いいただければうれしいです😊


■福音?「タスクの細分化」のメリットは時短ではない?

マルチ・タスクを以てしても効率の良し悪しがケース・バイ・ケースなら「何か他に仕事効率がUPする方法って無いのかなぁ」と調べ始めたときに、おもわぬ福音(ライフ・ハック)を見つけました。

ここで改めて、私たちが意識的に「やること」と捉えているものを「タスク」と呼ぶことにします。

「鼻歌を歌いながら階段を下りる」とか、「笑いながら怒る」みたいな人間の脳がやってくれるミラクル的なことはこの際、脇へ置いておくとして、この「やること=タスク」の効率化を、マルチ・タスクで実現できないか考えたいわけです。

と言うことで、この記事における「タスク」とは、例えば「ジムで運動する」「請求書を発行する」「会議の資料を作る」「買い物をする」「夕食を作る」などです。

マルチ・タスクの肝は
・「細分化」(短冊にする)
・「スケジューリング」(並べ替える)
・「切り替え」

でした。

このリストの一番最初の「細分化」について、単にマルチ・タスクを実現する以上のメリットもあるようなのです。

巷のライフ・ハックで「大変な作業は小さい作業に小分けにするといい」と言われているのを、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

ひとつの大きなタスクを複数の小さいタスクに細分化することで

  • 簡単な小さいタスクのほうが着手する際の精神的な負担が少ない

  • 小さいタスクでも予定通りに行えると達成感があり、成功体験が得られる

  • 自分が次に何をするべきなのか全体の見通しが良くなる

  • 時間の配分がしやすくなる

などのメリットがあるそうです。


このへんは世間に広く知られているライフ・ハックの受け売りですが、私自身も後にやってみて「なるほど」と効果を実感しました。

その効果とは「脳の負担を軽くしてあげられる」ことです。

つまり、毎回「やろうかな~。めんどくさいな~。後回しでもいいかな~」とか悩まずに済むのは想像以上に楽なんですよね。

と言うのも、毎回「やるか・やめるか」で悩むだけでも、脳には結構な負担なのだそうです。

例えば今、ジョギングを「するか」「しないか」について、

「どうしようかな~」
「お天気も悪くないしジョギングしようかな~」
「でも面倒くさいからやめておこうかな~」
「でも公園までなら往復でも30分くらいだから、やっぱ行こうかな~」

とやっているだけでエネルギー・ロスなんだそうです。
(エネルギーを使うから痩せるかと言うと、そういうワケでもないしね)

おまけに、そうやって悩んでいる間にも、時間はどんどん過ぎて行きます。
悩みながら目の前のテーブルに置いてあるお菓子なんか食べちゃったら、もう本末転倒もいいところです。

「ジョギングをする」という大雑把なイメージで「どうしようかな~」と考えているとき、私の場合は大抵、これから起こすであろう自分の行動を順番に想像することになります。

「服を着替えて、タオルを準備して、戸締りして・・・ああ、面倒くさいな~」となっちゃうわけです。

余談ですが「会社行かなきゃー」から「起床」=>「歯磨き洗顔」=>「お化粧」=>「バスで駅へ」=>「電車で1時間近く立ちっぱ」=>「会社へ徒歩」=>「おはようございま~す」
この一連の想像でふとんから出られず、会社を遅刻したことが何度もあります。


■実際にタスクを細分化してみた

話をジョギングに戻します😅。これが「ジョギング・ウェアを取り出してみる」だけならどうでしょうか? その程度のことなら「深く考える前にさっさとやっちゃえ」って感じで実行できるので、脳もつまらない判断にエネルギーを使わずに済みそうです。

タスクを細分化して本当に上記のような効果があるものなのか、やってみました。

普段、一個の「TODO」として把握しているものでも、作業を洗い出してみると意外と細かく分けられるものです。

例えば
「ジムへ行って運動しなくちゃいけないんだけれど、結局今週は一日も行かなかった」
という場合。

「ジムで運動する」を細分化

  • クローゼットの前に立つ

  • クローゼットからジム用のバッグを出す

  • ジム用バッグを持って玄関を出る

  • 自転車置き場へ行く

  • 自転車に乗ってジムへ行く

  • ジムで受付をする

  • ロッカーでトレーニング・ウェアに着替える

  • トレーニング・ルームへ行ってストレッチをする

  • マシンでランニングをする

・・・(中略)・・・

  • 家に戻ったらトレーニング・ウェアを洗濯機に入れる

  • ジム用バッグに次回用の替えトレーニング・ウェアを入れる

  • ジム用バッグをクローゼットにしまう


「ジムへ行くのは面倒だな」と思っても「クローゼットの前に立つ」だけなら、まぁいいかという気にもなります。

次の「クローゼットからジム用バッグを出す」も簡単だから出来るかな・・・。

こんな風にしてドンドン進めていけば気持ちの負担も少なくてすみますよね。

もちろん〈今日はここまで!もうムリ!〉と言って「玄関を出る」まで進まなかった事も何度もありました。でも「ゼロではなかった」「細分化したとは云えタスクを1つはやった」という達成感・・・というか、挫折感がないのは良かったです。世に言う「成功体験」とか「自己肯定感」というヤツですね、きっと。

自己欺瞞と言えなくもないですが〈人間なんて、自分自身の脳を小さい子供みたいに、なだめたりすかしたりして生きているようなもんなんじゃないの?〉と割り切りました。
ワタシ、役に立つと思えば割り切りが早いほうなのです😆。

「所詮は人間。しかも〈面倒臭いなぁ〉でおなじみのこのワタシだよ?〈毎日完璧に実行だ!〉なんて思うからいけないんだよね。少なくとも1つはやったんだから、上等でしょ!」と言ったかどうかはご想像におまかせします。

でもそのとき「毎日クローゼットの前に行っただけで終わってたら意味ないでしょ」という心の声が小さく聞こえました。

そりゃそうですよね。目的は「ジムで運動」。これじゃ毎日、家の中を数歩歩いただけじゃん、となるのは時間の問題。

でも我慢して続けていると、これが意外と先へ進めました。

どんなメリットがあったか?

1.次にやることが明確にわかっていた
以前は「ジムに行く」という目的に対する手順が漠然としていて、1つ行動を終えるとその都度「えーっと、次はタオルを持って・・・」とか考えていました。そうするとどうしても途中で「あ、その前に洗濯物を取り込んじゃおうかな」というような分岐が入ってしまいました。

もちろん、雨が降ったら洗濯物は取り込まなきゃいけませんが、その時じゃなくてもいい行動に分岐することも多かったのです。そして結局メインのタスクがどこかへ飛んじゃったり、時間が無くなって「今日はやめた」となっていました。

2.習慣になるとハードルが下がった
たとえクローゼットからジム用バッグを取り出すだけでも、何日か続けてやっていると、そこまでの行動のハードルがだいぶ下がりました。
〈ここでやめてもいい〉というのもあるし、〈ここまでは簡単だから続けられる〉という気持ちも出てきます。
ちょっと物足りなくさえなり、ソファーに座って考えているだけだった時に比べると、後続のタスクに対するやる気にも違いが出てきました。

3.そもそも実行可能なタスクなのかが判断できる
細分化したタスクを改めて俯瞰すると、そもそも実行可能じゃないこともあります。それだけのことをするには現実問題として時間が足りないとか、体力的に無理とか。
その場合「夕方じゃなくて朝ならどうかな」と、実行のタイミングを変えることも考えられます。
または「ジムに行くんじゃなくて、部屋でヨガをするのはどうかな」のように、タスクそのものを変更してもいいかもしれません。私の場合、目的は〈健康〉。運動は〈方法〉であって〈目的〉ではないのですからね。

4.どこがボトル・ネックなのかが見つけやすかった
ひとつひとつのタスクは簡単なのに、どうしてもそこで行動が止まってしまう箇所があったら、そこがボトル・ネックです。

私の場合は「ジム用バッグを持って玄関を出る」で毎回止まってしまったので、この項目をさらに細かく分けてみました。

「ジム用バッグを持って玄関を出る」をさらに細分化

・バッグを持って玄関へ行く
・自転車のカギを持つ
・靴を履く
・玄関の扉を開ける
・・・etc.

ここで「自転車のカギを持つ」の時、玄関に自転車のカギが無いことに気付きました。
その頃は通勤で自転車を使っていたので、自転車のカギは通勤用のバッグに入っていました。部屋へ戻って自転車のカギを取って来なくてはなりません。ああ、面倒臭い。
そこで「帰宅時に自転車のカギは玄関の定位置に置く」ことに決め、行動がスムーズに流れるようになりました。

特に問題が見当たらないのにそこがボトル・ネックになるなら、かわいいスニーカーを新調してモチベーションアップを図るなど、いろいろ試してみることもできます。ボトル・ネック箇所が特定できていない時には、改善策も立てられず「何でかな~。ほんとは行きたいんだけどね~。でも行きたくないんだよね~」なんて言っていました。

こうしてどんどん細分化して行き、タスクの実行を阻害している原因箇所を特定し排除して行けば、タスク全体の成功率も上がろうというもんじゃありませんか?

「ふむ。悪くない」

そう言って私はほくそ笑んだのでした。


その効果が微妙に思えたマルチ・タスクですが、やりようによっては使える気がしてきました。

要は「やりよう」。
そう、次に考えるべきは「どうやって」です。

次回は「ツール選び」をします。




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