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呪術廻戦 23巻 【ネタバレあり読書感想文】 2期アニメで再開。やっぱり面白い。


★★★★☆
Amazonでレビューしたものです。




戻ってきました



死滅回遊になってから、どうもルールが難しく、新キャラもイマイチ、さらに絵も雑な感じがして、しばらく呪術廻戦から遠ざかってました。

でも2期のアニメが始まり、1話を見て、やっぱり面白いなーと思い、原作を19巻から23巻まで一気に見直しました。

やっぱり面白かったです。

しっかりした世界観


呪いという、日本人には比較的馴染みがある負の側面。コックリさんや学校の怪談、菅原道真や陰陽師などの民俗学宗教などとも繋がりがあり、長い歴史の背景とともに、その存在をなんとなく認識されている概念。

その呪いを呪力というエネルギーに変え、さらにそこから呪霊という新たな存在(生命?)を生み出し人間に牙を向くことから敵を設定。
逆に呪力を持った超能力者=呪術師をもって敵を排し、さらには呪術という多種の必殺技で少年漫画的にも魅力満載。

これらの呪力を持った世界、それにまつわる権力や嫉妬などの生々しい人間社会もうまく構築されています。
連載当初は現実社会と地続きながら、呪力のある世界がしっかり作られているな、と関心しました。(その後現実とは離れていくが)

メインキャラの配置


そして漫画に欠かせない、魅力的なキャラクター。

主人公と、最強の仲間、最強の敵。
仲間と切磋琢磨しつつ成長していく主人公。主人公を狙う敵対勢力とのバトル。さらに別の大きな敵を前に、戦った相手と手を組んで戦う流れも王道でしょう。

それだけならよくありますが、
元親友という最悪がさらに登場し、この物語の裏で糸を引いていたという、最強の外に最悪という二段階の敵構造。
敵の中にもそれぞれの思惑それぞれの感情や仲間意識があり、深みを増しています。

歴史を遡った存在の復活や、この国の根源の存在も出現し、スケールが大きくなっていき、メインキャラの配置は見事だと思います。

(たまに微妙サブキャラが出てくるのはなんだろう、、)

死を選ぶ腸相、生かす星漿体


この23巻では、

お久しぶり宿儺の堕天開示と虎杖の決意。
少し過去に戻って、呪力というエネルギーから羂索の暗躍と、虎杖たちへの新たな敵の暗示(「私も術師相手であれば通常兵器は積極的に取り入れるべきだと思うよ」)。
再度現在に戻り、天元を手に入れるべき襲撃する羂索とその目的、迎え撃つ腸相、九十九由基との戦い。

この中では、弟の虎杖のために命を投げ出そうとする腸相と、それを止め生かそうとする九十九&天元が、泣けました。

呪術廻戦では、人とは何か、それから生まれる呪霊とは何か、殺すのか、助けるのに値する存在か、命の選択をするかしないか、といった人間の存在への問いがたびたび出てきます。
それに対し九十九は1つの答えを出してくれました。

夏油を導き、羂索と似た思考を持ちつつも、そこまでイカれていなかった九十九。

「もう少し君と話していたかった」

虎杖の呪いは解けるのか?


そして、死の決心をする、虎杖。

彼には物語の初めにおじいちゃんから厄介な呪いをかけられています。

「俺みたいにはなるなよ」
親代わりの祖父から孫への最期の遺言。
暖かな思いやりでしょう。

でも、死に方で人間って決まるものでしょうか?
お爺ちゃんは確かに孫1人に送られた寂しい最期だったかもしれません。
悠二は憎まれ口を叩きながらもお爺ちゃんを大事にしていました。
そんな孫に見送られた人生の最期なら、素敵ですし、十分ではないでしょうか。よく知らない大勢に囲まれて送られるよりも。
そんなふうに送ってくれる孫を、親代わりで一生懸命育てた、それまでの人生、生き方の方が大事ではないでしょうか?


もうクライマックスが近いと言われている呪術廻戦。
現在本誌で行われている最強のバトルを見ているとそんな印象も受けます。
今年に終わるという噂もありますが、どうでしょうか。
虎杖の生まれの秘密、羂索との決着、伏黒姉や最近出た新キャラも含めてしっかり決着をつけるとすると、今年中ではバタバタしそうな印象もありますが、、

芥見先生は終わりはほぼ決まっているとおっしゃっていたそうですね。
緻密な世界観、キャラ設定の上に構築された作品です。おそらくストーリーもしっかり決められていると想像しますが、なんとなく、先生自ら自らや自分の作品を壊す危うさも感じるところがあります。
テレビ版やその劇場版のエヴァのラストみたいには、ならないで欲しいですなあ。某ハンター漫画みたいにも。


死に方にこだわる虎杖ですが、できれば私はしっかり生き抜く方にこだわってほしいと願っています。
伏黒も。
できれば、釘崎も。

この先も期待しています。


著者:芥見下々
ASIN ‏ : ‎ B0C696347Q
出版社 ‏ : ‎ 集英社 (2023/7/4)
発売日 ‏ : ‎ 2023/7/4

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