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最後は人なのだから【ブラックペアン】《140字の感想文+ 22 》

日曜劇場「ブラックペアン」第8話

 

ネタバレ注意。

 

たとえ困難でも手術を成功させる要因はなにか。それは、人の手よりも器用に動く機械か。拍動する心臓の上でも自在にメスを操り縫合してのける、天才的な手技をものした両手か。しかし機械はしょせん手の延長でしかなく、意志の延長であるスタッフなくしては、この手も自在に動くことは出来ないのだが。

 

ブラックペアン 人物相関図 第8話 

《140字感想文集》のマガジンもあります。


 

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 今回は、のっけから思いっきり叫ばしてください。

 内野聖陽、ちょーかっこええ〜〜〜〜ッ!!!

 

 そして、いきなりもっとも重大なネタバレをしますけど、

 ラストシーンで、内野聖陽さんの演じる佐伯が倒れます。
 たぶん、心臓の何かで。

 

 じつは、五百蔵は、もともと内野ファンなのですが、第1話での佐伯先生のふてぶてしくも颯爽とした登場以来、ニノの演じる渡海先生より何よりも、佐伯先生が出てくるのが楽しみで楽しみで。

 でも、回がすすむにつれて、途中からなんとなく、佐伯先生に精彩が欠けてきた感じがしていたのですね。

 そして、今回は、しょっぱなからライバルの帝華大の西崎先生と対面してやり合うのですが、かんじんの佐伯先生が、出てきて早々からなんだか弱々しくて、力無くって。
 執刀中には器具をぽろりととり落としてしまうし。

 なになに、これなに、どうした?と思っていたら、どうも心臓に何か抱えているらしい。
 だけど、この第8話での2回目の手術では、無事にミスなく成功。でも、顔色とかすごく悪いし、肩で息をついて虚勢を張っている感じ。
 
 でもって、ラストのラストで倒れてしまうのです。

 

 すごいです。

 ここで倒れるために、視聴者が気がつかないかもしれないけど、たぶん前々からじわりじわりと弱っていっているのをしめして、この回では最初から、体力に限界が来つつあるのをさり気なくしめして、そしてとうとう、ばたり……と。

 ビデオとってないので比べられないんですけど、第1話と第8話とでは、メイクの色が違っているのではないかと五百蔵は思っています。また、肩のあたりの線の具合、全然違うと思います。

 あらためて言います。やっぱり、すごいです。

 視聴率が取れる、ということは、こういうことかと思います。
 今期、「コンフィデンスマン」と「椿眞子」と「いつまでも白い羽根」をちらっと見たのですが、どれも1回で見るのをやめました。
 それぞれのドラマはストーリーとしては面白かったのですが。でも、見るのをやめてしまったのは、映像として映ったときの作り込みようが、「ブラックペアン」は根本的に違うのではないかと感じました。

 

 その上での、渡海にむかって、手術を成功させるのは「最後は人」と宣言するシーンだとか、渡海にむかって、渡海の決めぜりふの「じゃま」を放って、渡海から患者を奪って自ら執刀したりとか、そのときの、魂をふりしぼったような迫力。

 かっこいい、なんてものを超えてました。
 たぶん,鬼気迫る、という言葉はこういうときに使わないといけないのだと思います。

 

 そんな佐伯の手術に対する思想のようなものがはっきりとあらわれた回でした。

 スタッフとの連携がぎくしゃくとしていた帝華大の西崎の執刀に対して、佐伯の意図を先回りしたかのように手術に必要な器具を手渡していく看護師長、藤原。
 オンビート、つまり、心臓を止めずに手術を行うことができるのは、手先の器用さや手技の速さだけでなく、佐伯のなすべきことを熟知したスタッフとの連携あってこそだったのです。

 神業とも思われるオンビートでの手術、「佐伯式」は、佐伯個人の突出した技術に依存するものだと、「ブラックペアン」がはじまって以来、ずーっとそう思わされてきましたが、実はそうではなかった。

 熟練したスタッフの技能までまるごと含めて「佐伯式」だったのです。

 

・◇・◇・◇・

 

 いや、それにしても。
 これを書く前に、クラウドワークスの方で2つ、「ブラックペアン」の感想を書いて小銭儲けをしてるんですけど、なるだけネタかぶりしないように書いてなおかつ、noteはnoteでこんだけ書けることがあるって、やっぱりドラマ自体の内容が濃ゆくないとこうはいかないです。

 いま、めっちゃ耳もとで、クライマックスのシーンのBGMが鳴っちょります。

 
 

 
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いま、病気で家にいるので、長い記事がかけてます。 だけど、収入がありません。お金をもらえると、すこし元気になります。 健康になって仕事を始めたら、収入には困りませんが、ものを書く余裕がなくなるかと思うと、ふくざつな心境です。