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心の隙間を狙う民間療法団体の闇

おはようございます。
中山七里さんが2021年1月に発表された警視庁捜査一課の犬養隼人シリーズの新刊を読みました。

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中学生の娘・沙耶香を病院に見舞った警視庁捜査一課の犬養隼人は、沙耶香の友人の庄野祐樹という少年を知る。長い闘病生活を送っていた祐樹だったが、突如自宅療養に切り替え、退院することに。1カ月後、祐樹は急死。犬養は告別式に参列するが、そこで奇妙な痣があることに気が付く。同時期に同じ痣を持った女性の自殺遺体が見つかり、本格的に捜査が始まる。やがて〈ナチュラリー〉という民間医療団体に行き当たるが――。主宰の謎の男の正体と、団体設立に隠された真の狙い。民間療法の闇を描き、予想外の結末が待つシリーズ待望の最新作(Amazon内容紹介)

「先進医療は、最愛の家族を奪っていった」と姉妹が復讐を誓うという序章から始まった今回の作品は民間療法をめぐる医療ミステリです。
自由診療を掲げる怪しい団体を犬養は相棒の高千穂と共に追っていきます。

高千穂がラスプーチンのようだと比喩した団体の主宰者男性が殺され、調べが進むと彼の実像は典型的な弱者でした。

就職氷河期、派遣切り、ホームレス、栄養失調、治療費の前借りと過酷な回収、そして麻薬の誘惑。不幸のオンパレード。過去を知れば知るほど抵抗力のない社会的弱者の姿が浮かび上がってくる。p238

そして民間療法団体の意外な事実と序章に登場した姉妹が結びついた時にはびっくりはしましたが、ミステリーの結末としてスッキリしませんでした。

難病といわれる病気の治療費は、高度な治療と年数の長さでかなりの金額になるといわれています。大切な家族の命のために、他の家族は色々と犠牲を払うことになります。必ずしも助かるという治療が確立されていない場合、こんな風に詐欺のような民間療法にかかる家族がないとは言えません。

医療ミステリーであるなら、その辺りの問題を深く掘り下げて欲しいと思いました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今日という1日があなたにとってかけがえのない1日となりますように。

昨日のnoteは↓

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