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親知らず抜歯で気づいた【食事】の大切さ

親知らずを抜いた。
体調が万全な時に抜歯するべきだった。

虫歯になってはいなかったが、
歯茎や周辺の歯を圧迫して痛むことがあった。
私は一人暮らしの30代女性会社員。
カレーとラーメンが大好きだ。
そんな私の、
親知らず抜歯から一ヶ月までを描きました。

抜歯を侮る

突然、親知らずが主張しはじめた。
歯科医に診てもらい、抜歯することが決まった。

正直、抜歯前日には痛みは治まっていたが、
親知らずは歯ブラシの届かない場所に
生えることが多いので
放っておくと虫歯になるリスクが大きいらしい。

抜歯後は痛いと聞くが、2〜3日だろう。
もしかしたら顔が小さくなるかも…!

と、完全に抜歯を侮っていた。

コンディション最悪

抜歯当日は運悪く月経初日だった。
多少の貧血症状がありながらも歯科医は近所なので、
徒歩で向かった。
結果を言えば、
車で行かなかった事を後悔する羽目になる。

抜歯手術はおよそ1時間。
親知らずは深く埋まっていて、
歯を分割して抜いたようだった。

その様子を一言でいうと『道路工事
麻酔をしていたので痛みはないが、
器具が打ち込まれる音、
歯を引き抜こうとする音は鮮明に聞こえた。

そして抜歯終了。
歯茎を切開したので縫合された。糸が引きつって痛い。
抜歯後の穴からは出血が止まらない。
私はガーゼを噛みながら、
徒歩で家まで帰ったのだった。
徒歩で来たことを、死ぬほど後悔した。

抜歯後の生活

当日から一週間

食事は、とにかくゼリー飲料を大量に買い込んだ。
しかし『吸う』動作は抜歯後の傷口に良くないらしい。
ゼリー飲料を皿に出し、
スプーンで少量ずつすくって食べた。
それだけの行為に、とてつもない疲労を感じた。
【食事】とは、こんなにも辛いことだったのか。

左奥1本抜いただけなので
右側で噛むこともできるが、
噛む振動が伝わって全体に痛みがまわった。
味噌汁も染みた。

Webで【親知らず抜歯後 食事】検索すると
おかゆや柔かい麺、スープが出てくるが
安全な右側を少しでもはみ出そうものなら
激痛が襲った。
Webの情報は事実ばかりではない。

料理や食べることが何より好きな私。
抜歯後一週間は口を開けて飲み込むのが辛く
ゼリーやヨーグルト、プリンしか食べられなかった。

あれだけ楽しかった【食事】という行為が
薬を飲むための義務的な行為に成り下がった事が
精神的に苦しかった。


二週〜三週目

抜歯から一週間後に、抜糸をした。
もう歯を抜こうが糸を抜こうがどっちでもいい。
早く痛み止めの薬を飲みたい。

追加で薬をもらった。
私は一生、痛み止めを飲んで生きていくのか。
抜歯から一週間経っても、
終わりの見えない痛みに苦しんでいた。

歯科医から
抜歯後の穴にかさぶたを作るだけの血液が溜まらず
ドライソケット』という状態だと言われる。

抜歯から一週間、体重は3kg減。
急激な身体の変化で
より貧血を起こしやすくなり体力も落ちた。

それでも歯茎を縫合していた糸が無くなり
口を開けやすくなった。
おかゆやスープ類も、
この頃から食べられるようになった。
【鶏ひき肉の全具材みじん切りシチュー】
なんかも作ってみたりした。

しかしまだ食欲は安定せず
食べることにも体力や神経を使うため
少しずつしか食べられなかった。

食べたいと思う味も毎日変わった。
せっかく作り置きしたみじん切りシチューも、
食べ切れずに廃棄してしまった。

一人暮らしをはじめてから、
料理と食材を大切にしてきた。
保存可能な作り置きをしながら
かならず全部食べ切る。

それが不可能になってしまった。
抜歯後の痛みと自己嫌悪で気持ちが落ち込み
悩んだりもした。

体調を取り戻したい、
【食事】の楽しさを思い出したい。
そして、自分の食べたいものに正直になろうと決めた。

抜歯後二週目後半から
スーパーのお惣菜にあった
ポテトサラダを食べることができた。

薄切りのきゅうりや人参が入っていて、
久々にちゃんとした食事をしたような気がした。

このくらいなら噛めるという基準ができて、
おかゆではない普通の白米も
一口10粒ほどにわけて、本当に少しずつ
食べられるようになった。

他にはインスタントのきのこスープ、
マカロニ入りのグラタンなど
食べられるものが広がっていった。

もちろん、完食できたものは少ない。

残しても良い、
今は【食事】の楽しみを取り戻すことが優先。
心と体に正直に生きることを大切にした。

四週目〜現在

三週目の後半から痛み止めを飲まなくても
生活できるようになった。
『ドライソケットの状態も改善され、
少しずつ組織が回復している』と
歯科医からも診断される。

現在の食事で食べられないものは
揚げ物やスナック菓子、
味の濃いラーメンや刺激物のキムチなど。
これ以外は細心の注意を払いながら
本当に少しずつ食べることが可能になった。

見出し画像のような食事は、
抜歯後四週目でようやく叶う。

時間をかけてよく噛んで食べるようになったので
満腹感が出て食べ過ぎる事が無くなった。

親知らずを抜くと決めたら


親知らずを抜くのはよく聞く話なので、
珍しい目でみられることもなく
治癒スピードも個人差があるため
『大ごと』と思ってもらえない時もある。

子供が抜歯をするのと
30代が抜歯をするのは違うということ。
年齢を重ねると回復には時間がかかる。


もし大人になって親知らずを抜くと決めたら、
必ず体調を万全に。
抜歯後は自分の気持ちに正直に日々を過ごすこと。

好きなものを好きなだけ食べられるのはとても幸せ。
食事の量が減り、自分の口に入れたひとつひとつが
私をつくっている事を実感している。


親知らず抜歯で気づいた食事の大切さ。








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