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(E73) 日本はどうすればエストニアのように電子政府化をうまく進めていけるか?-2 (2019.7.18) by らいら より抜粋加筆しました。

⑶ そもそもこの電子国家のアイデアはどこから始まったのか?

ポール 1991年にエストニアはソ連から独立しました。

①1つは独立前からソ連のサイバネティックス(人工頭脳学)研究所が首都のタリンにあって、そのノウハウやITに強い人材が残っていたのが強みでした。


②他国に何度も侵略された歴史が大きなきっかけです。

エストニアは世界初のデータ大使館を持っていて、
政府関係の全てのデータベースは、ルクセンブルグにバックアップがあります。

仮にエストニアに爆弾が落ちて国が全滅したとしても、情報を復元できる施策があるんです。


③独立直後のエストニアはインフラが非常に弱かったのです。

裏を返せば、
システムを引き継ぐコストがゼロだったので、一からインフラを作ることができました。


⑷ 日本はマイナンバーカード所持の必須化から

ポール 一方、エストニアの経済はそれほどうまくいっていません。
一人当たりのGDPは日本の約6割で、収入も低い。
特にIT関係の仕事以外は貧困者が多いです。


――そうなると、子どもの頃からITスキルを身につける機会を国が提供しても、優秀な人はより収入の高い国外に流出してしまいますね。

ポール はい。
今、他の東ヨーロッパからエストニアに来る人が多くて、優秀なエストニア人は海外に行くという現象が起きています。


――日本はどうすればエストニアのように電子政府化をうまく進めていけるのでしょうか。

ポール エストニアの電子IDカードのように、最初から所持義務があった方がよかったです。

日本はこのカードの制度を参考にマイナンバー制度を作ったのですが、所持が義務付けられなくて普及していないのは残念です。


2002年の電子IDカードの発行当時は批判が多かったのですが、
数年後に機能がたくさん付与されて利便性が上がり、国民に受け入れられるようになりました。


⑸ 日本はITに強い人材の需要が高い

例えば、
日本はデータが大量に集まっている大企業が多いけれど、
そのデータを扱える人が少ないので、スキルがあるデータアナリスト、データサイエンティストは需要が非常に高い。

ITスキルがあって、英語と日本語を話せる人も比較的に少ないです。


e-Residencyは、そのコンテンツをアップデートしていくことを方針に据えています。

自国の電子行政サービスを外国人に対して提供しているだけなので、電子行政の基盤が整っている国であれば、ポリシーを変更するだけで導入が可能です。


エストニアの成功体験に続くべく、
現在でも世界各国が電子国民制度の導入を検討しています。

第2、第3のe-Residency制度導入国家が登場するに連れて、今後競争は加速し、ユーザーにとってより魅力的な電子国民制度が誕生することが期待されます。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp