見出し画像

ペアリングイベント4のはなし②

今回はドリンク1杯/ 1回で展開すると長過ぎるので、カクテル&モクテルをセットで3回にまとめます。

まずドリンクレシピ。

Cocktail No.1
<build / snifter glass>
フェルネブランカ 5ml
自家製ジンジャーシロップ 10ml
レモンジュース 5ml
ソーダ 25ml

Mocktail No.1
<build / snifter glass>
ココナッツウォーター 30ml
自家製ジンジャーシロップ 5ml
クエン酸 少々
ソーダ 15ml

で、和菓子。

和菓子
白味噌餡の浮島 シナモンの香り

まず浮島というのがどんな和菓子かというと、あん•卵•砂糖•上新粉(または薄力粉)を合わせて蒸上げるカステラみたいなもの(ちなみにカステラは卵•砂糖•小麦粉を合わせての焼き上げ)。
今回のものは餡が白味噌餡なので淡く旨味がある。シナモンは仄かに香る程度。
なのでここをもう少しブーストしよう、というのがドリンクのフォーカスポイント。
考えるまでもなくジンジャーシロップをチョイス、あとは甘味と他の要素として何を入れるか。

カクテルはフェルネブランカで苦味とハーブの複雑さ、そして甘い香りだけでないシナモンの「fire感」を強調することにした(海外ではシナモンの表現にこれがよく使われる。シガーを燻らせている方は想像がつきやすいかもしれない)。
最初はシロップより多く使ってみたのだけど、予想以上に主張が強く、最終的にほぼ逆転したバランスで落ち着いた。
モスコーミュール風としたけどコーラ風と言ってもいいかと思う。

モクテルはアルコールパートをココナッツウォーターにしてシロップはかなり抑えた。
理由は明白で、シロップの主張が遥かに強かったから。
ココナッツウォーターは主張がかなり控えめだけど、液体としての厚みをしっかり持っているので下支えしてくれる。
これを水やソーダで伸ばそうとするとボケてうまくまとまらないし、ただのジンジャーエールではいまいち…どころか全く面白くない。
見た目地味だけど実力派、居ないと全体が締まらない燻銀の名脇役みたいな存在である。
クエン酸を使ったのもまた似たような理由。
シトラシーな香りは不要、シンプルに酸味のみが欲しかったからだ。

カクテルとモクテル、どちらもシナモン感のブーストというところは同じだけど基本設計は異なる。
アルコール独特の重心の低さと存在感はノンアルコールでは出せないから、そこを何でどう置き換えるかがモクテルの大きく、永遠の課題だと思う。
この課題、飲めない人が考案するとどういう見え方と問題の抱え方、そして着地をさせるか多いに興味のあるところ。
可能なら飲めない人が提案するアルコール / ノンアルコールペアリングというのを体験してみたいと書いていて思った。

次回も飲める人が提案する二杯目をお届けします。

この記事が参加している募集

イベントレポ

至福のスイーツ

もし、記事を読んでくれてお店の方が気になったら覗いてみてください。Instagram / FBもページがありますが、まずはオフィシャルHPを。 http://www.bar-tool.com/ サポートしていただけた場合はお店の運営に充てさせていただきます。