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クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #01~クレメンス・クラウス『フィガロの結婚』序曲&ニノン・ヴァラン『君よ知るや南の国』
78rpmはともだちこれまで、1948年にLPレコードが発売されるまでの音楽鑑賞ソフト(音盤)であった78rpm(日本ではSP-Standard Play-盤と呼ばれている)を「78rpmはともだち」とタイトルして綴ってきた。 「ともだち」に込めた意味は「現代においても、気軽(安価)に78rpmを手に入れ、友達感覚で“普段使い”として楽しみましょう」ということだった。そしてその手段として、現代のアナログ・プレーヤー(78回転対応)に78rpm用カートリッジ(レコード針)を装着
クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #144〜イゾルデ・メンゲス(vn) ショパン『ノクターン 変ホ長調 Op.9-2』(1927)
※以下のテキストは2024年8月18日に開催された「シレナ1912 &クレデンザ1926×78rpmの邂逅 Vol.2 イゾルデ・メンゲスのベートーヴェンとアコースティック録音期の女流ヴァイオリニスト」のプログラムから一部抜粋、加筆したものです。 淑女のヴァイオリン 時代を彩ったヴァイオリニストたちの系譜や、その演奏、技法、個性的パーソナリティのエピソードに渡るまでを描いた、ヴァイオリン好きなら避けて通れないマーガレット・キャンベルの名著「名ヴァイオリニストたち」。 この
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クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #143〜アルトゥール・ロジンスキ ショスタコーヴィチ『交響曲第5番』より第2楽章 スケルツォ(1942)
7/21の蓄音機コンサート。 当日お届けするアルトゥール・ロジンスキのショスタコーヴィチ『交響曲第5番』。第2楽章 スケルツォを出し惜しみせず、全公開😍 ウィンナ・ワルツの原型ともなった「レントラー」に形を借りたショスタコーヴィチの百鬼夜行の音楽世界。 作曲当時、ソビエトで「社会主義リアリズムの高尚な音楽化」と絶賛される一方、アメリカでも絶賛され指揮者、オーケストラが挙って演奏した第5交響曲。 この曲が意味するところは未だもって様々な意見があり、集約できない。 よって演
クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #142〜アルトゥール・ロジンスキ R.コルサコフ『シェエラザード』より(1940)
7/21の「クレデンザ1926 × 78rpmの邂逅 Vol.21 ストコフスキーとトスカニーニに愛され、オーケストラに恐れられ、憎まれた男 アルトゥール・ロジンスキ」 ではおかけしないロジンスキの十八番、「シェエラザード」を💁♂️ ロシア音楽を得意としたロジンスキが当然のように録音した『シェエラザード』より第1楽章「海とシンドバッドの船」。 この曲の持つ「波」を表現するような大きな音のうねり、高まり、鎮まりを、大袈裟でもなく、かといって物足りないこともなく、オーケスト
クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #141〜イゾルデ・メンゲス ブラームス『ヴァイオリン・ソナタ第3番』~Ⅱ:Adagio(1929)
イゾルデ・メンゲス、2連投! これは8/18に回す予定はないのですが…。 8/18の「シレナ1912&クレデンザ1926 × 78 rpmの邂逅Vol.2」の主役、イゾルデ・メンゲス。 彼女が1929年2月にレコーディングしたブラームス『ヴァイオリン・ソナタ第3番』の第2楽章アダージョ。 もし「作曲家の室内楽作品の総数に対する傑作率」というメジャーがあったとしたら、長いクラシック音楽史上で、圧倒的No.1を獲得するのは間違いなくブラームスだ。 モーツァルトでもベートーヴ
シレナ1912×78rpmの邂逅Vol.16〜キャスリーン・パーロウ ドヴォルザーク『インディアン・ラメント』(1916)
キャスリーン・パーロウ(Kathleen Parlow, 1890年9月20日 - 1963年8月19日)はカナダ・カルガリー生まれの女流ヴァイオリニスト。 ただ、その活動はアメリカ合衆国とヨーロッパとを行き来する中で行われていった。 5.6歳の時、既に天才であることを証明するのに十分な演奏を行っていたパーロウは、10代になってミッシャ・エルマンの演奏を聴き、彼の師で、ロシア・ヴァイオリン楽派の祖であるレオポルト・アウアーに弟子入りを切望、エルマンやエフレム・ジンバリストと
クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #139~ステファン・グラッペリ & ジャンゴ・ラインハルト ”You're Driving Me Crazy” (1937 )
1999年に発表されたウディ・アレン監督作品『ギター弾きの恋』(原題:Sweet and Lowdown)。 舞台は1930年代ジャズ全盛期のシカゴ。 ショーン・ペン演じる裏社会や娼婦とも関係を持ち、自堕落的な生活を送っていた天才ジャズ・ギタリスト、エメレット・レイが、言葉がしゃべれない女性と出会い、いつしかその素朴さとやさしさに惹かれていき・・・。一見するとこの映画は、実在のギタリストを描いたドキュメンタリー・ドラマのように感じられる。 そう思わせる最大の理由がこの主人公