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【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】東洋医学からみるショウブの世界

千葉市内、千葉駅すぐ、女性と子ども専門鍼灸院『鍼灸 あやかざり』です。いつも【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】の記事をお読みいただき、ありがとうございます。

GWの真っ只中、今日5月5日は「子どもの日」です。
「子どもの日」といえば、屋根より高い鯉のぼり~♬の他にも、大リーガー大谷翔平選手がかぶったことで一大ブームをひきおこした「兜(かぶと)」は、古くから、端午の節句の五月人形の飾り物とされてきました。

今回は、この5月5日にちなんで、端午の節句と東洋医学からみるショウブの世界をご紹介していきます。

それでは、どうぞ最後まで、お楽しみください!!

1.端午の節句とは

端午の節句がどこからきたものか、その由来には諸説あります。
ひとつには、中国から伝わったもので、ちょうどこの時期に花を咲かせる花菖蒲が「勝負」や「尚武」につながるということで、男の子の節句とされた、というものです。
ほかには、日本を由来とするもので、飛鳥時代頃、田植えの時期となる5月の最初の午の日に、稲の神様に豊穣を祈願する早乙女が小屋や神社にこもって、田植えの前に穢れを祓う「五月忌み(さつきいみ)」と呼ばれる風習があり、それが中国の「端午の節句」と合わさって、日本の「端午の節句」がとなった、いうものです。
いずれにしても、実りや子どもの成長を願う気持ちの表れであり、一つの節目として、これまで大切にされてきたようです。

2.ショウブの由来

石ショウブの葉:菖蒲湯に使われます

古くから「端午の節句」に菖蒲湯として使われる「ショウブ」ですが、実は、花を咲かせる花ショウブとは全く別の植物ということをご存知でしょうか?

花ショウブはアヤメ科の多年草です。
ショウブと似た葉を持ち、花が美しいことから花菖蒲と呼ばれるようになりました。

一方のお風呂に入れる「ショウブ」は石ショウブ。
サトイモ科の多年草です。
石アヤメともいわれますが、花ショウブやアヤメとはまったく異なり、木緑色でとても小さな花が5月頃に開花します。
一見すると花には見えないことから、その花が注目されることはほとんどありません。

石ショウブの花

これが、その石ショウブの花です!
石ショウブは、このように、刀のような細長く鋭い葉や爽やかな香りが邪気を払うという言い伝えもあります。

原産地は中国で、主な産地は四川、浙江、江蘇などです。
中国の江南地区には、古くから、端午節に菖蒲酒を飲む風習があるそうです。
また、菖蒲・艾葉(ヨモギ)・ニンニクを使って人形を作り、そのにおいで瘴気(ショウキ:感染症の原因となる悪い気)を追い払うという習慣もあり、菖蒲・艾葉(ヨモギ)・ニンニクを「端午三友」というそうです。
このように中国でも菖蒲は端午節に欠かせないもののようです。

3.ショウブの効能

石ショウブの根茎は、古くから漢方薬の方剤としても用いられてきました。
春の初めに花が咲くと、その精油の含有量が低くなるため、冬の終わりに採取して、乾燥させたものを用います。

3-1.東洋医学的な効能

東洋医学的な性質、効能は次のとおりです。
【性質と味】
 辛・苦、温
【関連する臓腑経絡】 
心・脾・胃経

①除痰開竅:
痰を除いて意識障害を解消します。
②化湿開胃:
体内に溜まっている余分な水分を排泄しやすくして、胃腸の機能を回復させ食欲を増進させます。

3-2.現代の研究による効能

現代の研究では、以下のような効能があることいわれています。
①記憶障害の改善作用
②てんかんの抑制作用
③鎮咳、喘息を止める作用
④鎮静作用
⑤消化促進作用
⑥真菌の抑制作用

石ショウブは無毒で目立った副作用もありませんが、陰虚血熱の人や風邪で発熱中の人など、からだに熱が溜まっている人は症状を悪化させ回復しにくくさせてしまうことから、用いることを控えたほうがよいほうです。

4.ハナショウブの仲間

「ショウブ」がハナショウブと全く異なることは冒頭でお話をしました。
ハナショウブとよく似た花に、アヤメやカキツバタがありますね。
『いずれアヤメかカキツバタ』という慣用句は、アヤメとカキツバタが似ていて区別がつきにくいところから、どちらも優れていて優劣がつけにくいことの例えです。
さて、みなさんは見分けることができますか?
今回は、百科事典でその違いを調べてみたところ、以下のような違いがあるということがわかりました。

●ハナショウブ:

ハナショウブ

アヤメ科の多年草。
水辺などの湿ったところで栽培され、初夏に美しい花をつける。花色には紫、白、絞りなどがある。

●アヤメ:

アヤメ

アヤメ科の多年草。
やや乾燥したところを好みハナショウブなどとは違って水中には生育しない。
花は5~6月頃に咲く。紫色の花の直径は8cmぐらい。
3枚の外花被片は、花弁上で藍色か紫色で大きく円形で垂れ下がる。
基部に虎班(とらふ)と呼ばれる黄と紫褐色の網目の脈がある。
内花被片3枚は細長く直立する。花は1日でしぼむ。

●カキツバタ:

カキツバタ

アヤメ科の多年草。
花は初夏に咲き、濃紫色で3枚の外花被片は反転して垂れ下がり、各片の中央に縦に黄白色の筋が入る。
弁の基部にアヤメのような網目模様はない。内花被片は幅が狭くほぼ直立する。

これらの他にも4~5月に咲く、ジャーマンアイリスやダッチアイリス、イチハツなど、ハナショウブとよく似た花はたくさんあります。
ぜひ、近くの公園などにお散歩に出かけて、ハナショウブの仲間をみつけてみましょう。

5.千葉駅周辺の鑑賞スポット

筆者の鍼灸院『鍼灸 あやかざり』は千葉市内千葉駅近くに所在しています。
女性はお花が好きなことから、当院の患者さんとの会話でお花が話題になることがあります。

そんな時に、近くの花菖蒲の鑑賞スポットとしておすすめするのは、千葉市中央区にある千葉公園です。
ここは、千葉駅から10分程度でいくことができる公園で市民の憩いの場となっており、その一角にひっそりと咲いているのを初夏の時期に楽しむことができます。
また、千葉市の都心部から東南東約11キロにある泉自然公園には、約12品種約6,000株の菖蒲田があり、毎年6月中旬ごろに見ごろをむかえるようです。

ぜひ菖蒲の花を楽しみに出かけてみて下さいね!

6.まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。
端午の節句と東洋医学からみるショウブの世界、お楽しみいただけましたでしょうか?

このように、身の回りにあるいろいろなものを東洋医学的にみていくと、鍼灸ほかにも、身近なところに自然治癒力を高めるヒントがたくさんあることに気づかされますね。

それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132

画像の出典:https://www.photo-ac.com/

参考文献:『東方薬草新書』、『ブリタニカ国際大百科事典』


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