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急に涼しくなって、でもこちら雨が続いてスッキリしないお天気に私も崩れそうでしたが、本を読んでなんとか頑張っています。

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スッキリした表紙と装丁に、いつもの吉田修一さんでない雰囲気を感じて、作品を手に取りました。

「出会いがあれば、別れがある」とよく言われるが、ときどき別れなどないのではないかと思うことがある。どんなに距離が離れていても、どんなに気持ちが離れても、出会ったという事実はなくならない。この事実だけを積み重ねて人は生きているような気がしてならない。p22「絆」より

まさにこのフレーズが収められている短編の根底にあるように感じた作品集です。

表題の「プライド」は、朝日新聞に掲載された「ティファニー2021(ティファニーとともに素敵な週末を)」の第3話キーにて交わされる会話からです。客とティファニーの店員の場面が素敵ですので、是非読んで確かめていただきたいです。

また私の今後誕生日に参考にしたいと思っているのは、BRUTUSに連載された「Night colorシリーズ」10月10日の毎年誕生日恒例の5つの確認事項(p79-80)です。

①たまに空を見上げているか?
②5ヵ国以上の言葉で「ありがとう」と言えるか?
③映画「ダイ・ハード」を観て泣けるか?
④好きな女はいるか?
⑤来年の誕生日は楽しみか?

③の映画は自分の好きな映画に、④性別関係なく好きな人にするといいなと考えています。

本作品の最後には吉田修一さんがこの作品集を出すにあたってのインタビューも掲載されていて、一流ブランドの条件として著者は

一流ブランドたる由縁というのは、それが物語を持ってるかどうかではないでしょうか?条件ていうのは豊かな物語を持っているっていうことなんですよ。

そして

豊かな物語というのはまさに文学のことであって、私みたいに文学を志す者とは絶対に親和性があるはずなんですよ。

と続けています。

広告と文学、いかなる時、いかなる場面でも文学者であるという著者の強い意志を感じるインタビューです。

この作品集を読んで、著者の「悪人」などのヒット作を読んだら、また印象が変わるかもしれないと今感じています。

エプソン、エルメス、大塚製薬、サントリー、JCB、ティファニー、日産、パナソニック……錚々たる企業の依頼で描いてきた小説、紀行、エッセイを収録。20年にわたり広告で描いてきた、単行本未収録の贅沢な作品集。(Amazon内容紹介より)

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