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35歳おひとりさまが映画「LALALAND」を観てもしもあの時・・・を考える

賛否両論あるが私はLALALANDが好きだ。
久しぶりに観直して人生の岐路を思い出し、もしもあの時…を考えた、35歳おひとりさまのお話。

ミアは自己中でバカな女なのか?


どうやら、ミアを「自己中で、自分を大切に想ってくれていた男を捨てて夢を選んだバカな女」と捉えているかたも少なくないらしい。
言われるまで全く気付かなかった。自分がミア寄りの人間だからか。
2人の状況が少しずつ変わって、2人の価値観が合わなくなって(元々少しずつズレていたものが顕在化して)一緒にいられなくなったのだと思っていた。女の方が現実的だし。

もしもあの時結婚して地方に行っていたら

もし自分がミアの立場だったらどうしていただろうか。
昔付き合っていた男性に、結婚していずれは自分の田舎についてきて欲しいと言われ、断ったことがあった。
ミアのようにどうしても叶えたい夢があったわけではないが、自分だけが知らない土地で仕事を辞めて主婦として生きていく想像がつかなかったから。それがきっかけで、なんとなく喧嘩が増えてその男性とは終わった。1番結婚に近かった男性だったので、あとで何度かその選択を後悔した。
婚活がうまくいかないとき。
周りがどんどん結婚して焦ったとき。
周りが子育てで忙しく友達が一気に減ったとき。
仕事があまりに激務だったとき。
なかなか自分が昇進できなかったとき。
転職先を探してもやりたいことなんて見つからなかったとき。
全部、自分がうまく行っていなかったときだ。
今思えば、それってただの現実逃避。

今、仕事はどん底だし変わらず独身なので、周りから見たら相当痛い人だと思う。でも、やりたいことも見つかって自分自身は満たされている。
独身でいて辛かったことも山ほどあったし、ありえないことも山ほどあったけれど、それを乗り越えたから少し大人になったかなとは思う。
転勤も経験させてもらって、たくさんの人や価値観に出会って、自分も変わることができた。あの頃の自分より、今の自分の方が好きだ。

やっぱり私もきっと夢を選ぶ


もしあのまま、結婚して彼について地方に行っていたら・・・。
間違いなく毎日しくしく泣いて、大人なのに心は20代のままのいつも自分の不幸を人のせいにするヒステリック女な今があったと思う。
旦那だけを頼りに、旦那の帰りを待ち、周りにある楽しいことにも気づけず、田舎にも馴染めない、馴染む努力もしない。
そんな自分が想像できすぎて怖い。よかった本当に行かなくて!
確かにあのまま結婚してたら子どもはいただろうし、独身女でキャリアウーマンでもないこの現実より幸せだったのに、と言うのが世間の評価だろう。
でもいいんだ別に。今なんだか楽しいから。今の私でよかったとは思えるから。(そりゃお腹の贅肉落としたいとか、もっとお給料欲しいとか、結婚もできるに越したことはないし、子どももできるなら欲しいし)
だからやっぱり、私もミアと同様にパリに行ったと思う。

「間違った選択」にしないために努力する


こんなになんの成功もしていない女がそう思うのだ。過去に戻りたいなんて本気で後悔している人なんているんだろうか?
結局今が1番いいと思っている人が多いのではないだろうか。女性は特に。
どんな選択をするときも、その時の選択の代償になるものが大きければ大きいほど、その分頑張ろうと思える。絶対に自分が選択した道を後悔したくないから。失敗だったと思いたくないから。
いま大失敗だったと後悔している転職についても、失敗に終わらせないようになんとか立ち直って、こんなクソな会社に転職したおかげで頑張れた!と言える自分になってやると決めている。

もしセブを選んでいたら「ブルーバレンタイン」な未来だったと思う


夢を叶えたミアもきっと後悔はしていない。
思いがけず、夢を叶えたセブに出会って「もしもあの時・・・」を一時考えたとしても。
一人芝居を最初に提案したのもセブ、どんなときも励まし続けたのもセブ、ミア本人よりもミアの才能を信じたのもセブ。
セブへの感謝が根底にあって、自分はあのとき正しい選択をしたんだと思えるようにミアも努力をしてきたはず。
これは自己中と言うんだろうか?
夢を諦めて(または妥協して)セブを選ぶのが正しかったのか?その場合、いつまでもミアが燻り続けて、お互い不満が絶えなくて、これもライアンゴズリングだけど「ブルーバレンタイン」みたいな未来が待っていた気がする。

それにしてもセブがいい男すぎる。
大好きすぎる。
私は遠い国で叶えたい夢なんてないので、ジャズのお店をやる彼を支えるいい奥さんになれるはずなのに!

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