呪術廻戦 17巻 【ネタバレあり読書感想文】 女という呪い
★★★★★
amazonでレビューしたものです。
1.死滅回遊の難解ルール
呪霊まみれの崩壊状態となった東京。
乙骨に殺されたはずの虎杖は夢を見て目覚めます。
母親。。。
そして、いきなり始まった死滅回遊。
なんじゃそりゃ。
複雑すぎるよ、ルールが、、
高専の地下、顕れた天元様。
彼によって暴かれる羂索という夏油の中身の名前とその目的。
天元様と同化した人間は新しい存在となり、暴走すると世界が終わるという。
しかも、天元様は羂索が夏油の肉体を得て手にした呪霊操術の術式対象だと。
つまり、羂索は天元様を操って世界を終わらせることができる、ということか。
厄介だなあ。
天元様を守るため、九十九由基と腸相という珍しいペアが残ることに。
五条先生を解放するため、天元様の持つ獄門疆「裏」をもらい、死滅回遊に参加しているあらゆる術式を消滅できる「天使」を名乗る術士を探すことに。
分担して死滅回遊に参加することになった、虎杖たち。
釘崎がいないのが泣けるなあ。
2.ゼーレの闇に泣くパンダ
五条先生が皆殺しを考えるほど、腐った呪術界の上層部。
彼らはいつも障子だか板だかの後ろに隠れて偉そうなことを言うばかりです。
五条先生が封印されてここぞとばかりに五条一派を潰しにかかる。
夏油と戦った呪術師がたくさんいるのに、渋谷事変が学長や五条先生によって起こされたものと認定できてしまうのも、死罪を認定して、実行できてしまうのも、おかしいというか、なんというか。
人工に作られた存在のパンダ先輩ですが、今の高専の生徒の中で一番人間ができていると思います。
自分の親を殺した相手にも事情があることを知り責めません。
でも、パンダには感情があり、親を殺されて悲しくないわけがない。
声をあげて泣きます。
夜蛾学長はなぜ今になって呪いを残し去ったのか。
夜灯の電気にあたり散る蛾の絵が悲しいです。
3.双子という祝い
真希と真衣。そしてその母。
この禪院家は家柄も古く権力のあるの御三家の名門とのことですが、
そのためか人間的にはだいぶ腐っているようです。
平然と女性蔑視の発言をする次期党首の直哉は本当にクズにしか見えません。
でも、呪術界全体が女性にとっては生きにくいと、西宮桃がいっていました。禪院家だけでないのかもしれません。(高専はそんな印象は受けませんでしたが)
この呪術廻戦を読んでいて、真希も釘崎も口が悪いなと、私は思ってました。
それには(女の子なのに)という但し書きが先についています。
女の子はお淑やかで優しく美しくか弱くあるものだ、あるべきだという無意識の思いこみが私にもありました。
それも呪いなのでしょう。
女だから、女なのに、女のくせに。
甚爾と違い、真希には真衣がいました。
一つだった二人は、
二人に分かれて生まれ、
また一人になり、
結果、
無敵になった。
呪いを消して、呪いから開放された真希。
禪院という呪いを、壊す。
そんな我が子を産んだことを喜び死んでいく母。
やっぱり作者は女性なんでしょうかね。
真希が禪院一族を滅ぼす殺戮の描写、
少年ジャンプでよく描いたと思います。
酷いなと思いました。
酷いなと思ってしまいました。
火傷跡醜いなとも。
でもきっと、同じことを甚爾がやったら、さすが強い、かっこいい、と思うのでしょう。
私の呪いはまだ解けません。
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