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中国企業を紹介します〜音声AI 「科大讯飞」(iFLYTEK)

やはりnoteのみなさんは中国のスタートアップ情報や新しいテクノロジーが知りたいようですね。私自身もたまにコード書くし、本業のリサーチ業務でも新しいテクノロジーやスタートアップ企業の情報は次々と入ってきます。

なので、今後定期的にテック系企業やスタートアップ企業を取り上げて紹介していきたいと思います。

今日は1回目、最先端AI企業の「科大讯飞」(iFLYTEK)を紹介します。日本ではほとんど取り上げられていないですよね、ここだけの話ですよ。

最強のレコーダーSR501が発売された

この企業の何が凄いって、まずはこの動画1分だけなので最後まで見てください。大変失礼ですが、さんまさんがCMしてるやつとかこれに比べたらおもちゃ(rya

これは先日「科大讯飞」から発売されたAIボイスレコーダー「SR501」です。

ボイスレコーダーの機能は当然高性能なのですが、それだけではありません。リアルタイムに音声を文字起こしすることが可能だし、リアルタイムで翻訳することが可能(日本語は対応してるかって?...何それ中国で必要なのって感じで対応されてません。)

15m離れた距離の音声も拾うことができる、しかもWifiや4Gに接続され即時にシェアできるって神か。もう英語⇔中国語の通訳いらなくなりますよ、議事録係も必要なし、記者の数も劇的に減りそう。。

科大讯飞はどんな企業なのか

彼らが掲げるミッションは「AIが人間を理解し、人間の代役となる世界を創る」です。元々は音声認識技術に強みを持つTEC企業で、これまでに音声合成や中国語翻訳で数々の国際的な賞を受賞しています。

いくつか数字を挙げると
・時価総額:1.5兆
・中国AIシェア:95%(これちょっと定義が不明瞭ですが)
・翻訳機国内利用者:5億人以上
凄いです。ちなみに売上も右肩上がりです。

↑特に2016年からの傾きが凄い

1999年設立の企業で2018年7月21日時点の時価総額が約1兆5,000億円。

音声認識といえば、GoogleやAmazonのAlexa(みなさんあまり馴染み無いかもしれませんが、中国ではBaiduとTaobaoなどもがんばってます)かと思いますが、音声認識の分野では真っ先に「科大讯飞」があげられます。中国科学院によると、中国語の音声認識技術においてはアップルを上回ると言われています。

また、音声認識だけではありません。AIを利用した翻訳技術の開発により「科大讯飞」は英語やドイツ語、ウイグル語など様々な言語を中国語に翻訳するクラウドベースのAIシステムを開発し、翻訳の精度を97%まで高めることに成功しました。

今後、中国では筆記や同時通訳などの仕事の多くは「科大讯飞」のAIに奪われることになると言われています。

アメリカ大統領のスピーチビデオが話題に

これはみなさんも見たことあるでしょうか、「科大讯飞」を象徴する音声変換技術のデモ動画です。

はじめはオバマ前大統領が英語でスピーチしているが、この英語のスピーチをAIが自動で中国語に翻訳し、オバマさんの声で発信されます。あたかも本人が中国語で何かを話しているかのよう。

「僕の中国語はトランプよりうまいよね?」ってジョークまで入ってます笑

政府や他企業も「科大讯飞」の技術を導入

また「科大讯飞」は多くの地方政府や警察、銀行などからAIベースのカスタマーサービスや管理プラットフォームを受注しているとのこと。これらの分野はセキュリティ上の理由などから外資企業の参入が極めて困難と言われています、つまり「科大讯飞」の独占状態。

さらに「科大讯飞」 が取り組んでいることは、音声認識技術の開発やAI翻訳だけではありません。「交通プラットフォーム」「街の発展」「製造業の改善」「農村部の改善」「ビックデータ」「医療」「法政」「乗り物」「室内環境向上」「日常生活」 などなど幅広いです。

なかでも翻訳や音声以外では、特に「医療」「教育」への取り組みが目立っています。培ったAIテクノロジーを利用し、中国の多くの病院や医療機関と協力し医療のスマート化に取り組んでいたり、たくさんの学校や教育機関と協力して教育プラットフォーム作りにも取り組んでいます。以下に2つを紹介しますね。

1.医療業界を変えるスマート医療

医師を支援するための音声電子カルテ入力システムにより、医師は音声により言葉を話すだけで、電子カルテに自動変換することが可能になります。また、今までのように医師の手書きのメモや処方を苦心して読み取る必要はなくなります。

さらに、画像認識を活用した医療画像診断システムは、乳癌や肺癌など命の危機に関わる重大な病気の発見に貢献しています。94%という高さの早期病気発見確率を実現しており、医師の医療補助の役割を十分に担っています。

ちなみに中国のAI医療市場の規模はどんどん拡大しています。2018年には200億元を超えてさらに上昇中で、ビジネスチャンスが無限にあるように見えますね。

こちらを参考にしました。

2.教育部門でのプラットフォーム

既に1万を超える学校で「讯飞科技」の教育プラットホームが活用され、1500万人以上の教師、8000万人以上の生徒に対し、授業全体のプロセスを記録することや、試験問題の作成、生徒の理解力の進捗の確認などに活用されています。

↑教科を選択し、勉強の難易度や宿題の数などを調整する画面

このX1Proの商品では、9科目から科目を選択することが可能。生徒ごとの理解力を把握し、補修の必要な生徒を把握したり、それぞれに適切な課題を課す。また、重複する問題を出すことを避け時間の無駄を省く、など効率的な教育の促進に活用することが可能です。

もはや教育にもAIがフル活用されており、教師、生徒どちらもその恩恵を受けています。先生は教えたり課題を作ることの多くをAIサポートに任せ、他の有意義なことに時間を割くことができます。

日本の教育がどうなのか詳しくは知りませんが、教員の仕事は激務になっているとは聞きますよね。こういった取り組みはぜひ日本も真似すべきではないかと思います。

API公開してますよ!

音声合成や言語解析のAPI公開してますよ。Web上で試すこともできます、電話番号認証だけで全部試せますのでぜひ遊んで見て下さい。あとAI Developerコンテストも募集してますね、誰か一緒に参加しようぜ!


いかがでしょうか、「科大讯飞」。個人的にもずっと注目してるし友達もいるので今度インタビューしに行こうと思ってます。たくさんのAIエンジニアが働いているし、いろいろ凄いのですが、やっぱり一番凄いのは音声のところですよね。そして「科大讯飞」に限らず中国の音声技術は圧倒的に進んでいて、私たちの日常に入り込んでます。

次回は音声技術の進化を特集します。


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(※参考資料)


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