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絶望


私の母は胃癌です。
(マガジン「母の記録」にて、これまでの話が書いてあります)


2020年10月5日(月)
手術室へ入っていく母の背中を見送りながら、不安な気持ちでいっぱいでした。父もそうだったと思います。しんとした待合室で、父のため息が重く感じました。


「何かあったら電話するけん、外で煙草でも吸って来たら」と父に言うと、
「お父さんが行くなら、俺もしょうがないけん付き合うかな…。」とダンナが、父を気遣って言ってくれました。(ただ自分も吸いたかっただけかもしれませんが…)少しだけ父の口元が緩みました。ずっと心配と不安…緊張してたんだと思います。


ひとりで待合室で待っていると、父とダンナが外へ出てからすぐ「先生からお話があります」と看護師さんが迎えに来ました。ダンナに電話を入れ、すぐに戻るように言いました。


手術室の隣の部屋に通されると
「最悪な結果となりました。」と先生に言われ、一気に目頭が熱くなり、鼻がツンとしました。
「残念ですが、予定していた胃全摘出の手術をやめ、このままとじます。」と言われました。腹膜播種が複数散らばっていて、手術が出来ない状態でした。それから先は、遠くの方で先生と父が話しているような…私の頭の中には、話の内容が全く入ってきませんでした。



手術室から出てきた母は、まだ麻酔が覚めきってないみたいで「お母さん…」と声をかけると、うっすら目が開くくらいで、母の目からは涙が溢れていました。病室に戻る母を看護師さんに任せ、その日はそのまま手術室の前で別れました。



次の日…手術が出来なかった事を、母は先生から聞かされたのでした。




#母 #胃がん #日記 #闘病生活 #最悪な結果

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