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本心

昨日はどこにも出ずにじっと家でこの作品を読みました。

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舞台は2040年代。私は生きていないと思うけれど、近未来というよりもすぐそこの時代と感じました。

主人公はシングルマザーの母を突然の事故で亡くし、AIとVRの技術を使ったVFという再生した母を作ります。息子として、「自由死」を望んでいた母が理解できず、再生によって母親の「本心」を知ろうとすることが軸の物語。

また登場するリアル・アバター、バーシャル世界という存在も今後を語る上でとても重要なキーワードになっていました。

平野啓一郎さんの作品はこれまでも読んできたので、とても読みやすかったのですが、テーマが私に近すぎ読んでいて苦しくなる場面も多かったです。

我が子を思う気持ち、社会の中で自身の存在を考えること、
「生きるべきか、死ぬべきか」ではなく「死ぬべきか、死なないべきか」という選択. p338

高齢化だけでなく、貧困化、格差社会が明確なるこれからの社会に私たちはどう生き、死をどう選択するのか、考える時代になってきているようです。

『マチネの終わりに』『ある男』と、ヒットを連発する平野啓一郎の最新作。
舞台は、「自由死」が合法化された近未来の日本。最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた息子は、「自由死」を望んだ母の、<本心>を探ろうとする。
母の友人だった女性、かつて交際関係にあった老作家…。それらの人たちから語られる、まったく知らなかった母のもう一つの顔。
さらには、母が自分に隠していた衝撃の事実を知る――。
ミステリー的な手法を使いながらも、「死の自己決定」「貧困」「社会の分断」といった、現代人がこれから直面する課題を浮き彫りにし、愛と幸福の真実を問いかける平野文学の到達点。
読書の醍醐味を味わわせてくれる本格派小説。(Amazon作品紹介)

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