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私の選択

私が大きな選択をしたのは、去年の12月である。

それは、「生きる」という選択だ。

突然実家で倒れ救急車で運ばれた、翌日から始まった。
その日から、毎日毎日倒れ続けた。

気がつくとそこは暗い暗いところにいる。

暗闇の中に、光が差している2つの出口がある。
家族が呼ぶ私の名前がたくさん聞こえる。
声のするほうへ恐る恐る歩くと
目の前に家族がいて、私を覗き込んでいた。

「びっくりしたね〜」
母の慣れた対応に、また倒れたんだ、またかという気持ちとともに、
恐怖でいっぱいで、こわい。こわい、こわいと母に泣き叫んでいた。

それからは生活の仕方が変わった。

大好きな運転は、医者の判断で危険とされできなくなり、
窒息の恐れがあるため大きな一口をしなくなった。
お風呂もひとりでは入れなかった。
隣で頭を洗い流す母は、目にシャンプーが入っても
浴槽にいる私を見てくれていた。
何よりもこわかったのは、眠る前だった。
眠ってしまって、起きれなかったらどうしよう。
そう思うと眠るのが怖くなった。

毎日、毎日、
できないこと、できなくなってしまったことに絶望していた。

私にとっての「普通」が普通ではなくなった。


しかし、私は知っていた。

まだ自分が死にたくないということ、生きたいということ。

だから私は、生きるという選択をした。

負けないよ、勝ってもないけどね。


最後に。
綺麗な言葉も、素晴らしいことも言えないけれど、
私は生きるのだ、私の体で、私の気持ちで。

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