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【得をしたのに、損した気になった話(山エッセイ)】

陣馬山から西側に向かう方面の縦走路は一度も歩いたことがなかった。

西に向かうと桜の綺麗な生籐山や、山梨・東京・神奈川の境になる三国山がある。ただしどの山も山頂はあまり広くなくて展望もあまりない。縦走路の途中に何ヶ所か展望の開けた場所から富士山は見られるものの展望を期待して歩く山道ではないと聞いた。

いつか歩いてみようとは思っていたがどうせ山に行くのなら景色も楽しみたい。つい後回しになっていた。

今日は天気予報では、一日ずっと曇り。山に行っても景色は見られそうにない。それなら最初から景色は諦めて一度は歩こうと思っていた、陣馬山から西側の生籐山、三国山の尾根に向かった。

道はゆるやかな登りがほとんどで歩きやすく、縦走路らしく山頂付近で急なアップダウンがあり登り応えもある。景色は見えなくても歩いていて楽しい山道だった。
景色について前評判で聞いていた通り縦走路にあるいくつかのピークはどこも木々に覆われている。一ヶ所か二ヶ所、山の斜面の木々の隙間から景色が眺められる程度。

ところが天気予報が外れて空は晴れていた。木々の切れ間からは綺麗な青空と美しい景色が見える。高い山周辺に雲は出ているものの、下山するまで晴れは続いた。天気予報が良い方に外れたおかけで気持ちの良い山歩きができた。

晴れるのなら最初から景色の綺麗な山に行けば良かったのでは? 

と、得をしたのに損をした気にはなったけど。

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縦走路の途中、茅丸(かやのまる)からの景色


また新しい山に登ります。