見出し画像

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(岩波新書編)でビブリオバトルしない?


【ビブリオバトルとは?】

ビブリオバトルは、誰でも開催できる本の紹介コミュニケーションゲームです。

「人を通して本を知る。本を通して人を知る」をキャッチコピーに全国に広がり、小中高校、大学、一般企業の研修・勉強会、図書館、書店、サークル、等で、広く活用されています。

【前口上】

ここで紹介する新書というものは、基本的にストーリーではなくノンフィクション系です。

新書のテーマは本当に幅広く、

・哲学や思想

・宇宙や自然

・動物や科学

他にも幅広く様々なものがあります。

本のジャンルとして存在するものの、ほぼ全てが新書にもあるといった感じです。

では、一般の本(主に単行本)との違いは何か?と言うと、そのテーマの基本的なことがコンパクトにまとまっているところだと言えます。

学びたいテーマを深く知りたいと思うのであれば、どのテーマも奥が深いので、テーマごとの単行本や専門書を読んだ方が良いと思いますが、その分、専門用語が多く分厚く難解になります。

そのため、取り掛かってみたものの中途半端に挫折してしまい、結局、基本すらわからないまま終わってしまうことになりかねません(^^;

そうならない様、新書は、そのテーマの基本や全体像を抑えたいと考える方には、最も適した本だと考えられます。

初心者は、何を学ぶにしても、まず基本から始めるのが道です。

これまで知らなかった分野を学んで教養にしたいと思っている方は、基本がコンパクトに網羅されているという点で新書がおすすめですね(^^)

こうした本を通して、様々な新しい知識や人生の学びを得たり、人間を超越する壮大な歴史や宇宙に想いを馳せたりすることが気軽に出来ます。

タイトルを眺めるだけでも知的好奇心がくすぐられるものばかりではないでしょうか。

そんな新書を私も有効活用してきましたが、今まで読んだ新書の中で、これは読んで良かったなって思った新書を思いつくまま選んで、新書レーベル毎に整理してみました。

そして、新書レーベル毎に整理した読んで良かったと思う新書を、おすすめしたい新書としてリストアップしてみました。

更に、読書の秋ってことで、本日(10月11日(水))から12月初旬迄の期間中に、隔日で、これまでに読んで面白いと思った新書本から1冊選んで、5分間で紹介できる程度に、PREP法(「結論」「理由」「具体例」「結論」)を活用して、ビブリオバトル用のプレゼン資料を纏めてみることにしました(^^)

【参考資料】

人が1分間に話す文字数は、およそ300字前後になるので、3分間スピーチの場合の文字数は、900文字前後になります。

5分間スピーチの文字数なら、およそ1,500文字前後が目安であり、約1,250~1,750文字程度ですね。

ただスピーチなどでは「ゆっくり・堂々と話す」方が印象が良くなりやすいため、個人的には、5分間で約1,250文字程度の原稿を準備することがおすすめです。

アナウンサーなどのプロの方がニュースなどの原稿をスムーズに話す速度が、おおよそ5分で1,500文字(1分で300字)ほど。

スピーチなどではこれよりも遅い速度が好ましいかと思います。

5分間スピーチの練習をたくさんして、1,250文字丁度で5分を使い切れるといいです。

もちろん5分間全て使い切り必要がある、どうしても緊張して早口になってしまう人は、1,500~1,750字あたりを準備しておくのもありです。

【本日ご紹介する新書】

「贅沢の条件」(岩波新書)山田登世子(著)

[ 文字数(スペース無視) ]
1,270文字

[ 内容 ]
「あなたにとって贅沢とは何ですか?」-贅沢はお金で買えるのか、買えない贅沢とは何か。
「タイム・イズ・マネー」の呪縛にとらわれた世界にあって、「真の贅沢」とは何なのか。
著者ならではの冴えた批判精神のもと、中世修道院文化からココ・シャネル、白洲正子まで、豊富な実例を読み解く。
そこに浮かびあがる「現代の贅沢」とは。

[ 目次 ]
序章 贅沢の近代-「優雅な生活」
1章 リュクスの劇場-きらびやかな男たち
2章 背広たちの葬列-ビジネス社会へ
3章 ラグジュアリーな女たち-さまざまな意匠
4章 禁欲のパラドクス-修道院という場所から
終章 贅沢の条件-時をとめる術

[ 結論 ]
現代社会、職にありつけない人たちがいる一方で、働き過ぎの人たちがいるという組み合わせは、いかにもいびつという他ない。
怠惰への讃歌の中でラッセルはいう。
「暇こそ文明にとってなくてはならぬものであり、昔は、少数のものの暇は、ただ多くのものの労働によって出来上っていた。だが彼らの労働が価値があるのは、勤労がよいからでなく、暇がよいものであるからであった。そして近代の技術を以てすれば、文明を傷つけることなしに、暇を公平に分配することも出来そうなものである。近代の技術は、すべての人々のために、生活必需品を確保するのに必要な労働量を甚だしく減らすことができるようにした」と。

[ 理由 ]
ラッセルのいう怠惰への讃歌とは、すなわち閑暇への讃歌なのである。
はたしてこれは、空想的な絵空事であろうか。
戦争中に落ち込んだ経済力がようやく戦前水準を回復したのが、1950年代半ばのこと。
それからほぼ半世紀が過ぎて、GDPはおよそ11倍強に、一人当たり実質国内総生産もほぼ8倍弱にまで膨れあがった。
われわれは潜在的に大きな可能性を手にしながら、それを活かせないでいるのかもしれない。
バロック時代の王侯貴族たちの金銀宝石にとり囲まれたきらびやかな贅沢、やがてブルジョアの時代となり経済的富を手にした男たちが、その富と権威を誇示するために、妻たちがくり広げる代行的消費の派手派手しさ。
そうした贅沢に痛烈な一撃を加えたのがココ・シャネルであった。
シンプルで機能的で着心地のいいスーツ。
シャネルは、それまでの貴族的な贅沢を覆して現代的なラグジュアリーを世に広めたモードの革命児である。
そして、そのシャネルの贅沢革命の原点が、実は、青春期を孤児として過ごしたオバジーヌ修道院にあったことが、「贅沢の条件」を構想するヒントだったという。
「贅沢とは使い古した服だ」とシャネルは語っていた。
何万枚ものスーツを作り巨万の富を得たこのクチュリエは、いつも同じ一着のスーツを着ていた。
亡くなった時、ホテル・リッツの部屋のワードローブにはたった二着のスーツしか掛かっていなかったという。

[ 具体例 ]
著者は、オバジーヌ修道院を訪ね、質素でシンプルなそのたたずまいを見て、シャネルのモード革命の原点を確認した。
そして、修道院の中庭から月を見たときの満ち足りた想いを語っている。
忙しいビジネス社会から失われて久しいもの、それは「はるけさ」。
遠い昔に起源をもち、悠久の時を経て現在に運ばれてくる、そんなゆったりとした時の流れこそ贅沢の条件なのだが、情報社会はそんな悠長な時間を許さない。
ベンヤミンのいう「退屈」である。
「身体的にリラックスした状態の頂点が眠りだとすれば、精神的なそれは退屈である。退屈とは、経験という卵をかえす夢の鳥だ」

[ 結論 ]
そして、こう続ける。
「一日四時間の労働で、生活の必需品と生活を快適にするものを得るには十分であり、残りの時間は、自分で適当と思えるように使える自分の時間とすべきだ」と。
すべての人が一日四時間の労働を分担し、すべての人が生活必需品を確保する、いわばワーク・シェアリングの勧めである。

【おすすめしたい新書(岩波新書版:82冊)】

アンドレアス・レダー『ドイツ統一』
スティーブン・グリーンブラット『暴君』
デイビッド・T・ジョンソン/笹倉香奈訳『アメリカ人のみた日本の死刑』
伊達聖伸『ライシテから読む現代フランス』
臼杵陽『イスラエル』
横山百合子『江戸東京の明治維新』
岡本隆司『曾国藩』
岡本隆司『李鴻章』
岡本隆司『袁世凱』
加藤節『ジョン・ロック』
加藤典洋『村上春樹は、むずかしい』
河添房江『唐物の文化史』
外村大『朝鮮人強制連行』
丸橋充拓『江南の発展』
岩波新書編集部『岩波新書解説総目録1938−2019』
菊池秀明『太平天国』
久保文明・金成隆一『アメリカ大統領選』
宮本太郎『生活保障』
橋元良明『メディアと日本人』
橋場弦『古代ギリシアの民主政』
金成隆一『ルポ トランプ王国』
金成隆一『ルポ トランプ王国2』
金澤周作『チャリティの帝国』
熊野純彦『西洋哲学史―古代から中世へ』
見田宗介『社会学入門』
古矢旬『グローバル時代のアメリカ』
溝口睦子『アマテラスの誕生』
今井むつみ『ことばと思考』
今野真二『百年前の日本語』
今野晴貴『ブラックバイト』
佐藤卓己『メディア社会』
坂井豊貴『ミクロ経済学入門の入門』
坂井豊貴『多数決を疑う』
桜井啓子編『イスラーム圏で働く』
三谷太一郎『日本の近代とは何であったか』
山口厚『刑法入門』
山室信一『日露戦争の世紀』
山本太郎『感染症と文明』
市川裕『ユダヤ人とユダヤ教』
芝健介『ヒトラー』
小熊英二『生きて帰ってきた男』
小川幸司・成田龍一編『世界史の考え方』
小塚荘一郎『AIの時代と法』
小田中直樹『フランス現代史』
松沢裕作『自由民権運動』
松本仁一『アフリカ・レポート』
神田秀樹『会社法入門』
須田努『幕末社会』
清水克行『戦国大名と分国法』
青木健太『タリバン台頭』
赤江達也『矢内原忠雄』
川名壮志『密着 最高裁のしごと』
前田健太郎『女性のいない民主主義』
村上信一郎『ベルルスコーニの時代』
太田洋『敵対的買収とアクティビスト』
大山礼子『日本の国会』
大竹文雄『行動経済学の使い方』
大木毅『独ソ戦』
檀上寛『陸海の交錯』
池田嘉郎『ロシア革命』
中西嘉宏『ミャンマー現代史』
中畑正志『アリストテレスの哲学』
中野耕太郎『20世紀アメリカの夢』
辻本雅史『江戸の学びと思想家たち』
鶴間和幸『人間・始皇帝』
堤未果『ルポ 貧困大国アメリカ』
堤未果『㈱貧困大国アメリカ』
梯久美子『原民喜 死と愛と孤独の肖像』
田中克彦『ノモンハン戦争』
渡辺信一郎『中華の成立』
南川高志『新・ローマ帝国衰亡史』
八鍬友広『読み書きの日本史』
福間良明『「勤労青年」の教養文化史』
兵藤裕己『後醍醐天皇』
平岡昭利『アホウドリを追った日本人』
堀内隆行『ネルソン・マンデラ』
末廣昭『タイ 中進国の模索』
網野善彦『日本社会の歴史〈上〉』
網野善彦『日本社会の歴史〈中〉』
網野善彦『日本社会の歴史〈下〉』
濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何か』
濱口桂一郎『新しい労働社会』

【参考サイト】

【参考記事】

【関連記事】

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(中公新書編)でビブリオバトルしない?
https://note.com/bax36410/n/nf0fb411ae692

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(ちくま新書編)でビブリオバトルしない?
https://note.com/bax36410/n/nc09528ab7d2f

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(講談社現代新書編)でビブリオバトルしない?
https://note.com/bax36410/n/n0ec77f9d09c4

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(光文社新書編)でビブリオバトルしない?
https://note.com/bax36410/n/nd3a531b67187

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(文春新書編)でビブリオバトルしない?
https://note.com/bax36410/n/n527059901517

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(集英社新書編)でビブリオバトルしない?
https://note.com/bax36410/n/ncd182ca89b34

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(中公新書ラクレ編)でビブリオバトルしない?
https://note.com/bax36410/n/n02656ef7560b

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(平凡社新書編)でビブリオバトルしない?
https://note.com/bax36410/n/n704bd5c39e1e

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(幻冬舎新書編)でビブリオバトルしない?
https://note.com/bax36410/n/n6f22b5370552

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(PHP新書編)でビブリオバトルしない?
https://note.com/bax36410/n/n28aa1d2bbef7

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(角川ONEテーマ21編)でビブリオバトルしない?
https://note.com/bax36410/n/n0de055ba2b96

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(朝日新書編)でビブリオバトルしない?
https://note.com/bax36410/n/n281470d6de10

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(新潮新書編)でビブリオバトルしない?
https://note.com/bax36410/n/n8af373b1fe15

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(NHK出版新書編)でビブリオバトルしない?
https://note.com/bax36410/n/nd47e5a1bc9a8

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(NHK生活人新書編)でビブリオバトルしない?
https://note.com/bax36410/n/n9e9e363f259b

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(アスキー新書編)でビブリオバトルしない?
https://note.com/bax36410/n/n88aacc49e0b8

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(星海社新書編)でビブリオバトルしない?
https://note.com/bax36410/n/nff789d95bdd1

【新書探訪】読みたい心に火をつけろ!新書(その他新書編)でビブリオバトルしない?
https://note.com/bax36410/n/nb5b8149d8c64

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?