「初心者向け大河」と誰が言った?『まど☆マギ』3話ばりの鬱展開も「これぞ戦国」第3回「三河平定戦」雑感【どうする家康】
NHK大河ドラマ『どうする家康』第3回の雑感です。
前回の感想はこちら↓
(※以下、ネタバレ注意)
見た目だけ画期的な作戦プレゼンの模様は「意識高い系プレゼン」の揶揄?そもそも三河勢、弱すぎィ!!
紛うことなき鬱展開になってしまいました。「あの1話のワクワク感はどこへ?」「2話の少年漫画的展開はなんだったんだ」と、今頃呆然とされてるんじゃないかと思いますが。アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』で「マミさんがマミった」3話を彷彿とさせるような鬱展開きました。
けど、これが戦国なんだよぉぉおぉぉぉおぉぉ(血涙)。
大河新規勢の方は「心が折れた、もう観ない」と言って離れるんじゃないかとドキドキしてますが、大河で育った人たちからは「『真田丸』はしょっちゅう裏切ってた」「『鎌倉殿の13人』は主人公が完全に闇堕ちした」「『平清盛』はラストで滅亡の未来が語られた」「『麒麟がくる』なんて定住さえできてなかった」とか、過去の作品を挙げて励ましの声にわくSNSでしたけど。てか、最後のやつだけ種類が違って草。
ともかく、注目したポイントを一つ一つ見ていきましょうか……本当、今回一番大きかったのは、松平元康(家康)くん、まさかの今川裏切りですよね。
それも、元康くん自らの意思で裏切ったのではなく、家臣や領民を守るために泣く泣くそうするしかなかったというのが涙・涙の展開でございました……。
それも松平勢が弱いから仕方ないんですけど。大久保忠世(小手伸也)が「敵の隙を突く」作戦を練っても、そもそも弱すぎるから隙を突けないという。
っていうか、あの作戦説明で用いていたプレゼン用みたいな地図、めちゃくちゃデキが良すぎませんでした?地図に切れ目を入れて、そこに後ろから棒みたいなものを差し込んで、名前のプレートを動かすっていうね……従来の大河では、卓の上に置いた平面の地図の上に、碁石みたいなものを置いてたりするシーンをよく見るんですけど。
プレゼンの腕は一級品。でも肝心の、その中身が伴っていないという……ただの見掛け倒し?みたいな。近年の「意識高い系プレゼン」を揶揄しているような雰囲気も感じてしまいましたね(笑)。
ただ、そもそも三河勢が強ければ、今川に下ることもなかったんですよ。織田勢にだって侵入を許してなかったでしょうし、現代の永世中立国家スイスみたいに「ズーン」と構えてたでしょう。(※余談ながら、そのスイスだって、近年はNATOに近づいてるとかいろいろいわれてますが……)
今川に残った女中たちの惨殺シーンまで描く惨さ。「初心者向け大河」だなんて誰が言った?
それにしても辛いなぁ……酒井忠次、石川数正が土下座しながら、織田につかぬのなら某達をお斬りください、なんて凄まれちゃあ、ヘタレの元康くんは心折るしかなかったんでしょうけど。その結果、今川に残った女中たちは惨殺されることになりましたし、妻子の身も危ういというところが地獄です。
っていうか、その前までは、駿府で女中たちと奥方のキャッキャウフフしている様子まできちんと描かれてるんですよ!名もなきキャラが何人も死んだのなら、視聴者的には気持ちもそこまで揺らがないと思いますが、ちゃんとセリフもある一人ひとりが殺されるとなるとこうもインパクトが違うんですね。
「初心者向け大河」だなんて、マジで誰が言ったんだよ……。
そして、『鎌倉殿の13人』でも「準レギュラーキャラ」とまで言われていた「首桶」さんたちですけど、今回も再登場してきました。ちゃんと塩漬けされた頭も中に入っているのがわかるような状態ですし。覗き込んだ久松長家(リリー・フランキー)がイヤそうに手を振って、匂いまで漂ってるのがよくわかる演出でしたし。本当に、むしろ大河のコアユーザー向けじゃないか?と思えるような演出が続々で……まぁ、「いいぞもっとやれ」という感じですねw
こんなに「名もなき兵士」や「名もなき家臣」たちの死を丁寧に描いてくれる大河も新しい感じがしましたけど、それも史実に基づいたことではあれ、あれでもテレビ的に、リアルすぎで描かれていない点もポイントです。だって、先に述べた今川の女中たちも、斬首どころじゃなかった可能性もありますからね。一説によると「串刺し」だったって話が出ていますし……。
なぜか笑えた「じぃ決死の海老すくい」と「本田忠勝討ち死に」
そんな鬱展開満載の中でも、ちゃんとギャグを入れてくるのは古沢ドラマならでは。鳥居忠吉が洞窟に隠していたヘソクリを披露するシーンでは、酒井忠次率いる家臣一同と共に「海老すくい」を披露していましたし……っていうかジジィ、まだ銃弾受けた傷、治ってないよね……「海老すくい」で死ぬじゃんwwww決死の覚悟で踊るなwwww
そして前回予告の「本田忠勝討ち死にー!」も、死んだかと思わせて急に眼をパチっと開き、次のシーンでは赤で「存命」と書き直されていました。まじでなんなんだよあのシーンwwww本当、「次回予告」でミスリードさせるためだけに入れられたとしか思えない感じなんですけど。
もっとさぁ、こう……「あの小僧、こうも早く死んでしまうなんて……」みたいに松潤が悲しんでいたところを「殿ー!生きて帰りましたっぞー!」つって帰ってくるみたいな感動シーンにしないの?なんて思いましたけど、多分そうすると在り来たりだし、野暮になってしまうんですよ……。
ならばきっとこれから先も、忠勝は「死んだと思ったら生きてた」を何度も繰り返す存在になっていくと思うんですけど。いわゆる「テンドン」ってやつですが、どうでしょうね??
意外な展開?織田への寝返りを忠勝が促し、元康は生き別れの母に冷たく当たる
忠勝と言えば、最初に織田への転向を口にしたのが忠勝だったというのも意外なところでした。というか実はこちら、第2回放送直後、公式サイトの「あらすじ」でも書かれていましたけどね……。
僕が過去に書いたnote記事では、「『織田は許さん、父の仇!』という思いが忠勝にもあったのでは」と書いていましたもんね。そこも予想が外れる結果となりました。
そして、再開した母との対話。「己の妻や子こどき、平気でうち捨てなされ!」のセリフは、もう予告で何度も母が口にしていたセリフですけど、「ああ、ここで説得されるのか」と思いきや、元康は「出ていけ!」と言って母を追い返しました。
でもここはむしろ、個人的には納得。「これまで目上の者には裏切られ続けてきた」ことから、「目上の者に対する敬意に欠けている」と予想してましたけど、まったくその通りの展開となりました。
……っていうか、無理だって!自分が父に見放されたときに「あのときの御父上の判断は正しかった」とか言われても、受け入れられるわけがないってw「やっぱり、父も母も悪い大人だったんだ」と、改めて元康はショックを受けたことでしょう。
ただ結局、その後で元康を説得させたのが酒井忠次(12歳年長)、石川数正(10歳年長)という家臣だったというのは……どちらも元康から見れば年上ではありますけれども。
「年下優先」というよりも、「身内よりも家臣優先」という気持ちが働いたのかな、と、僕も少しは見方が変わったところでした。
まぁ、「何が正解か、不正解か」じゃないんですよね。「ひょっとしたらこうなのかな」と予想を立てながら見るのが楽しみの1つであり、それが当たったら当たったで「答え合わせになった」と納得して見れるし、外れても「予想外だった」と楽しめる、というところなんですよね。
……と、こんなところで雑感は終わりで良いでしょうか。深掘りできるところもいっぱいあるな……。
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とりあえず、はやく2周目してこなきゃw
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