I am OK ! You are OK ! アサーションとは?
小学校教員としての視点から教室の現状について書きます。何かの参考になれば。
「アサーション」という言葉を最近よく耳にするようになった。これは、良好な人間関係を築くために有効な考え方でありスキルのことである。
こころとこころのふれあいを深めていく構成的グループエンカウンターのエクササイズとして、「アサーショントレーニング」を取り入れる先生も多い。
実際、大人にとっては当たり前と思える対人スキルでも、子どもたちにとっては新発見ということはよくあることだ。
ちなみに、アサーションとは「自分の気持ちや思いを大切にすると同時に、相手の気持ちや思いも大切にする」という考え方だ。「I am OK! , You are OK!」ということだ。
私はアサーション信者というわけではないのだが、この考え方には共感すべき点が多いと思っている。
人間関係の在り方は、大きく分けると以下の3つのスタンスに分類することができると考えている。
1.自己肯定・他者否定タイプ(いばりやさん)
自分は他人よりも優れていると考える傾向が高く、何か問題があると攻撃的になりやすいタイプのこと。責任を他者に転嫁することもしばしば。
小学校中学年くらいまでは、勉強ができたり、足が速かったり、口が回ったりすればリーダーとして認められる。それは、小学生のうちは、おにごっこやボール遊びなど彼らにとって好都合の遊びが多いというのが大きな理由だと思う。
しかし、高学年、特に6年生にもなればコミュニケーションによる相互意思疎通ができないという壁にぶち当たり、自分で気づいて変わるか、周りが扱い方をわかってきて学級内で上手くやっていくケースがほとんどだ。
担任としては、集団がよりよい成長ができるよう、そして、学級が崩壊しないようにするためにも、その周りの子たちを育てることが最重要だ。
その後、中学校でどうなるのかまではわからないが、聞くところによると、煙たがられていることが多い。
あくまでも、私の経験や聞いた話でなどの狭いサンプルであることもつけたしておく。
2.自己否定・他者肯定タイプ(おどおどさん)
自分の気持ちを後回しにして、相手の気持ちや思いを優先するタイプのこと。どうしても受け身的なコミュニケーションになってしまい、自分を主張することができずにいる。何かを恐れるような様子だったり、自信がなかったりして一歩踏み出せないのがもどかしい。
さらに、自分の自信のなさがゆえに、僕もダメだけどキミもだめという思考も持ち合わせている場合があるように感じる。
教師の目からはお利口に映ることも多く、何よりも学級経営に悪影響を及ぼすこともない、いわゆる目立たない子であることが多いので、どうしても見過ごされがちだ。
ちなみに、僕が一番気にかけてしまうのはこのタイプの子たち。昔の僕を見ているみたいだからかもしれない。
3.自己肯定・他者肯定タイプ(さわやかさん)
自分の気持ちも思いも大切に、相手の気持ちも思いも大切にするタイプのこと。集団生活においては、やっぱり周囲からの信頼を集める。
たぶんだけど、このタイプが多ければ多いほど、子どもの学校は楽しくなる。彼らは小学生であってもマネジメント力に長けている。みんなが気持ちよくできるように考えて動くことができる。相手と意見が衝突しても、相手の意見をきちんと受け止め、自分の意見もしっかりと伝えた上でよりよく問題解決をしていくことができるリーダーだ。
担任としては、このタイプの子たちを中心にいじりいじられる関係を学級に築くことができたら、主体的に子どもたちが動ける自治集団を作り上げることができる。そして、それに引き上げられるようにして集団ができていく。という感覚がある。
4.レッツ アサーション
人間の多様性を理解し、自分も相手も大切にし、良好なコミュニケーションを楽しみ、よりよい人生を送ってほしい。
これは、どの大人も子どもたちに対して思っていることだと思う。
表面的な行動は、内面の表れだ。
もしもアサーションという考え方に興味をもった方は、ググってみてほしい。書籍が一冊あれば、子どもの見方、関わり方が変わるかもしれない。教師であれば指導の幅も広がるだろう。
「みんなちがってみんないい」
私は、自分に娘が生まれてから特に心底こう思うようになった。
元気に登校してきたら、もうそれで100点!というスタンス。
生き生きと自分が過ごし、自分にかかわる人すべてが幸せであってほしいと思う。
最後に…
子どものそばにいる大人が生き生きと楽しく過ごすことが、一番のアサーションなのだと思う。
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