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【掌編】ともしびの行方

https://twitter.com/C18No3/status/1451190655800078337?t=tPhNbILAwwkyTPsAVa1H4w&s=19

深い闇の階段を降り
黄金の燭台しょくだいをたずさえて
神にをともしに行く

そのおごそかな一歩一歩に
確かな祈りがびてゆくのを感じる

この世はすべて
目に見えぬ因果でつむがれている

それを
けして観念ではなく
六十兆の細胞が立ち上がるように実感し
体得していくことが
日々の祈りの本質であったように思える

眼前に立ちふさがる罪業ざいごう蜘蛛くもの巣を
不思議と微塵みじんも揺るがぬ
赤々あかあかとした蝋燭ろうそくの炎が
焼き溶かしていく

――と
その先
フードを目深に被った「おのれ」と目が合う


「遅かったな」

おのれ」の口が少し歪む
心做こころなしか笑ったようにも見える

数瞬――

いかずちたれた如く
森羅万象しんらばんしょう包含ほうがんした
確神かくしんたぎり!

それが全身を駆け巡り


――短き永遠

人の身で過ごせばわかる
思い出すには少々時間がかかるのだ
すべてを受け入れることに

はらは決まったか」

ああ
言って私はフードを脱ぎ捨てた

これより――
全人類を救いにいく

「皆おまえをびていた
――神よ」

踵を返し
一歩を踏み出したその刹那せつな
地上へと続く
くらく冷たい扉のきし
地の底に重く響き渡った

場に残された燭台しょくだい
その使命を果たし終えたかのように
静かにすっと掻き消えた

しかれど
真実の炎は
いまだ明々あかあかと燃えていた
独り歩みゆく神の全身で――
あるいは貴方の胸奥きょうおう
――永遠に

【了】

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水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。