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★まとめ:2019年の超個人的によかった音楽・25作品

個人的にはレッチリのフルシアンテもそうなんですけど、バウハウスとかノイバウンテンとか、あとビーチハウスとかGrimesとか、TNGHTもそうだし、sebastiAnやマウント・イアリもアルバムを出す/出したし、追いきれてない部分もいっぱいありますが・・

凄まじい時代だった気がします、2019年。心が死んでいる場合ではなかったです。

巷では俄かに今年のアルバム、今年の楽曲、ニューカマー2020など発表され始めましたが、今年はトータルでそこまで音楽に触れていなかったなあ・・と思いつつ、

個人的に取りこぼした文脈が本当にたくさんあるのは重々承知の上で、2019年の10月からキャッチアップした分も合わせて、個人的に良いな〜って思った25タイトルを選出してみました。

なお、25選についてはアルバムジャケット+下に名前という形式で展開しますが、アーティスト名『アルバムタイトル』というような書き方をしています。「タイトル」のものはEPです。

★2019年の超個人的な作品・25選(ランキングではないです)

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1.LIL DMT & Eyedress『 Dark Web DMT
2.Anderson .Paak『Ventura
3.Luis Ake『Bitte Lass Mich Frei
4.Rory St John「Excommunication」
5.ショーン・オヘイガン『Radum Calls, Radum Calls』
6.デヴェンドラ・バンハート『MA』
7.Hector Plimmer『Next to Nothing』
8.Milky Chance『Mind the Moon』
9.FKJ「Ylang Ylang」

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10.Girl Ray『Girl』
11.マイケル・キワヌーカ『Kiwanuka』
12.Rikhter「Rik 1」
13.Brainstory『Buck』
14.Toy『Songs of Consumption』
15.Pop.1280『Way Station』
16.UVB『All or Nothing』
17.Hammock『Silencia』
18.Lapalux『Amnioverse』

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19.Sunn O)))『Pyroclasts』
20.Various Artists『モガディスコ ダンシング・モガディシュ~ソマリア 1972-1991(コンピレーション)』
21.Cate Le Bon『Reword』
22.TNGHT『Ⅱ』
23.Nicholas Allbrook『Surf ii』
24.Modern Nature『How to Live』
25.Riobamba「Criatura」

◎25作品の中から厳選した5作品のおはなし

本当は25作品全部にキャプションをつけたいのですが、ぐっと絞って5作品について書きました。順番は前セクションのリストとは異なります。

収録:Nicholas Allbrook、モガディスコのコンピレーション、LIL DMT & Eyedress、Hector Plimmer、Riobamba

【Nicholas Allbrook『Surf ii』】

オーストラリアのパースを拠点に活動しているアーティスト。

本作はスタジオでレコーディングされたものではなく、ロンドンでのライブ音源を収録されたものであるとのこと。観客の声も時折入っています。ただ、曲の前後がぶつ切りになっている点からライブをそのまま収録しているわけではないと思うので、単純なライブ盤と見なすのも解釈が異なるかもしれません。

the other hand」はトーマス・ナック(Opiate)やオヴァル(Oval)のようなグリッチ・エレクトロニカっぽさを感じる少しノイジーなアンビエントから、ヴォーカルやメロディがループし、エモーショナルで生々しい歌声・・多層的なフィードバックが展開されて面白いです。

ドラマチックなキーボード(シンセ?)にリヴァーヴのかかった歌声が溶け合うように美しく展開する「manganese」、フルートのような管楽器のメロディが奥行きのあるレイヤーを作っている「a fool there was」、

radio siberia」などはヒップホップ的なチョップド&スクリュードで開幕するので少し驚きましたし、全体を通してサウンドスケープがとっても多彩です。サンプリングされているのは波の音でしょうか。

これは完全に余談なのですが、本作のジャケットを手がけたアーティストはGeorgia de Castro Keelingという方で、彼女のドローイングがなかなか・・キャッチーなデヴィッド・リンチみたいで良いなあと思いました。

【Various Artists『モガディスコ ダンシング・モガディシュ~ソマリア 1972-1991(コンピレーション)』】

「アフリカ音楽のイメージがフェラ・クティとかで止まっているならば勿体無い!きっと気にいると思う」(Samy Ben Redjeb)

大変申し訳ないことに、筆者はこの「モガディスコ」なるジャンルを全く存じ上げておりませんでした・・。

初めて聴いた時は、アフロビートっぽくもあるし、何だか日本やアジアの歌謡曲のようなコブシの効いたサウンドもあるし、ファンクやジャズのような雰囲気もあるし、「Hoobeya (Somali traditional chant)」なんかはレゲエ調ですし、様々なジャンルが入り混じっているなあ、という印象を受けました。

本作はアフリカの音楽を「世界で一番危険な国」と呼ばれているソマリアの首都モガディッシュに、アフリカのレアな音源をリリースしているレーベル「アナログ・アフリカ」のSamy Ben Redjebが実際に足を運び、

現地のカセットテープを聴き漁り(「流れに逆らうようなアーティストを探した」とのこと)、様々なアーティストの逸話やインタヴューなどを集め、足掛け3年で作られた歴史的にも貴重なコンピレーションですねー!

なおソマリアにはナイトクラブがあり、そこではDJによるプレイの他に、本作収録のIftin BandやSharrero Bandのようなバンドが夜な夜な演奏をしていたとのこと。なるほど、ディスコと言いつつもバンドサウンドによるグルーヴのある楽曲があるのはそのせいでしょうかね。

【LIL DMT & Eyedress『Dark Web DMT』】

フィリピン出身のアーティスト、Idris Vicuñaのソロ・プロジェクト。彼の家族は彼が6歳の頃にアメリカに引っ越し、アメリカを転々としつつ、13歳でカリフォルニアに引っ越した歳にバンドでベースを始めたようです。

また、Eyedressの前に所属していたバンドでは最初はドラムを担当していたものの、後にリードギターとヴォーカルに転向したとのことで、昔からマルチプレイヤーだったのでしょうか。

Eyedressはガレージゴスっぽいノイジーかつメロディのほとんどないヴォーカルの楽曲もありますが、80年代のニューウェーヴもしくはネオ・サイケっぽいものもあるし、フリーク・フォークっぽいサイケな楽曲もある不思議な音楽性をお持ちの方だな〜、と筆者は個人的に思います。

『Dark Web DMT』は全編レイドバックしたR&Bのアルバムです。・・あ、でも、「All Tha Hoz」などヒップホップもあるか。「Codeinetear$」は再生速度をいじったヴォーカルの感じがちょっと昔のウィッチハウスっぽいんですよね。ブリーピーで太めのボトムがなんとも気持ち良い「Pipedatbih」なども短いながら好きな曲です。

【Hector Plimmer『Next to Nothing』】

Hector Plimmerの2ndアルバム。この方はデザイナー、プロデューサー、DJ、コンポーザー等、肩書きが色々あるのですが、オフィシャルサイトに「Graphic Designer based in South London.」とあったので、本職はデザイナーなのでしょうか。

レコードやCDのアートワークの他に、フライヤーのデザインや展覧会もやっているようで、どれもかっこいいですね〜。(サイトはこちら

基本的にはベース・ミュージック的な沈むような低音、あるいはディープハウス的な落ち着いたものが多い印象ですが、Emma-Jean Thackrayの抑揚を抑えた管楽器と囁く声のみで展開されるタイトル曲「Next to Nothing」はアンビエント的ですし、

Sonnet 17」はFreddie Joachim的なジャジーブレイクっぽいし、UKのアーティストpie eye collectiveとフィーチャリングした「2 Minutes Switch」はメロディの遊びが面白いやや曇った感じのベース・ミュージックでとても良いです。

【Riobamba「Criatura」】

EPなのに入れてしまいました・・。Riobambaは、ブルックリンを拠点にしているエクアドル系リトアニア人のアーティストとのこと。ちなみに女性で、APOCALIPSISというレーベルを作って自身の作品をリリースしているようです。

ぶつ切りのブレイクビーツに人間の声を合わせてきて、さらにサイレンや犬の声などを入れてくる感じはハドソン・モホーク的なグリッチ・ホップ感がありますし、「Inicio」なんかはビートがトライバルになってるし、たった3曲ながら展開の読めないドライブ感があって素晴らしいのではないでしょうか。

余談)来年のアルバムリリースが楽しみなアーティスト

ここからは箇条書きで申し訳ないのですが来年アルバムリリースがあるアーティストを健忘録的にリストアップします。この中から何割かは来日していただけないだろうか・・

Surf Philosophies

Public Memory

Shitkid

Holy Fuck

Easy Life

Khruangbin & Leon Bridges

あれ・・Sassy 009も出るんでしたっけ・・?わからなくなってきた・・。

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