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目に見えない世界⑥「奇跡のりんご」

木村秋則は青森県弘前市のリンゴ農家。自然栽培の第一人者であり、11年かけて無農薬・無施肥のリンゴ栽培に成功した。

ウィキペディアより

 単身赴任中、ちょうど下北の本屋に「奇跡のリンゴ」と言う本が並んでいた。お?青森県弘前市の人?

一番初めに手に取った木村さんを取材した本。

 同じ青森県人という興味も手伝って手に取り、早速読んだ。
 そして木村秋則さんのファンになる。
 どういうファンかというと、地球のためにはこの人について行った方がいいのではないか?という生き方のファンである。

 美術の授業の終わりに、「マイケル・ジャクソン研究」というマイケルのショートフィルムを通して、マイケルの真実の姿を紹介するメディア・リテラシーの授業を展開していた。
 MJの次に取り上げるなら木村秋則さんだな、と思っていた。しかし、美術の授業でいっぱいいっぱいで、ついぞ、取り上げることはできなかったが、地球の味方になるには、木村さんの考え方はピッタリだと思う。

 りんごという品種は何度も品種改良されているため、病虫害にものすごく弱い。そこで、ちょっと我々消費者が、想像できないぐらい農薬の散布が多い。木村さんは、その時期になるといつも具合が悪くなって倒れている妻のため、農薬を使わない方法は無いのかな?とある年から実験を始めるのだ。それがまさに苦難の始まりで、どれだけ大変だったかというと、11年かけて、無農薬栽培に成功したとあるが、その間、無収入であるといえば想像がつくだろうか。
 子供たちは1つの消しゴムをカッターで切って分けて使っていたというし、電気を止められたことも有る。近所の人からは「かまど消し」(津軽弁で竈(かまど)の火を消してしまう、家の生計が駄目をだめにしてしまう愚か者をさす言葉)と陰口を叩かれ、誰も挨拶もしてくれない。誰にも会わないように朝早くリンゴ畑に行き、夜遅く帰ってきたそうだ。
 その木村さんが試行錯誤して、無農薬栽培に成功するまでの話は、物語としてもとても面白いので興味を持たれた方は是非、ご一読ください。
 私が最も影響を受けた本は、こちらの本。

この本が、また全然、別の意味で面白いのでおススメです!

 美術の時間は、手と頭を両方動かしているので、生徒が何か創っている時はなるべく話しかけないようにしているのだが、どうしても何か言いたいことがあったり、この本、面白いよ!と言う時に、時々、本を朗読することがあった。その本は岡本太郎の本の時もあったが、最近は、もっぱら、この本ばかり読んでいた。

 子供たちが好きそうな話が載っているのである。
 木村秋則さんが、龍やUFOや、宇宙人に会った話。

 ここで断っておくが、木村さんは、バリバリの理系男子。子供の頃から機械と見るやなぜ動くのだろうと分解して、親に怒られているタイプ。
 つまり、なぜ、そうなっているのか、現象の原因を徹底的に究明したい唯物論者である。そういう人が、この本を読むと、驚くぐらい不思議な出来事に出会っている。本人曰く、出会ったものは、信じるしかないとのこと。

 高校生の時に龍に初めて出会った話からはじまって、その後も、何度か龍を見かけた話(それには地震雲としての龍の話もあった)、自分の畑で宇宙人に会った話、UFOに拉致された話。いろいろな話が次々と続く。

 そんな面白い話に続けて、リンゴから教わったこと、地球にとって大事なことが語られる。今まで、何度も不思議なこと、理解しがたいことを、その都度見せられてきたのは、目に見えないところに、大事なことがあると、不思議な存在から、告げられてきたのではないかと木村さんは言うのである。
 だから、自分は、農薬を使わないという非常識な栽培を思いつくことが出来たと。(その経緯も、突然、自然栽培の本が、棚から落ちて、汚れたから買うことになったとか、何かに導かれているような感じだ。)そして、無農薬の自然栽培は、地球にとっても、いい栽培法だと語る。

 初めは「木村さん、龍とか宇宙人に会ったことあるんだってよ!」と面白半分に朗読していたが、生徒に何度も朗読しているうちに、この本の内容にハマっていったのは、自分だったようだ。

 自分がこの本を読んで思ったことは、地球にとってなにか大事な活動をしている人は、何か高次元の存在にサポートされるのかもしれないな、ということだ。龍は、彼の人生の節目に登場しているし、宇宙人に至っては、なんども木村さんの畑を見に来ている様子。岩木山のそのあたりは、UFOをよく見かけるスポットとして新聞に載ったことも有るらしい。

 その後も、木村さんの後を追った私は、奇跡の食事会にも参加。

 そのことをこの記事に書いた。(よかったら読んでください💛)
 東京で、菅原文太さんと木村さんと弘大教授の講演会を見に行ったことも有る。なぜに?菅原文太?
 映画全盛時代に人気俳優だった文太さん。フィルムとデジタルのカメラの違いを、「デジタルはピンと来ない」と言っていたのが印象的だった。
 木村さんを知った文太さんが、自然栽培に目覚めて、跡継ぎのいない畑を買ったという話が面白かった。

 青森県でもみちのく銀行が主催する「木村秋則自然ふれあい塾」という企画があり、木村さんに農業を教わるという企画だったので、「やったー!」と思い、早速申し込んでみた。月1回、7回ぐらいだったろうか。
 あの木村さんの講演を5000円ぐらいで、6~7回聞けるとあれば、全く高くないような値段だった気がする。(忘れましたw)

 一緒に、農作業をしながら、午前中2~3一緒に作業をして、最後に質疑応答があるという会だった。田んぼの中で、畑の中で、木村さんを囲みながら質疑応答があった。参加者は農業をしている人が多く、私のように木村秋則ファンだけで参加した人は数名いるだろうかという感じだった。
 質疑応答の時間も、農業をやっている皆さんの質問は、具体的な作物の栽培法など、ガチな質問で、自分のような物見遊山なモノが質問する余地はなかったのである。

 自分にとっても農作業は初めての体験だったが、毎日の労働ではなく、月に一度、土と触れ合うのは、とても、楽しいものだった。泥だらけになって田植えをしたり、枝豆を植えたりした。
 しかも、あの木村秋則さんが、すぐ目の前にいるのだから。

 ある時、まったくどしゃぶりの雨の中、今日はどっかの室内での講義なんだろうなと思いながら遅れて現場に到着したら、みな、外で土砂降りの中、農作業をしていた。

 私は、ぎょっとした。

 そうか、農作業は、サッカーと同じか!と再確認したのである。
 もう全身びしょぬれになる覚悟で、車の外にやっと出た笑。
(後から考えると、普通は農家の人もやらないだろうが、お金を取ってやっていることなので雨天決行したのかな?)その後、やはり屋内に場所を移し、木村さんの話を聞いた。

 私は、ノートを持って、いつも木村さんの話を聞いて、言ったこともメモしていたけど、やはり、田んぼや畑の中に立つ木村さんを見て、ああ、なんて、この場所が似合うのだろうと思っていた。

 どの講演会場よりも、自然の中が似合う人だ。
 メモを忘れて、ついつい、彼の姿をスケッチしている時があった。
 
 後で、そのスケッチにサインも頂いた。わあ~尊い(⋈◍>◡<◍)。✧♡!

貴重な話もメモしたいし、木村さんの絵も描きたいのでしたw。

 マイケルも、木村秋則さんも、今風に言うと私の推しである。

 「木村秋則自然ふれあい塾」の最後は塾生たちの泊りがけの楽しい飲み会だった。みんな作った野菜で料理や飲み会をして、普段家では絶対茶碗を洗わないという男性と、「家でもやってくださいよ」「いや、絶対やらない。女房には秘密」と後片付けをしたことが懐かしい。

 ちょっと面白いと思ったのは木村さんとジョブズの共通点。

 木村秋則 → 奇跡のリンゴ → バガになれ!
 ジョブズ → アップル  → STAY FOOLISH!

 2人とも、好きなことを馬鹿みたいにやれ!と言っているのは同じだなあとw。

 目に見えない世界で、木村さんをサポートしている存在とは何なのか、また一つ不思議が生まれたのであった。(つづく)