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(E96) 働き方改革は社員のエンゲージメントをいかに高められるかがポイント-2 (2019.7.10) by デロイトトーマツ 降矢直人 より抜粋加筆しました。

⑷ 京東社の例

従業員数が10万人を超える中でもスピード感のある働き方を継続できるよう、鉄の掟14条というものを制定しました。

その中には、“会議333原則”ということで、
「会議資料はPPT3枚以内、会議は30分以内、そしてどのような重要な意思決定事項においても会議3回以内に決裁させる」というルールを決めています。

“24時間原則”において、
「管理者は24時間以内にメール、電話にも返答する必要があり、(長時間移動など)特殊な理由がある場合はその理由も24時間以内に連絡する必要がある」とされています。


また、あらゆるポストにおいても5年以上同じ人が務めることが無いようローテーションを実施。

いかなる重要な意思決定も、
上位者とその上位者の2階層以上は持ち込まない、情報・カレンダー・戦略の開放も徹底しています。

このように、以下を重視していることが分かリます。
「会社が実現したいスピードや効率化を含めたマネジメントを働き方に落とし込むこと」


⑸ 働き方改革の主役は社員であり、社員のエンゲージメントをいかに高められるかがポイントになる

中国最大手のハイテクメーカーでは、
開発スピードは速いが、イノベーティブな商品が作れないことが課題でありました。

当社はGAFA等のイノベーティブな会社が備えている要素をDigital DNAとして定義し、それが自社にどれだけ浸透をしているか調査を行いました。


例えば、アジャイルな働き方を実現するためには、
プロトタイプを早く作り、叩いて改良していくことが求められるが、失敗がマイナス評価となるような組織ではそのような働き方が実践されにくい。

また、エコシステムの中での協働が成功のカギだが、
社外はおろか、部門間の連携ができていない等の課題が山積みであることが分かりました。


最初の取り組みとしては、
リーダー層のワークショップを徹底的に行いました。

自社との働き方との違いをベンチマークした後に、自社でよりイノベーティブな働き方に取り組むわけだが、
研修ではそれなりに学んでも自分の仕事に戻ると忘れてしまうのが世の常です。

ここでは一工夫をし、
イノベーティブな働き方を実践した様子を動画で撮り、それを社内SNSサイトへ投稿することが義務づけられました。


「普段からWeChatの崩友圏に投稿、コメントをする習性を活かした手法」が大ヒットしました。
1万時間近くの動画が投稿され、それの数倍の時間、視聴が行われ、コメントも殺到しました。

このような形で働き方改革は、
加速度を増し、鑑賞した部署・メンバーでは更に進化が試みられ、風土として根付く形になりました。

 
変化の速いデジタル化社会となっている中国においては、時間は味方にもなり、敵にもなりうります。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp