打瀬くらげ
ピアニストを目指す少年 方治。初めて出場するコンクール予選中、母の訃報が届く。従兄弟のたけしが開発しているトイボットの「小鳥」。方治は母とその「小鳥」を通して連絡を取り合っていた。父母との死別を乗り越え、故郷を離れて音楽の道に進もうとする方治が成長しようとする物語を描きます。
SF小説のプロトタイプとして、断片的なシーンをおこしたもの。 人工鼓膜を持つ音楽家が、高性能聴覚能力に葛藤しながら、技術とともに成長していき、指揮者として聞こえている音を配信していく物語。
故伊地知氏の遺産を管理するアンドロイド、ダニエルとレイラは旧式の無機型。「無機型自動管理システムの一元化にともなう法律」の制定により、彼らを調査することになった新型アンドロイドのレイチェル。 ダニエルとレイラを暖かく見守る伊地知氏とその姉による過去の視点。 人間が描いたアンドロイドへの夢と現実を目の当たりにするレイチェルとレイチェルを支えようとする仲間による現在の視点。 過去と現在、それぞれの視点を交錯しながら、レイチェルが育っていく過程を描きました。
母の納骨と葬儀が終わった直後、先生から電話が入った。 「大丈夫か?一次予選は、通過した…
「俺は、小さいころから、お前のピアノに嫉妬していたんだ。」 どこから話し始めようかと考え…
「母さん、母さん」 いつも、そう小鳥に話しかけると、2,3回グルッポウと言って、母が応答…
ツカツカと足音が部屋の外から聞こえてきた。方治だ。ドアが開くと、呆然とした方治が立って…
郷里に向かう列車の中で、母の思い出が幾重にもよぎる。 「方治、ほらごらん。春いちばんに花…
「おい、たけし!」 「わかってるよ。ほうちゃんには俺がちゃんと説明するから。」 清美お…
僕の家では、ピアノは農機具の納屋に置かれていた。秋冬は寒いけれども、通気がよく、音がキ…
僕は楽屋の片隅に座って、リハーサルで対面したピアノを思い出していた。やはりスタインウェ…
僕たちは、それを「えんとつ」と呼んでいた。 宇宙コロニーにつながるエレベーターのことだ…
前回、前々回の記事では、SF小説のプロットとして、断片的にシーンをおこした。 人工鼓膜を…
「おーい!いよいよ、始まるぞ。VRゴーグルとヘッドホンつけろよ。」 その掛け声で、おのおの…
夕暮れになるとどこからか鐘の音が鳴り響くような気がする。ミレーの絵画のように、持ってい…
「夜騒ぐといいが!山から『ねまかき様』がくるぞ。」ばあちゃんがいつも言うセリフだ。ねまか…
待ち合わせの喫茶店に入ると、福田氏が手を挙げてこまねいた。福田氏の眉毛は、よく動く。私の…
故伊地知氏の門扉のインターホンを鳴らすと 「レイチェル様、お待ちしておりました。どうぞ、…
「こんにちは〜!」 玄関から元気のいい声がしてきた。ああ、姉さんだな。今日は娘のマリちゃ…