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詩のようなもの📖

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詩的な文章集
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うみ

うみ

海を見ていると、私がどこかへ消えてしまいそうになる瞬間がある。

呼吸することも忘れて、まるで生きていることを手放してしまうような、そんな瞬間に出会う。

青黒い海のうねりに吸い込まれるように。

私たちは海から生まれてきたのだから、故郷にかえりたいという想いがどこかにあるのかもしれない。

小さい頃の私は、海はどこか別の世界につながっているのだと信じていた。

私が海を通して見ていたのはどんな世

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いのち

いのち

いのちは、あたたかい

このあたたかさは

一体どこからやってくるのだろう

あたたかさが灯る瞬間

いのちが生まれる瞬間は

どんな景色をしているのだろう

いのちは

不思議

いのちは

儚い

私たちは

当たり前のように

明日が来ると思っている

だから

明日に予定を入れたりする

でも

明日は幻想だ

明日が来るかどうかなんて

ほんとうは誰にもわからない

私たちは

いのち

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世界Ⅱ

世界Ⅱ

目を瞑ると

目の前の世界は消える

真っ暗闇が

やさしく迎えてくれる

そして

その真っ暗闇こそ

もうひとつの世界

どちらが真実の世界なのだろう

どちらも真実

どちらも幻想

それとも?

目を

開けていても

瞑っていても

そこにあるのは

わたしの意識

きっと

ただそれだけのこと

この世界のすべてが

わたしの意識なのだとしたら

わたしが優しければ

世界は優しい

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ひらり

ひらり

ひらり

この言葉をきいて

思い浮かべるのは

蝶々

風に舞う葉っぱ

きれいなスカートが翻る姿

ひらり

遠く

幼いころの

わたしの記憶

母がだいすきだった

母とお風呂の中で

よくうたった歌

かかえられて わたった おがわ

いまは ひらり とびこえてゆける

ひらり

幼いころの心に

自分の内側の

最もやわらかいところに

還ってゆける

魔法のことば

ひらり、と生きた

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夜空

夜空

星がひとつ

星がふたつ

空を見上げる

見えなくても

じっと見つめているうちに

見えるような気がしてくる

見えなくても

そこにあるから

私のなかにあるから

"イマジネーション"

たとえ真っ暗闇だとしても

夜空には見えない星が

宇宙には存在しているように

私のなかにもある

それがなにかわからなくても

信じてみる

見ようとする

そうしたら

きっと出会えるよ

世界

世界

目に見えない世界を私は信じている。

特定の宗教を信仰しているわけではないけれど、生き物の本能として「在る」と思う。

人間という一(いち)生命体が認識できる世界は、きっと、とてもとても小さなもの。

目に見えない世界とつながるとき、私の世界は少しだけ大きくなる。

そんな気がする。

澄んだ小川の流れのような、純粋でなめらかな世界に出会っていくかのように。

目に見えない世界とつながるときは、私

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