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月並海
2020年6月13日 22:35
彼はクラスではあまり目立たない存在だった。口数は少なく、細い体型が彼の繊細な人となりを表しているようだった。唯一目立つ点といえば、屋上に出入りしていることだ。この学校は海を臨む高台の上にあり、屋上の柵の先には大海原が広がっている。危険な屋上への出入りをなぜ認められているかというと、彼が天文学同好会の部長であるからだった。同好会には名ばかりの幽霊部員が数人いるらしいが、実際に活動しているの
2020年6月6日 22:16
…高校…期生 同窓会のご案内1か月前に一人暮らしのアパートに届いた高校の同窓会の誘い。大学4年生で就活も終わった僕は暇を持て余しており、久しぶりに旧友と会いたくなったので、参加の返事をした。同窓会は真夏日の夕方から行われた。駅近の居酒屋チェーン店の前に、同世代の男女が集まっている。ほとんどの参加者が、就活を終えた開放感と残りの学生生活を謳歌する高揚感に満ちた雰囲気をまとっており、中には
2020年6月4日 21:23
「遠距離恋愛なんて無理だと思っていたの、毎日話せないなんて恋人の意味ないでしょう」画面の先でほほ笑む彼女に対して、僕は苦笑いを浮かべる。遠距離恋愛を始めて早2年、僕らの恋人関係がすこぶる順調なのは、快適な環境を実現している映像通信システムのおかげだ。「銀河2つ分も離れていても隣にいるみたいに話せるなんて、科学の発展に感謝ね」本当に彼女の言う通りである、こんな風に宇宙の果てと地球が気軽に繋が