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(C26) 日本人の「どうせ中国人は信用できない」は非常に古い考え方-2 by 寺田元 (2019.8.29)より抜粋加筆しました。

⑵ 大切なのは「実利」か「順番と建前」か

③3つ目に言いたいことは、日中の文化の違い。

中国は、順番や建前よりも、
「全体の利益」を優先する国民性です。

C25での、弊社の支払いを免除してくれたケースも、
契約書という「ルール」にのっとることよりも、
全体の利益を考えてくれた結果です。


紳士的な中国人たちとたくさんの仕事をともにしてきた我々からすると、これはある意味で分かりやすく合理的だと感じる一方、
とても誤解されやすいことだなと思います。

我々日本人は、彼らとは逆で、
順番と建前を気にするあまり、
正しいと思うことを簡単に実行できません。


例えば最近、ある有名な日本のアニメ映画を中国で上映する予定でしたが、公開1週間前に突然、上映が中止され、日程が変更されました。
しかも、中国側が独断で決めてしまっていて、
我々には事後連絡しかありませんでした。

「順番と建前」を重んじる我々からすれば当然、
事前の連絡と承諾が必要です。
私も腹が立ちました。


しかし、じっくり話を聞いて分析すると、
彼らの判断は確かに正しい。
今、中国で大ヒットしている中国製CGアニメの影響などを考慮しての決断だったのです。

担当者は言いました。
「日本側との関係もふまえて、どうしてもこのプロジェクトを成功させたい。
即断即決が必要だった。」


自分たちの利益のことももちろんありますが、
映画が成功すれば日本側にもお金が入ることになります。

だからこそ、上映延期が正しいことだと思って実行したのです。
順番や建前よりも実利を優先する、中国人らしい発想で。


我々からすると、いくら正しい決断であっても、
まずは日本側に承諾をとってほしいと思います。
しかし、中国人は悪いことをしたという認識はありません。

「順番と建前」にこだわって決断が遅れれば、
利益を損なってしまうからです。
これをもって中国人は悪いと言っていては、
本当の中国人を見誤るし、中国人と長期的なビジネスはできません。


⑶ 「どうせ中国人は信用できない」は非常に古い考え方

ある中国人はこう言いました。
「京アニの作品がもう見られなくなるのはとても悲しい、それが一番心配だ」と。

実利を大切にする彼らは、
敬愛する京アニの作品が見られなくなることを何よりの損害だと感じ、身銭を切ってでも支援したいと思っています。

これは、彼らの理屈からすると「当然の思い」でしょう。


「順番と建前」は日本人の性みたいなもので、
どうしても事前連絡や承諾にこだわってしまいます。

中国ビジネスでは、
「順番と建前」を気にしたり、契約書にのっとるだけでなく、常識の違いや以下の考え方も理解した方が良いです。

①正しいと思うことを優先して実行する
②全体の利益を第一に考える

https://diamond.jp/articles/-/213170?page=3

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp