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22-23 JUVENTUS

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22-23シーズンのユベントスについて、考察や試合レポートをまとめています。
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22-23 ユベントス総括・後編 〜FWに南米の選手を。

22-23 ユベントス総括・後編 〜FWに南米の選手を。

5000文字を超えそうだったので、前後編となったユベントスのシーズン総括。話題も変わりそうだったので、ちょうど良かったかもしれません。戦術や選手起用については前編でまとめることができたので、今回は1年を通してユベントスの試合を観てきて思ったことを書き殴る感想文になります。具体的には、アッレグリの指導哲学と現在所属する選手の相性について考えてみました。

アッレグリの指導哲学アッレグリは、「カンピオ

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22-23 ユベントス総括・前編 〜固定されない選手と戦術

22-23 ユベントス総括・前編 〜固定されない選手と戦術

22-23シーズンの我らがユベントスは昨季に引き続き序盤で大コケし、CLはグループリーグ敗退と大幅な出遅れを見せてしまいました。その後、リーグ戦では調子を取り戻したかと思いきや、今度は勝ち点剥奪。浮き沈みの激しいシーズンを送り、最終的には勝ち点10剥奪によりセリエA7位で無冠。来季は色んな意味で再起をかけたシーズンになります。

さて、22-23シーズンのユベントスは5-3-2をベースに戦ってきま

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22-23 ユベントス 通信簿

22-23 ユベントス 通信簿

毎年恒例?の各選手を5段階で評価してみようという企画です。

GKシュチェスニー … 5

個人的には今季のMVPはシュチェスニーです。GKとしてできることは全てやってくれたと思います。ビルドアップの貢献が低いなど言われることもありますが、ユベントスが求めるGKはゴールを守ることが第一です。シュチェスニーがいなければ失点していたであろう場面は数知れず。逆に失点したシーンはGKにとってはほぼノーチ

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ELSEMIFINAL セビージャ vs ユベントス 〜試合が読めないユベントス

ELSEMIFINAL セビージャ vs ユベントス 〜試合が読めないユベントス

ヨーロッパリーグ準決勝のセカンドレグは1-1、延長戦の末セビージャに敗れました。ゲーム自体はアッレグリが想定した内容だったでしょう。来季以降、ユベントスが復権を果たすために取り組むべき課題が浮き彫りになった試合だったと言えるでしょう。

アッレグリのプランボールはセビージャに譲って、ローブロックで堅く守る。セビージャの攻撃ルートは8割近くがサイドからのクロス。ペナルティエリアに人数をかけて跳ね返せ

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EL SEMIFINAL ユベントス vs セビージャ 〜フェデリコ・ガッティ!!

EL SEMIFINAL ユベントス vs セビージャ 〜フェデリコ・ガッティ!!

セビージャとのEL準決勝ファーストレグは後半アディショナルタイムにガッティの劇的ゴールでドロー決着。決勝進出はセビリアでのアウェー戦に勝たなければなりません。ただ、勝てば決勝進出、負ければ敗退ととてもわかりやすい状況はプラスかもしれません。コッパイタリアの準決勝のような負けに行ったかのような試合は見たくはないのですが、そうなりかねないのが我らが指揮官アッレグリ。この試合は悪くなかっただけに気を揉む

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セリエA 第34節 アタランタ vs ユベントス 〜混沌のユベントス

セリエA 第34節 アタランタ vs ユベントス 〜混沌のユベントス

アタランタとの上位直接対決アウェー決戦は2-0でユベントスが勝利しました。後半、特にポグバが投入されて以降はユベントスの攻撃がアタランタゴールに迫っていました。ただ、前半はアタランタに複数回決定機があり、前半で試合が決まっていてもおかしくなかったと思います。一言で言えば運が良かった。イリング・ジュニオールのシュートがバーに嫌われ、前半アタランタのコーナーキックがポストに当たってネットを揺らしていて

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コッパイタリア準決勝 2ndレグ イタリアダービー(away) 〜アッレグリの本質

コッパイタリア準決勝 2ndレグ イタリアダービー(away) 〜アッレグリの本質

コッパイタリアの準決勝は0-1で敗戦。残念ながら決勝進出はなりませんでした。5-3-2で堅く守るインテルを崩すのは骨が折れますが、勝てない相手ではなかったので非常にもったいない敗戦となったように思います。互いに連戦を重ね、コンディションは不十分だと見えました。正直、いい試合とは言えない内容でしたが、アッレグリの考えと課題が垣間見えたように思います。試合内容は見返す気も起きないものでしたので、見てい

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セリエA 第31節 ユベントス vs ナポリ 〜4バックへの回帰

セリエA 第31節 ユベントス vs ナポリ 〜4バックへの回帰

ナポリとの一戦は0-1で敗戦。ディマリアのゴールがVARの介入によって取り消されたこともあってスッキリしない試合ではありました。ミリクは右足でボールを守るプレーをしていたのでむしろロボツカのファウルでもよかったのでは?と思いますが、審判の判定は違っていました。ダニーロが試合開始早々指摘していた通り、この試合の主審は基準がブレブレでした。後ろからのチャージに対してファウルをとったりとらなかったり…。

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EL R8 スポルティング vs ユベントス 〜三段構えの4-3-3

EL R8 スポルティング vs ユベントス 〜三段構えの4-3-3

EL準決勝を賭けたリスボンでの試合は1-1の引き分け、トータルスコア2-1でユベントスが勝ち抜けを決めました。驚いたのは、アッレグリが4-3-3をベースフォーメーションとしてきたことでした。4-3-3を使ってきた狙いと機能性について考察します。

ユベントスの4-3-3ユベントスのスタメンは、シュチェスニー、クアドラード、ダニーロ、ブレーメル、サンドロ、ロカテッリ、ラビオ、ミレッティ、ディマリア、

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EL R8 ユベントス vs スポルティング 〜キエーザは万全か?

EL R8 ユベントス vs スポルティング 〜キエーザは万全か?

ELの準々決勝の1stレグはかろうじて1-0でユベントスが勝利しました。しかし、チャンスの数、決定機の数ではスポルティングが上回り、試合内容は褒められたものではありませんでした。ペリンの決定機阻止はユベントスを助けてくれました。スポルティングが良かったことは間違いありませんが、この試合内容になった要因はユベントスが採用した戦術にあります。具体的には、アッレグリがよくやる、「大事な試合で突然新しいこ

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セリエA 第28節 ユベントス vs ヴェローナ 〜バレネチェアの未来

セリエA 第28節 ユベントス vs ヴェローナ 〜バレネチェアの未来

インターナショナルマッチウィーク明けの試合は、キーンの見事なゴールを守り切ったユベントスが1-0で勝利。CL圏内まで勝ち点差7まで迫り、シーズン終盤を迎えることになりました。

簡単な試合総括代表戦に出場していた選手は休ませつつ、トリノに残っていた選手を中心にチームを組んだ結果、スタメンのうち6人がイタリア人という構成に。スタメンが大きく入れ替わって難しいところも多々あっただろうが、勝ち切ったこと

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セリエA 第29節 ラツィオ vs ユベントス 〜4-4-2システムの是非

セリエA 第29節 ラツィオ vs ユベントス 〜4-4-2システムの是非

ラツィオとのアウェーゲームは1-2で敗戦。他のチームもコケていただけに勝ち点差を詰めるチャンスだったのですが、残念ながらユベントス自らそのチャンスを逃す形となりました。最も影響していたのはアッレグリ不在。体調不良によって、と報道されていましたが、勝負所なので出来ればベンチにいて欲しかったところです。ここは他もコケていたので離されなくてよかったとプラスに解釈するしかないでしょう。痛恨の敗戦となった原

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コッパイタリア準決勝1stレグ イタリアダービー(home) 〜白と黒と青

コッパイタリア準決勝1stレグ イタリアダービー(home) 〜白と黒と青

コッパイタリア準決勝のインテル戦は1-1のドロー。セカンドレグで勝った方が決勝進出という、シンプルで分かりやすい状況になりました。ただ、スタジアムはジュゼッペ・メアッツァであることは肝に銘じておかなければいけないでしょう。さて、興味深いのは、ユベントスとインテルの戦い方がとてもよく似ていたことです。今回は、ユベントスとインテルの相違点について考えてみたいと思います。

黒 〜共通点さて、両者の直接

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セリエA 第27節 イタリアダービー(AWAY) 〜見えてきた完成形

セリエA 第27節 イタリアダービー(AWAY) 〜見えてきた完成形

インテルとのイタリアダービーは0-1でユベントスが勝利。ラビオやブラホビッチのハンド疑惑が盛んに議論されているようですが、クリエイトした決定機の数を考えても、ユベントスの勝利は決して不当なものではないでしょう。この試合ではディマリアもミレッティも出場させず、ユベントスの方からフィジカルなゲームを誘っていました。コッパ・イタリアの準決勝でもインテルと当たる(しかもホーム&アウェイの2試合!?)ため、

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