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白鳥のように演奏する

お疲れ様です。音楽家、チューバ奏者、指揮者、金管バンドディレクターの河野一之です。

僕が尊敬する素晴らしいチューバのソリストや演奏者の方々の演奏を観察して自分と比べ、奏法の研究を行うことがあります。

「プロほど難曲を簡単な曲のように聴かせる」

と聞いたこともありますが、本当にその通りで、素晴らしい奏者ほど表現されている音楽がとても自然で、時にまるで吹いていないかのようにみているこちらからは見えたりするものです。

でもごく一部の人間を除き、実際は長年のトレーニングによってそのような演奏を手に入れていたり、一見吹いていないかのような楽そうで自然な演奏も、本人からしてみたらものすごい集中力の中身体の様々な機能を使った演奏な場合もあります。

つまり、自然に楽そうな、簡単な演奏であっても、その実まるで水中でものすごい勢いで水をかきながらも水面では優雅に移動しているように見える白鳥のようなものです。

バレリーナが白鳥のように優雅に移動するのに、どれだけの筋力を必要とし、どれだけのトレーニングを積むかは想像を絶します。

優雅で美しい演奏

優雅、そして滑らかで、まるで歌っているかのような演奏は、チューバでももちろん可能です。

ですが、まるで唇を声帯かのように使い、歌っている時に共鳴させている人体の役割がチューバという金属です。

なので「歌っているような演奏」という目に見えない空気の振動をチューバを使って行えるようになるまで様々なトレーニングが必要です。

例えば吐く息の速さや量をコントロールしたり、そもそも呼吸をコントロールするために息の吸い方まで考えたり、楽器を構える姿勢や、唇を振動させるマウスピースのポジション、そして呼吸や姿勢が自分にとって合ったものとなってからの様々なトレーニング、ロングトーン、タンギング、フレキシビリティ、ノータンギング、スラー、ダイナミクスのコントロールなど、そのトレーニング方法は星の数ほどあり、様々です。

上記した白鳥湖のバレリーナ同様、優雅な演奏を行うにはそれに適した息=つまり風の速さや量、そして音感、さらに具体的なイメージが必要になります。なので優雅な演奏の裏、つまり白鳥でいう足には、心や身体のものすごい動きが必要なのです。

実際にやってみたら違かったというこの優雅さの裏にある過酷さ?は本当にやってみなければわかりません。

ぜひ金管楽器で奏でる優雅で美しい演奏、挑戦してみてください。

Thank you

Kazz


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