今年25歳、今がいちばん楽しい
「もうアラサーやで!やばない?!」
今年25歳というと、同じ年の友だちは、みんな決まってこう言う。みんな、だいたい《もう若くない私たち》ネタはよく使うと分かっているので、そのときは適当に「ほんまやなあ」と返す。
もしくは仲のいい友だちであれば、私はいつも「そんなん言うなや」と笑いながら言う。
冗談でも、自分で自分を蔑むような自虐ネタはあまり使いたくなかったりするし、友だちにも使って欲しくなかったりする。
そう言う私も、昨日の19日でとうとう25歳になった。
そんな、今年25歳で「不運の92年生まれ」と言われる世代だけれど、人生いまが、いちばん楽しい。
なんでかって、いまの方が昔よりも、できることが増えたからだ。
もともとは私も、年齢を重ねるのはこわかった。
22くらいまでは、若さがこの世では絶対だと思ってたし、顔面偏差値が低い自分は、その若ささえも武器にならないと思っていた。でも、やりたいことをやるときに武器になるのは「若さ」だという自覚も少なからずあったから、ごく稀に使っていた。
「若くてお金がない」単純に、大人からの協力はとても得やすい。24の今でもなんとなく、日本にいると若さが絶対なのは、変わらないと思う。女の人は、特に。
その価値観が変わったのは、旅中に出会った年上のお兄さんお姉さんたちのおかげだった。
去年から今年にかけて、24カ国を8ヶ月でまわる世界一周をした。
そのときに、本当にいろいろな日本人に出会った。けれど、仲よくなって自分から心を開くのは、だいたい年上のお兄さん・お姉さん。みんなだいたい、10個くらい上だった。
というか、もともと世界一周中に同じ歳の人と出会うことは、一切なかった。
世界一周をしている人は休学中の大学生か、3〜4年働いて仕事を辞めた、20代後半が多い。わたしが気が合うのは後者だけれど、やっぱり大学生の方が歳が近いし、コミュニティの分類的には大学生の21〜22歳側に入ることになる。20代後半の人たちは、年の近い30代の人と仲よくなりやすい。なんだか宙に浮いていた。
でも、ふらっと1人でいるときは(というか日本人といるのがしんどくて後半ほとんど1人だった)、よく年上の人と出会って、そのまま行動を一緒にすることが多かった。そのお兄さん・お姉さんたちは、だいたい自営業かフリーランスで働いてる人で、半分くらいが昔に世界一周した人だった。
お兄さん・お姉さんは、とても楽しそうで、自分自身のことを好きでいれているんだなあ、と思った。30代前半というと、人生で結婚というワードが嫌でもちらつく年で(私はそうだと思っている)、きっと彼/彼女たちは、日本でそういう話をされている。
それでも、自分のお店や会社を持ったり、働きながら旅を続けたり、私にはとても眩しかった。
彼/彼女たちの心の広さに甘えてしまって、ワガママを言って、すこし後悔した。
けれど、それでも受け止めてくれて、なんだか嬉しかった。どうして私の好きな人たちは、みんなそんなに優しいんだろう。何も返せるものがない。
反対に、21〜22あたりの子たちの、まっすぐさは無敵だった。けれど、年上の人をたてつつも、自分の若さをきっちりと武器にするしたたかさを、私は受け止め切れなかった。まだまだ子どもだからなのだろうか、若さがあるからと、こちらが少し年上なだけで見下されて、なんとも言えない気持ちだった。まわりも若い方を立てるので、いつも下の方にいた。
若さを武器にできること自体は否定しない。どちらかというと、使うべきだと思う。若さで得るものは多いし、使えるのならば、使うべきで。でも、そんな子たちは、年齢を重ねたときに心配だった。自分が絶対視するものは、人にも強要してしまいがちだ。
そんなつらさも、お兄さん・お姉さんたちが吹き飛ばしてくれた。中には、21〜22側につく大人もいたけれど、そういう人はどうでもよかった。
特にお姉さんたち。彼女たちはとても強くて、仕事・彼氏・結婚・家族、いろいろな話を当時23歳の私にしてくれた。
もともとあまり未来を考えなかった私には、新鮮な感覚だった。「まだまだ生きる未来がある」という感覚は、不思議だった。しかもそれが、楽しいだなんて。
でも結果的に私はいま、年齢が増えていくことが楽しい。できることは、22の頃よりも、25歳のいまの方が多い。
分かりやすい部分は、やっぱりお金だろうか。使える金額は圧倒的に増えたし、お金を使うものも変わった。
物に対して使っていた学生時代から一転、時間や経験にはお金を惜しまなくなった。
〝Time is Money〟
なんて言葉があるけれど、本当にそうだと思う。時間をお金で買うと、思いがけない新しいことが入ってくる。
そして、年齢を重ねると話の内容に深みが増した。厚みとも言うのだろうか。知識と経験は増えたし、だからこそ話の引き出しが増えた。
アラサーというけれど、そうなのだろうか。25歳なんて、30歳まであと5年もある。個人的には、27〜28歳くらいのかっこいい大人たちをたくさん知っているので、憧れの方が強い。
早く、その年齢に到達したかった。その第一歩が、25歳だった。
いまこうして「25歳のいまがいちばん楽しい」と言えるのは、間違いなく楽しく生きる姿を見せてくれたお兄さん・お姉さんのおかげだった。あのときたくさんの大人たちに出会っていなければ、25歳を「最悪な年」なんて言いながら迎えていたかもしれない。
そんなの絶対に嫌だ。
私はこれからも、「いまがいちばん楽しい」と、言い続けていたい。
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