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母の記録

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母に癌が見つかりました。私の母は胃癌です。これまでの母との思い出と、これからの母との出来事をいつまでもずーっと記録していきたいと思います。
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がんばっている母

がんばっている母

私の母は胃癌です。
(初めて私のnoteを読んで下さっている方は、マガジン「母の記録」にて、これまでに母と私達家族に起こった出来事を記していますので、よかったらそちらの方も読んでみて下さい。)

母が癌になって、3年と4ヶ月が過ぎました。 

母が癌になってから、たまに私の夢に母が出てくるようになりました。
夢に出てくる母は元気だった頃の母で、
夢から覚めると『あぁ…、夢か……。』って、毎回ガッカ

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今現在

今現在

私の母は胃癌です。
(マガジン「母の記録」にて、これまでの話が書いてあります)

「、、、予後6ヶ月から12ヶ月です。」

去年、主治医の先生から母の予後を告げられてから(本人は予後について何も知りません)、8ヶ月が過ぎました。

母は、胃の全摘出後も抗がん剤治療を続けています。

体力づくりのために、日課だった散歩も続けています。でも、自転車には乗らなくなりました。

最初の抗がん剤治療では抜け

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今だから言える、ホルモン。

今だから言える、ホルモン。

私の母は胃癌です。
(マガジン「母の記録」にて、これまでの話が書いてあります)

手術終了の予定時間から、1時間が過ぎました。

「えらい時間がかかりよるね、大丈夫やろか…。」
父が痺れを切らし、待合室を出たり入ったりしています。手術続行の知らせから一変、時間が経つにつれ不安がつのります。

時間は更に過ぎて、手術が終わったと知らせがきたのは、手術終了の予定時間を2時間も過ぎ、スマホの時計が17時

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続行、5時間。

続行、5時間。

私の母は胃癌です。
(マガジン「母の記録」にて、これまでの話が書いてあります)

令和3年3月15日(月)9時30分
母は手術台の上です。

昨年の10月、予定していた胃全摘出の手術が出来ず、その2日後には予後6ヶ月から12ヶ月とまで告げられた母が(予後について本人は何も知りません)、再び胃全摘出の手術をしようとしています。

抗がん剤との相性が良く、容態は安定しているどころか検査する度に数値も良

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限るな、時間。

限るな、時間。

私の母は胃癌です。
(マガジン「母の記録」にて、これまでの話が書いてあります)

予定していた母の手術は中止になり、
その2日後の10月7日(水)、父と私は主治医の先生から話があると言われ病院へ。
狭い相談室で、先生から言われた言葉は、
「〇〇さん…奥様の予後は、何も起こらなければ6ヶ月から12ヶ月。最近では余命ではなく、予後って言い方をします…」

もっと強く母を説得して病院へ行かせていたら、心

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絶望

絶望

私の母は胃癌です。
(マガジン「母の記録」にて、これまでの話が書いてあります)

2020年10月5日(月)
手術室へ入っていく母の背中を見送りながら、不安な気持ちでいっぱいでした。父もそうだったと思います。しんとした待合室で、父のため息が重く感じました。

「何かあったら電話するけん、外で煙草でも吸って来たら」と父に言うと、
「お父さんが行くなら、俺もしょうがないけん付き合うかな…。」とダンナが

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ドラマと違う、現実。

ドラマと違う、現実。

私の母は胃癌です。
(マガジン「母の記録」にて、これまでの母の話を書いています。)

去年の9月30日(水)、母の手術について主治医の先生から説明がありました。

胃の全摘出。
癌細胞は胃の入口(胃体上部癌)にあり、壁深達度はT4a〜T4b…他の臓器にも根付いている可能性もあり、とても難しい手術になると告げられました。それに加えて、手術前のPET-CTと言う検査で、見つける事の出来ない腹膜播種の心

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一週間が、かぎ。

一週間が、かぎ。

すぐにでも手術をしなければいけない状態の母でした。
元々細い体の母でしたが、入院時には更に体重が減りこのままでは手術を受けれないと言われました。栄養失調の患者さんに使われる、栄養度の高い点滴を一週間ほど投与してから手術をする事になりました。

約一週間後、主治医の先生に呼ばれ、父と病院へ行きました。小さな部屋に通されると、少し遅れて母も点滴を押しながら入って来ました。痛々しい点滴の痕、元気が無く痩

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普段通りが、ポリシー。

普段通りが、ポリシー。

長い間、長距離トラックの運転手をしていた父。帰って来たかと思えば、母の用意してくれていた着替えを持ってそのまままた仕事へ。

忙しい中、日帰り出来るような所であれば母と私をトラックに乗せてくれました。
あくまでも仕事。でも、トラックの高い助手席から見える景色や高速道路のサービスエリア、母と私にはちょっとした家族旅行でした。

ある日、アレ…?と、普段通りにしていてもいつもと違う雰囲気の父と母。幼か

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2択

2択

腸閉塞で入院していた母、胃の入口に腫瘍が見つかり胃癌かもしれない…と言うことで、退院しもっと大きな病院で検査するように言われました。

検査の結果、母は胃癌でした。

抗がん剤治療をすぐにでも始め、癌細胞を少しでも小さくして胃を全摘出するのか、それとも体力のあるうちにすぐにでも手術(全摘出)するのか決めなければいけませんでした。

父は、抗がん剤治療に母が耐えられるのか心配していました。抗がん剤治

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えらいことになった

えらいことになった

今年8月7日(金)
母が腸閉塞で入院しました。

「腸閉塞の人は歩けないくらい痛みが出るから、大体の人は担ぎ込まれて病院へ来るんだけどねぇ…」
と、自分でスタスタ歩いて診察室に入って来た母がまさか腸閉塞だったとは、病院の先生も看護師さんもビックリしたそうです。

「お母さん、腸閉塞げな…2週間ばっかしで退院できるやろ。あんま心配せんでよかけんね。」と、父から電話がありました。

コロナ禍の中、病院

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来世でも母の娘

来世でも母の娘

せっかちでサバサバした性格の母。
父に対してはグチグチ、まだそこ責めるんかーーッ!って思う事もあるんですけどね。

娘(私)の家に泊まりに来た時もせっかちな性格が出て、
「お皿洗おうか」
「洗濯物乾いとるよ」
「何か買っちゃーけん、買い物行こう!」
家に来た途端、秒でペース乱されくらいです。

孫がテストで良い点を取ろうもんなら、
玩具屋さんに行ってどっちが欲しいか迷う孫を見て私に、
「こっちもそ

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想い

想い

2020年、今年に入って二度、
覚悟を決めなければいけない出来事が起こりました。

一度目の覚悟は、3月27日(金)。

愛猫のくじらがいよいよ旅立とうとしている時に「もう覚悟せんと」とダンナに。

二度目の覚悟は、10月7日(水)。

「〇〇〇〇〇さんの予後は、何も起こらなければ 6ヶ月から12ヶ月。抗がん剤が効けば癌細胞は小さくなり進行を遅らせることは出来ますが、癌は消えることはありません…覚

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