『満ち欠けワンダーランド』07.どらま
指を滑らせていき、状況は把握した。ただ、時間が経つにつれて恨み辛みをぶちまけ、手遅れだ。母の言葉による暴力は今に始まったことではない。
『ごめんなさい』とメッセージを送るや否や着信、
「あなたね、謝れば済むと思わないで。本当は半日どこで誰と何をしていたの!?汚らわしい」
耳元で怒鳴られ、ふっとスマートフォンの電源が落ちる(マジかよ)。助かった訳でなく、頼らなければこのターミナル駅から実家までは、頭が真っ白になった。現在、充電ゼロ。
土産物はさておき、モバイルバッテリー