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30年前の記憶(中編)

こんにちは、あずみんです。
今日は表題の30年前の記憶の中編です。
「明日でいいや」は後悔のもとになるかもしれない。
このお話はあずみんの実話に基づいて、
実際のその地で写真を撮り、ストーリー風にしています。



次の日、朝一番に、彼女が祖母の家にやってきました。
「遊びに行こう」
そこには他の子どもたちはいなくて、彼女一人でした。

中学生って、成長が早いなって思います。
春休みにあったばかりで、たった4ヶ月半ほどしか経ってないのに、
とても大人っぽくなった感じがしました。

ただ、ブラブラ散歩をするだけ。
中学校は面白い? 新しい友達できた?とか、そんな話で。
最初は照れ臭かったけど、段々と慣れてきて今までと変わらない二人になっていた気がします。

そう、日傘をしていたのが印象的でした。
小学生の頃は日傘とか全くしていなくて、夏になると真っ黒に焼けて、毎年それの繰り返しで、日傘なんて一度も見たことなかったです。
部活とか、絶対陸上部とかバスケ部とか入ってると思っていましたが、どこの部にも入らずいわゆる帰宅部だったようです。

「女の子っぽくなりたいやん?」
「でも、思い切って遊びたい気持ちもある」
「でも、綺麗になりたいし」
色々葛藤があったようです。
なんでも、中3の先輩でめちゃくちゃきれいな人がいて、その人に憧れたようです。小学4年の時に、学校行事で小学6年の人たちと共同作業をしたことがあり、その時に面倒見てもらった先輩らしく、めちゃくちゃきれいになっていてビックリしたそうです。

自分も先輩のように変わりたい、でも変わりたくない自分もいる。
2つの自分の気持ちが心の中でせめぎあっている、と。

よく遊んだ場所を回りました。
泳ぎに行くときは、この川から一日が始まって、この川でまずみんなで泳いだり、手長エビを取ったりして遊ぶ。

そしてそのあとは、昼から海に移動して素潜りしたりして遊ぶ。
海水浴場じゃないからお盆でも人がほぼいない。いるのは釣り人くらい。

泳ぎに行く日も行かない日も、この場所は毎日のように来て、ハゼやドンコを獲るための仕掛けを作ったりしていました。
写真では満潮近くて水が張っていますが、干潮になると水がなくなるので浜に降りれます。

「もう、あまり和歌山に来ないかもしれない」
その日の別れ際に、そう言っていました。
自分も今年はお盆まで来なかったし、
だからその言葉に特に驚くこともなく、
「そうなんや、俺も同じかも」
って、言いながら、自分だけじゃないんやな~って思っていた記憶が。

早く夏休みにならないかな、冬休みにならないかな、
みんなと遊びたいな、あの子と遊びたいな、って、
好きな感情があったのは確かで、
でも、その日、一日中二人で色々歩いて回って、
あんまりそんな感情が出てこなくて。

あー、人って面白いな、
こんな一瞬で気持ちが変わるんや、
って、思いました。

【次回 最終回】

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