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美味しい1冊をご賞味ください

久しぶりにAmazonで買い物をしていたら、実店舗での買い物よりも時間がかかってしまいました(苦笑)ネットだとついつい見ちゃうんです。

さて昨夜はネット上での読書会「bookclub紅茶はアールグレイで」の今月の本であるこちらの作品を読み終えました。

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   (画像は単行本です)

やりたいことがわからず、進路を決めないまま高校を卒業した梅本杏子は、「このままじゃニートだ!」と一念発起。デパ地下の和菓子屋で働きはじめた。プロフェッショナルだけど個性的な同僚と、歴史と遊び心に満ちた和菓子に囲まれ、お客さんの謎めいた言動に振り回される、忙しくも心温まる日々。(「BOOK」データベースより)

梅本杏子(通称アンちゃん)は、こう考えました。

18歳、身長150cm、体重57kg、何の特技もない私が唯一得意と言えるのは、食べること。それに私のこの体型は、食べ物を売る立場になったとき、多分プラスに働くんじゃないだろうか。  p19

そして東京百貨店地下1階「和菓子舗・みつや」でバイトとして働き始めます。

店長の椿はるか、社員で職人希望の立花早太郎のプロフェッショナルだけど個性的な同僚と、歴史と遊び心に満ちた和菓子に囲まれ、忙しい日々を過ごす中、謎めいたお客さんたちの行動の真相をさぐるというミステリー的面白さとお菓子の魅力にはまっていきます。

私は、和菓子の連想ゲームに負けまいと必死に頭を巡らせる。このゲームに大切なのは、イメージと言葉遊び。そしてベタなギャグセンス。 p237
和菓子を学ぶことは、そのまま日本の歴史を学ぶこと。中でも外せないのは「和菓子」というジャンルを確立したお茶席の菓子。 あとがきより

和菓子とは季節を先取りするだけでなく、名前に四季の暮らしや伝統行事を受け継ぐ意味もあり、見立てや言葉遊びが満ちています。
それだけに茶席だけでなく、菓子の名に心を寄せる人も多くいるのだという著者の意図が上手に伝わってきます。

そして物語の中で新しいお菓子を売り出す時、必ず皆で試食するのですが、その際のお菓子の美味しさの描写が秀逸で、その甘い魅力的な味を自分の舌で味わっているかのような錯覚にさえ落ちてしまいます。
実にミステリー要素を楽しむという面に加え、お菓子の味も堪能できるというわけです。

「和菓子はアンがなくちゃはじまらないんだから」 p341

ミステリー、和菓子、そして杏子の成長と1冊に盛りだくさんのお得な作品でした。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今日という1日があなたにとってかけがえのない1日となりますように。

昨日のnoteは↓

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