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(H52) 中国の燃料電池車ブームは日本企業に追い風か (2020.5.28) by 湯進 より加筆抜粋しました。

⑴ EV普及させる国家プロジェクト「十城千両」のFCV版が5月に中国国内で報道された

中国の8つの省市が、FCV推進の候補地として挙げられました。
8省市:北京市、上海市、山西省、江蘇省、河南省、湖北省、広東省、四川省


EVシフトの次にはFCVブームの到来が予感されている中、
FCV分野で先行する日系企業にとっては、新ビジネスを創出する上での朗報でしょう。


⑵ 中国では17の省・市がFCV支援政策を打ち出す

地場自動車メーカーやベンチャー企業など約400社がFCV事業に参入しました。


北京市では、2022年北京冬季五輪に向けて、
北京の空港と張家口市を結ぶ高速道路に水素ステーションが建設されています。

今年4月には、北汽福田汽車、中国石油天然ガス(CNPC)、北京億華通科技の3社が、
北京市に35メガパスカル(MPa)と70MPa対応の水素ステーションの建設で合意。


上海市では、中国石油化工(Sinopec)が、
市内のガソリンスタンドに水素充塡設備を設置し、給油と給水素を一体化するビジネスモデルを導入し始めました。

上海汽車傘下のSHPTは、
上海で燃料電池スタック工場(年産1万2000台)を建設し、常熟で燃料電池システム(年産2000台)の生産を計画しています。

同社製の燃料電池は、上海汽車の自主ブランド車「栄威」FCVに採用されています。


広東省仏山市は、2017年から国内初の水素ステーションを運営し、現在市内には水素ステーション8ケ所が設けられています。


湖北省武漢市は、2025年までに水素ステーション200カ所の建設、FCV3万台の導入を計画しています。

新興FCVメーカーの武漢格羅夫(Grove Hydrogen)は、
2019年にSUVタイプのFCVコンセプトカーを公開しました。

中国企業初の炭素繊維を使用し、航続距離は1000㎞に達します。


今年5月に黄岡市は、FCV産業パークを建設し、3年以内にFCVを2万台生産すると発表しました。


⑶ 高コストの中国版FCV

現在中国製FCV乗用車の製造コストは、
約20万ドルとなり、日本製FCVの3倍程度に上るといわれます。


以下において、中国地場企業のFCVは大きく遅れています。
ⓐコスト高
ⓑ部品技術
ⓒ素材


⑷ 2019年に発表した「中国水素エネルギー・燃料電池産業白書」

2050年までに、
水素が中国エネルギー消費全体の10%を占め、水素ステーション1万ケ所を建設します。


中国商用車市場に占めるFCVの割合が以下に達します。
2030年に7%(36万台)
2050年に37%(160万台)

中国乗用車に占めるFCV割合は、以下に達すると予測されます。
2030年に3%
2050年に14%


トヨタは2015年からFCV特許を開放し、中国での提携先を広げています。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp